静寂の住人2
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屋敷のリビングで綱吉とイヴェールはフゥ太達を沢田家から避難させることを話し合っていた。
「イヴェール、ランボ達をあの家から助け出さないと。」
リボーンはフゥ太にも暴力を奮い、女の子であるイーピンを怒鳴った。いつも殴っているランボに対してはかなり本気で殴っていた。
「そうだな。早速クロームに協力してもらおうか。彼女は幻術士だ。幻術で子供達の姿を隠してここまで連れてきて貰おう。」
「ここなら安全だよね。」
「クロームに連絡する。」
子供達を保護する算段を付けると綱吉は子猫の世話をする。
子猫を可愛がる綱吉を微笑ましそうにしたイヴェールは携帯を作り出しメールを作成した。
【協力してもらいたいことがある。明日の放課後に黒曜ヘルシーランドへ行く。】
力で携帯を作り出しメールをクロームに送信したイヴェールに綱吉は相変わらず神パワー炸裂したと思ったのだった。
ーーーー
夜中、並中に忍び込んだ獄寺と山本はビニール袋から子猫2匹の死骸を出して紘吉の下駄箱に入れる。
「沢田のせいで可哀想にな。」
「でも悪いのは沢田の野郎だ。悪く思うなよ。」
子猫を殺して紘吉の下駄箱に入れた獄寺と山本は嘲笑いながら並中を後にした。幻術で隠されている防犯カメラに写っているとも知らずに。そしてイヴェールの力で作られていた子猫の死骸は音を立てることなく消えた。
応接室で一部始終を見ていた雲雀は怒りで思わずトンファーで机を破壊した。
「あの駄犬と野球男!僕の学校に!」
獄寺達が何かするだろうと検討は付けていたが雲雀の予想を越えていた。せいぜいゴミを入れるくらいだと思っていた。
控えていた草壁に後始末を命じて雲雀は紘吉の下駄箱に足を向けた。
下駄箱を開けると子猫の死骸が無くなっていた。雲雀は怪訝そうにする。
「確かに駄犬共は入れていたよね?けど血の臭いがしないし下駄箱も汚れていない。」
応接室に戻り防犯カメラの映像を確認すると獄寺と山本が子猫の死骸を入れている映像が流れた。
「これはイヴェールと小動物擬きが関わってるね?」
子猫の死骸がいきなり消えるなどあり得ない。雲雀は明日綱吉とイヴェールに聞くことにした。
翌朝ーーー
応接室で雲雀はソファーに座っているイヴェールに率直に聞いた。
「昨日の夜駄犬と野球男が小動物の下駄箱に猫の死骸を入れていたんだけど僕が見に行ったら死骸が無くなっていた。これってイヴェールの仕業かい?」
「そうだ。あの子猫はこのマテリアルの世界が崩壊する前は本当に獄寺隼人と山本武に殺されていたが今回は殺される前に保護した。あの二人が殺したのは私の術で作った幻覚だ。それにこの世界に生まれた沢田紘吉はあの子猫の死を悲しんでいたからな。」
「そう。」
如何にも紘吉らしいと雲雀は思った。
イヴェールは紅茶を飲み干すと書類整理をしている綱吉とデスクで書類に目を通している雲雀に声をかける。
「ツナ、雲雀少し良いか?」
綱吉と雲雀はイヴェールが座っているテーブルの方に行きソファーに座るとイヴェールの話を促す。
「どうしたの?」
「何?」
「雲雀、鳥居玲奈とリボーン達の悪事の証拠は集まったか?」
「勿論。」
いつでも地獄に叩き落とせると口元に笑みを乗せる雲雀にイヴェールはそれなら準備をしておいて欲しいと言った。
「念のために準備をしておいてくれ。」
「分かったよ。」
雲雀が承諾すると今度は綱吉に目線を向けた。
「これから私とツナは黒曜に行ってクローム髑髏に話を付けたらイタリアに向かう。」
「イタリア・・・ボンゴレの審査だよね?」
「ああ。それじゃ黒曜に行くか。」
「うん。雲雀さんお先に失礼します。」
雲雀は頷くことで答えて綱吉とイヴェールは黒曜ヘルシーランドに足を運んだ。
クロームが出迎え中に通した。ソファーに座る骸は怪訝そうにした。
「クロームどういうことです。ボンゴレに似てますが全くの別人。そしてその隣に居る人物は明らかに異質だ。」
そんな怪しい二人を中に通した理由を問う骸にクロームは説明しようとしたがそれをイヴェールが止めに入った。
「私はイヴェール。」
「イヴェール?・・・静寂の住人の一人なのですか?」
「私達のことを知っているようだな。」
「まさか・・・・・・。」
にわかには信じられないという顔をする骸にイヴェールは本来の姿を見せた。
茶色のショートヘアーで右目が蒼色で左目が金色の美形を見て骸はポカンとした。因みにクロームもポカンとした。
「こ、これはどうやら本当のようですね。顔立ちは人間離れしているのが分かる程に整っているし何より威圧感が半端ではない。」
「イヴェールさんって本当の姿も綺麗なんだね・・・。」
霧の守護者二人の反応にイヴェールは不思議そうにした。
「そうか?私と同胞を産み出した高貴な方の方が整った顔立ちをしていたぞ。」
イヴェールの言葉に霧の守護者達は驚きしかなかった。そんな二人をよそにイヴェールは話を戻した。
「まずは信じられないだろうがこの世界に起きたことを説明する。」
イヴェールはこの世界に起きたことを話していった。
全てを聞いた骸とクロームは信じられない話ではあるが嘘ではないと確信した。目の前にいるイヴェールの存在は明らかに人ではないし、綱吉は紘吉に似ているが僅かな仕草が違った。例えば骸に対する怯えながらの愛想笑いは紘吉は青ざめながら笑うがここにいる綱吉は引きつった顔をする。明らかに別人だ。
「成程。それでクロームに頼みたいこととはどんなことでしょう?」
「沢田家に居る子供達を保護することに決めたのだがその時クロームの幻術で子供達の姿を隠してを私達の屋敷に連れて来て貰いたい。それと有幻覚の子供達を作って沢田家に向かわせて欲しい。」
クロームは力強く頷いた。
「分かった。それでいつ実行するの?」
「出来れば明日ーーー」
「ちょっと待って下さい。」
イヴェールとクロームの会話に骸が割り込んだ。
「それくらいでしたら貴方でも余裕でしょう?それなのにクロームが力を貸さなくてはならないのです。」
神の力を持つイヴェールが何故人間のクロームの力を借りるのかと骸は不思議に思った。
綱吉とクロームは骸にそれぞれ説明した。
「イヴェールは話した通り神の力を使ってこの世界の崩壊を防いでるんだ。」
「だから私が少しでも力を貸したらイヴェールさんも力を温存出来ると思うの。」
「・・・そういうことなら良いでしょう。世界が崩壊したら僕もクローム達も死ぬしかありませんからね。僕も力を貸しますよ。クロームばかり苦労させるわけにはいきません。」
「そうか。助かる。」
「骸、クロームありがとう。」
骸とクロームの力を借りることが出来た綱吉とイヴェールはボンゴレ本部に向かうことにした。