静寂の住人2
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マテリアルの世界ーーー
数日の間、玲奈は苛められたと騒ぎ、獄寺達は幻覚の紘吉を制裁して雲雀が助けるふりをしていたがある日玲奈は制裁されて動けなくなっている紘吉に婚約を迫った。
「もう玲奈と婚約しようよ~?これ以上獄寺達に制裁されるのも~京子に嫌われ続けるのも嫌でしょ~?婚約してくれるなら仲直りしたから制裁しないでって言ってあげるわよ~?」
だからさっさと玲奈の手を取りなさいよと言ってくるが幻覚の紘吉は首を横に振り拒否した。
「フン!だったら嫌でも玲奈と結婚してもらうからー!じゃないと雲雀さんは玲奈を見てくれないもの~。」
玲奈は紘吉を蹴って屋上を出て行った。
その様子を姿を消してしっかり録画しているイヴェールと念のためにと録音していた綱吉。
「どうやら今日は家光が帰国しているようだ。」
「え?どういうこと?」
戸惑う綱吉にイヴェールはマテリアルの世界が崩壊する前のこの日起きたことを説明した。
「崩壊する前の今日○月○日は沢田家光は9代目の勅命書を持って帰国していた。」
「勅命書?」
「その勅命書には鳥井玲奈との婚約が決定した事と鳥井玲奈の部下になることが記されていた。」
「ええっ!?それって俺みたいなことになってない!?」
まさかマテリアルの世界の紘吉が自分と同じような状況になっていたことに驚いた。
「今日は沢田家光を審査することなる。」
「分かった。」
「それと今日の放課後、クローム髑髏が訪ねてくるから。」
「クロームは味方だったよね?」
確認するように聞く綱吉にイヴェールは大丈夫だと答えた。
「そうだ。だから安心して良い。」
録画と録音の確認をする為に応接室に向かい放課後にクロームが訪ねてくる事を話すと雲雀は眉間にシワを寄せた。
「何で来るわけ?」
「クロームは沢田紘吉を心配しているからな。それも六道骸に黙ってな。」
「ふうん。六道の小飼は気に入らないけど敵じゃないなら良いよ。」
しぶしぶ認めた雲雀に綱吉とイヴェールは苦笑した。
放課後、応接室の外に霧が発生した。
気配を感じた雲雀はクロームを応接室に入れた。クロームは綱吉を見て直ぐに見抜いた。
「ボスがあれからどうなっているのか気になって。家にも修行してる場所にもいなかった。だからここに来た。でもここに居る人はボスじゃないわ!」
一発で見抜いたクロームにイヴェールは拍手して誉めた。
「鳥井玲奈の嘘を見抜き沢田紘吉の味方に付いただけのことはあるな。」
「綺麗な人・・・貴方は誰?」
クロームは顔を赤くしながら自分の目の前にいる顔が整った人物に問う。
「人間達は私の事を神と呼んでいる。」
「神様・・・?」
にわかには信じられないという表情をするクロームにイヴェールは雲雀に目線を向けた。雲雀はやれやれといった顔で本当だと告げた。
「本当だよ。下手に逆らうと痛い目にあうよ。僕は負けた。」
プライドが高い雲雀が負けを認める発言にクロームは驚いた。
「・・・雲の人は無駄に嘘は付かない人。だから信じる。」
イヴェールは簡単に今この世界に起こっている事をクロームに説明した。
「そんな事になっていたなんて。でも私はボスの為に協力したい。私のボスはボスだけだもの。」
「それなら力を貸して欲しい時には声を掛けよう。」
「分かった。」
そしてクロームは紘吉の為に今自分が出来ることはないかと思案した。
そして一つだけ思い付き雲雀に向き直った。
「雲の人は霧の波動が流れてるの?」
「少しだけだけどね。」
クロームはだからかと頷いた。学校に設置されている防犯カメラ全てが幻術で隠されていたが一般人や幻術に詳しくない人間は兎も角、自分や骸のような幻術士、幻術に詳しい人間なら一発で見破れる程度だったからだ。
「防犯カメラはボスの為でしょ?鳥居玲奈や嵐の人達は気付かないかもしれないけどアルコバレーノにはバレてしまう可能性があるわ。だから、防犯カメラは私が幻術で完璧に隠す。」
「それは構わないけどイヴェールの方が確実じゃない?」
