静寂の住人2
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獄寺を心配しながらも紘吉とプリマベーラは沢田家に向かった。
姿を消したプリマベーラの力を使って鍵を開けて沢田家のリビングに入る。
リビングには奈々とビアンキが綱吉の悪口を言っていた。
「勉強も出来ないスポーツも出来ないおまけに瑠花ちゃんを苛めてあの子ったらどうしようもないわ!」
「ツナってばリボーンと瑠花もママンをどこまで困らせれば気がすむのかしら!」
「なんであんなの生んだのかしら。」
「ママンが悪いわけじゃないわ。持って生まれた性分が最低だったのよ。」
奈々とビアンキの言葉に紘吉は目を附せる。
「この世界の母さん達も俺が居た世界と同じだ。〈沢田綱吉〉を見てない。」
「・・・この二人は言葉の端々に沢田綱吉を道具として見てるのを臭わせてるよ。」
「うん。特に母さんは息子のことをあんなのって言ってる。人間として見てないのが分かる。」
悪意の言葉を吐き続ける奈々とビアンキの顔は醜悪だった。
奈々とビアンキも信頼出来ないと判断した紘吉は子供達の様子が気になっていた。
「フゥ太達の様子が見たいんだけど駄目かな?俺がいた世界は子供達は雲雀さんに匿って貰ってたけどこっちの子供達は誰かに守られてる訳じゃ無さそうだし。」
「構わないよ。子供達は綱吉の数少ない味方だからね。」
紘吉とプリマベーラは子供部屋に向かった。
子供部屋を覗くとランボとイーピンは泣きべそをかいていてフゥ太は慰めながらあることを決意していた。
「リボーンとビアンキが居ない時に南川さんとマルモーモファミリーのランキングをしようと思うんだ。」
「「ランキング?」」
ランボとイーピンは首を横に傾けた。フゥ太は瑠花とマルモーモの悪事を暴く為だと話を続ける。
「うん。南川さんとマルモーモは絶対に悪いことをしてる筈なんだ。だからランキングで調べればツナ兄の無実が証明出来ると思う。」
泣きべそをかいていたイーピンとランボは涙が止まった。
「ツナさんの無実、証明されたらツナさんもう痛くない!」
「ツナが悪くないって分かったらリボーン達はツナに酷いこと出来ないもんね!」
ツナを信じ切るフゥ太とランボとイーピンは早くツナの無実が証明出来る日が来ることを祈る。
「リボーンとビアンキが同じ時間に外出した時が勝負だ。それまで辛いけど頑張れる?」
フゥ太の言葉にランボとイーピンは力強く頷いた。
子供達の様子に紘吉は安心してまた頼もしく思った。
「俺が気にする必要無かったかな。フゥ太達は思ったより強いみたい。暴力を振るわれた様子もないし。」
「少なくとも暴力は受けてないようだし食事を抜かれてることも無さそう。」
「ただフゥ太達の精神状態がヤバくなったら##RUBY#沢田家#ここ##から避難させないと。」
「それじゃ僕が時々様子を見るよ。」
とりあえず今のところは安全だと判断した紘吉とプリマベーラは沢田家を出て行った。
数時間後ーーー
ハルが獄寺の台所で夕食を作っていた。紘吉とプリマベーラは興味を持ち台所に入った。
「良い匂いだね。プリマベーラもそう思うよね?」
「うん。ハルは料理上手なんだね。」
「ありがとうございます。ツナさんとプリマベーラさんのリクエストで胃に優しいものと言われたので鳥団子の野菜スープにしました。あっさりしてますから食べやすいと思いますよ。」
紘吉はスープが入っている鍋を見ると一口サイズの鳥団子と細かく刻まれた野菜が入っていた。他の副食もあり美味しそうだとつまみ食いしようとするプリマベーラとまだ駄目ですよと宥めるハル、紘吉は二人のやり取りを見て笑いながら配膳しているとぐったりとした獄寺が帰宅した。
「大丈夫?獄寺君。」
死にかけの獄寺に心配する紘吉。獄寺は何とかと言ってリビングに入っていった。
テーブルには胃に優しい料理が並んでいて獄寺は首を横に傾けるが気分やな神と人間二人は美味しそうに食べていた。
食事が終わるとプリマベーラは紘吉にボンゴレリングに炎を灯してみろと声を掛けた。
「このボンゴレリングとかいうのに炎を?」
「うん。試しにさ。」
紘吉はボンゴレリングに炎を灯した。
「うわっ!?」
「沢田さん凄いです!」
「大きな炎です!」
力強さを感じさせるオレンジ色の炎が灯り紘吉は驚き、見守っていた獄寺とハルも驚いていた。
「こ、これ本当に俺が出してるの?」
マテリアルリングを使っていた時は弱々しい炎しか出せなかったことを思い出し紘吉はただ驚きしかない。プリマベーラはやはりと思った。
「思った通りだね。」
「プリマベーラどういうこと?」
「紘吉は本来ならこの世界の人間。だからボンゴレリングを扱えるんだよ。それに体も楽じゃない?」
プリマベーラに言われて紘吉は確かにと答えた。
「そういえばこっちに来てからは体が軽く感じるんだよね。」
「ツナがこの世界に適してる証拠だよ。」
プリマベーラの言葉に獄寺とハルはあることを感じ取った。
紘吉にボンゴレリングに炎を灯させたのは審査した結果、沢田綱吉と沢田紘吉が入れ替わることを選んだ時に支障がないか確認する為だと分かった。
『10代目。貴方が戻るのはハルとランボとイーピンとフゥ太がいるこの世界です!』
『ツナさん!こっちに帰って来て下さい!』
選ぶ権利があるのは綱吉だけだ。だからどちらを選んでも獄寺とハルは口を挟めない。けれど綱吉が戻って来る世界はここだと心の中で綱吉に伝えるように言っていた。