静寂の住人2
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黒曜ヘルシーランドを出た綱吉とイヴェールは姿を消してボンゴレ本部に着いていた。
「・・・あっという間だ。」
「飛行機なんか乗っていたら時間がかかるからな。」
「そうだね・・・。」
またイヴェールの神様パワーが出たと思いながら姿を消した綱吉はイヴェールとボンゴレ本部の中に入って行く。
「ここが9代目の執務室か。」
ボンゴレボスの執務室だけあって他の部屋の扉より荘厳だ。
イヴェールの力で姿を消したまま扉を通り抜け、執務室に入ると執務室を見やると9代目と守護者達が居て何かを話し合っている。
「9代目、沢田紘吉と鳥居玲奈嬢の婚約が正式に決まったら沢田紘吉の処遇はどうするつもりだ?」
コヨーテ・ヌガーが問うと9代目は溜め息を吐いた。
「正式に決まった後、紘吉君はお飾りの10代目にして玲奈嬢の直属の部下にさせて汚れ仕事も彼の仕事に決定しておる。そして玲奈嬢に実権を渡すことにした。」
答える9代目は引き出しから1枚の書類を出した。
「既に勅命書も用意している。玲奈嬢と紘吉君の婚約パーティーが終わり次第勅命書にサインをさせる。」
紘吉に然るべき罰を受けさせると言った9代目に守護者達は納得した。
9代目達の話を聞いたイヴェールは溜め息しかなかった。
「結局ただの一度も紘吉と鳥居玲奈の調査をしなかったか。」
組織のトップとしての資質がないのが露呈したと蔑視したイヴェール。綱吉もまた蔑視している。
「・・・所詮犯罪組織。9代目達の目が仄暗いのが証拠だよ。」
マフィアの番犬だの、悪事に手を出していないだの言ってもマフィアはマフィア。必ずどこかしらで悪事に手を染めて、人を殺めている。そんな人間の集団にまともなことをしろというのが間違いだと侮蔑する綱吉。
「俺はもう一人の俺の沢田紘吉に戻れとは言えない。こんな所に戻ったところで彼と彼を信じた人達が辛い思いをするだけだ。俺もこの世界で沢田紘吉として振る舞うつもりも無いよ。何より9代目達も沢田紘吉をボンゴレの為の道具として扱おうとしてるしさ。」
「・・・そうだな。私もツナと同意見だ。屋敷に戻ろう。」
「うん。」
勅命書を引き出しにしまう9代目とそれぞれの部屋に戻る守護者達を横目に綱吉とイヴェールは屋敷に戻った。
翌日の午前8時過ぎに綱吉とイヴェールは骸とクロームとを並盛駅の駅ビル前に呼び出した。
「もしかして骸とクローム?」
「変装したのか。」
「そうですよ。」
「ボス、イヴェールさんおはよう。」
骸とクロームは念のために変装していた。特徴的な頭頂部の逆立った髪も下ろしている。
胸中でイヴェールは頭頂部の逆立てる髪型を止めれば普通の人間に見えると思いつつ説明した。
「今から沢田家に向かう。着いたらクロームがクローム自身と私とツナ姿を隠す。次は私とツナとクロームが子供達の部屋に入り子供達を納得させた後、クロームは子供達の姿を隠した後に沢田家を出る。その後は骸が子供達の有幻覚を作り出す。」
「分かったよ。」
「了解しました。」
「頑張る!」
ツナとイヴェールは骸とクロームを連れて沢田家に着いた。
クロームは深呼吸してから自分自身とツナとイヴェールの姿を隠した。そのまま庭に回り奈々が洗濯物を干しているのを確認すると玄関に行きクロームの術で音を立てないように施錠を解除して子供達の部屋に向かった。
子供達の部屋の前でイヴェールはクロームに一旦術を解くように言ってクロームは術を解いた。
そっと扉を開けて入ると子供達は目を大きくして驚いた。
「ツナとクロームだもんね!後お前誰だ?」
「ツナ兄!綺麗な人は誰なの?」
「その人はツナさんの味方?」
「俺の隣にいる人はイヴェール。俺の仲間だよ。」
奈々に聞こえないように綱吉とイヴェールとクロームは子供達にこれからのことを小声で話していった。
「フゥ太、ランボ、イーピン。もうこんな家に居たくは無いよね?」
子供達は綱吉の言葉に頷くがツナも一緒じゃないなら嫌だと言ってきた。
「正直もうここは嫌だ。でも僕はツナ兄が出て行かないなら出ないよ。」
「ランボさんツナも一緒じゃないなら出て行かないもんね!」
「皆一緒に!」
ツナは一緒に行こうと言ってイヴェールのことを話した。
「イヴェールは俺達を助けてくれる心強い味方だよ。これから行く場所はイヴェールの家で暫くはそこで生活するよ。リボーン達はイヴェールの家を知らないから安心できるから大丈夫だ。」
子供達はツナと一緒に暮らせると喜ぶがその一方で目の前にいるツナは自分達が知っているツナではないような気がしていることについて綱吉に訊ねた。
「あのさ、ツナ兄。ツナ兄だけど何故かツナ兄じゃないような気がするんだ。何で?」
そう聞かれて綱吉は子供達の洞察力に驚いた。
「気が付いていたんだね。確かに俺はフゥ太達が知ってる沢田紘吉じゃないんだ。」
「それじゃツナはどこにいる?話さないと許さないもんね!」
ランボの言葉に同意するフゥ太とイーピンに綱吉はどうやって幼い子供達に説明しようかと悩んだ。そんなツナを見てイヴェールは簡単に説明した。
「君達が知っているツナは私の仲間が守っているから無事だ。今は会えないが近いうちに会わせるつもりだ。」
子供達はツナが無事で匿って貰っていることに安心して沢田家を出て行くと決めるとクロームが術でツナ達の姿を隠し沢田家を後にした。
沢田家を無事に脱出したツナ達を確認すると骸は有幻覚のフゥ太とランボとイーピンを作り出すと足早に去って行った。