雲雀に問われてイヴェールはクロームに頼んだ。
「いや、この件はクロームに任せようと思う。この世界の崩壊前は元々クロームが幻術で隠していたしな。」
「俺もクロームに任せた方が良いと思う。イヴェールはこの世界の抱懐を防いでいるから力は成るべく温存した方が良いかも。」
クロームは任せてと言って応接室を出て行き、並中の2-Aに設置されている防犯カメラをはじめ全ての防犯カメラを幻術で隠した。
全ての防犯カメラを隠したと雲雀に報告するとクロームはイヴェールに携帯の番号とメールアドレスをメモ帳に書いて渡した。
「いつでも連絡して。」
「済まないな。ありがとう。」
イヴェールはメモを懐にしまうとクロームは黒曜に戻って行った。
家光を審査する為に綱吉とイヴェールと幻術で作られた綱吉を送るふりをする雲雀は沢田家に向かった。
家光とリボーンの怒号と子供達の泣き止まない声に綱吉は何があったんだと慌てるがイヴェールが幻覚で作った綱吉が動きドアを開けると家光に殴り飛ばされた。
「うっ!!」
怒りがこもった声で家光は怒鳴り付けた。
「全くお前は何を考えているんだ!玲奈嬢を襲ってその後も苛めをしてるって聞いたぞ!ディアボロスファミリーは同盟ファミリーなんだぞ!ボンゴレとの関係が悪化したらどうするつもりだ!」
「俺は何もしてないよ!」
「言い訳するな!ありがたいことに玲奈嬢が双方の関係がこれ以上悪化しないためにお前と婚約したいと言ってきてくれたんだ!」
「嫌だよ!結婚は好きな人が良い!」
家光は座り込んだ綱吉の言い分を遮るように胸ぐらを掴んだ。
「いい加減にしろ!玲奈嬢だってそう思っていたはずだ!それをお前が仕出かしたことを無かったことにするために婚約すると苦渋の決断をしたんだ!寧ろそれだけで帳消しにするって言ってくれた玲奈嬢とドン・ディアボロスに感謝しろ!」
「そんな!」
嫌がる紘吉をまた殴り付け1枚の書類を見せた。
「これはお前が玲奈嬢と結婚したら部下になり一生を掛けて償いをすることを記された9代目からの勅命書だ!ボンゴレを継いだら汚れ仕事や殺しは全てお前の仕事だ!」
自業自得だと吐き捨てるように言って家光は家に戻っていき、泣き出す紘吉を今度はリビングから出てきたリボーンが殴り付けた。
「てめぇのしたことの結果だぞ!これからねっちょり躾をしてやるからな!さっさと自分の部屋に行きやがれ!」
そう言って紘吉に蹴りを入れるリボーンを子供達が駆け付けて止めに入ると
リボーンは鬱陶しいとランボを殴りつけフゥ太に蹴りを入れた。
「うるせぇ!大体お前らがダメツナに食い物を渡すから制裁しても玲奈を苛めようとするだけの体力が残るんだ!最もこれからは食事中は俺様がしっかり監視するからなっ!」
ツナに食物を渡せないようにしてやると言い放つと子供達は真っ青になった。
そして真っ先に泣き喚いたのはランボ。
「ウワーン!やめろー!食べないとツナ死んじゃうもんねー!ワーン!リボーンの馬鹿ーー!!」
リボーンは煩いとランボを殴って、フゥ太とイーピンに台所に入って料理をして紘吉に食べさせるなと怒鳴り付けて言った。イーピンとフゥ太は顔色を青くさせた。
「勝手な真似は許さねぇぞ!さっさと家に入れ!ツナお前もだ!」
リボーンに捲し立てられて幻覚の紘吉と子供達は入っていく。
幻覚とはいえ紘吉に暴力を振るうリボーンと家光を見て姿を消している綱吉はリボーンも家光も信用出来ないと判断して、イヴェールは紘吉が悪いと決め付けたリボーンと家光に呆れていた。
雲雀は雲雀で隠しカメラとボイスレコーダーで録画と録音をしていたが自分の生徒、息子を信じない家庭教師と父親に眉を寄せていたがこれも証拠になると笑いが溢れそうになる。笑いを堪えつつバイクにエンジンをかけるとリボーンが紘吉を助けるなと言ってきた。
「雲雀、もうダメツナを庇うのは止めてくれ。制服も渡さなくて良いぞ。」
「ボロボロの制服で歩かれると風紀が乱れる。」
「うっ、それはそうだが。」
「話はそれだけかい?なら僕はもう行くよ。」
待てと言うリボーンを無視して雲雀はバイクで走り去り、綱吉とイヴェールも屋敷に戻った。