静寂の住人2
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ファミレスを出た後、買い物に付き合わされ瑠花を家まで送った獄寺は疲労困憊だった。
「だ、大丈夫?獄寺君。」
帰宅しソファーに座る獄寺に紘吉は台所でジュースを入れて手渡した。
「ありがとうございます。流石に媚を売ってくる南川には吐き気がします。」
ジュースを飲む獄寺の隣に座っているプリマベーラもまた紘吉にジュースを入れて貰っていた。
「僕も南川瑠花の醜い笑顔にはドン引きだよ。」
ジュースを飲み干したプリマベーラは暫くの間、瑠花を様子見するように紘吉と獄寺に言った。
「数日はこのまま南川瑠花には手を出さないでおくよ。泳がせておけばボロを出すからね。」
「どういうことッスか?」
「それだと獄寺君がストレス溜めるんじゃ?」
一刻も早く解決したい獄寺と獄寺を心配する紘吉。プリマベーラは証拠を得る為だと説明した。
「隼人が味方になったと思い込んでる南川瑠花はここぞとばかりに嘘八百を並べると思うんだ。その嘘をボイスレコーダーや隠しカメラを使えば証拠になる筈だよ。」
「確かに録音や録画なら証拠として扱えるな。」
「うん。南川さんは鳥居さんみたいに嘘を沢山付くと思うから証拠は直ぐに集まるかも。」
「そういうこと。だから暫くは静観だよ。」
プリマベーラが言うと紘吉と獄寺は頷いた。
翌朝ーーー
リボーンの命令を聞くふりをして獄寺は瑠花を迎えに行ったが瑠花の右側の頬に湿布が貼られていた。
「どうしたんだ?」
「ツナ君が来て~お前のせいだって言って殴られたの~。」
「朝っぱらから来たのか?」
「6時くらいに来たの~。でも~瑠花は~ツナ君と仲直りしたいんだけど~。」
「今は居ねえみたいだからさっさと行くぞ。」
獄寺のボイスレコーダーは作動され、瑠花の嘘を録音していく。因みにプリマベーラが幻覚で綱吉を作り出し獄寺の部屋で過ごさせて綱吉が部屋で過ごしている映像をカメラに納めていた。
獄寺は穴だらけの嘘を付く瑠花を嘲笑しそうになるのを堪えて並中に向かった。
この獄寺と瑠花のやり取りをプリマベーラの力で見ていた紘吉とプリマベーラは獄寺の部屋で呆れていた。
「すぐに嘘付くよね。南川さん。」
「南川瑠花みたいな人間は嘘を付くのが日常的になってるんだよ。」
「そうなの?」
「僕はそんな人間を沢山見てきたから分かるんだよ。流石にそんな人間には呆れるけど。」
「俺も嘘つきの鳥居さんと南川さんには呆れる。」
嘘を付くしか能がない瑠花と玲奈に人間と神は呆れ果てながら並中に足を向けた。
教室に入ると今度はプリマベーラと姿を消した紘吉は山本達に呆れつつも席に着く。また一足先に教室に着いた獄寺は呆れている。
「獄寺君が味方になったから安全だね!」
「それにしても沢田は本当に最低なのなっ!優しい瑠花に酷いことばりしやがって!」
「皆ありがと~。でもツナ君のこと悪く言わないで~。きっといつか仲直り出来る筈だからぁ~。」
「南川って本当優しいぜ!」
「こんな良い子なのに沢田君は苛めるなんて!」
京子と山本の言葉にうんうんと同意するクラスの生徒達と綱吉を庇おうとする瑠花。瑠花はクラスの生徒達を中心に並中の生徒達に嘘を付き続ける。そんな瑠花の話は何でも直ぐに聞いて信じ込み綱吉の話は一言も聞かないで暴行に走る並中の生徒達。そして瑠花の嘘をそのまま受け止め信じてしまう教師達。
そんな彼等を見て紘吉は首を横に振る。
「山本達は俺が居た世界の山本達と同じだ。もう一人の俺に山本達と並中の人達の側に戻れなんて言えないよ。」
紘吉の話を聞いてプリマベーラは同意した。
「僕もそう思う。少なくとも並中の人間と一部の守護者は信用も信頼も出来ないよ。でも駄目元で家族の方も見に行く?」
「・・・そうだね。今は審査するのが俺のやることだし。」
「しんどいと思うけど隼人もハルもこっちの側だから頑張ろう。」
「うん。」
励ますプリマベーラは心中では早く解決して静寂の世界に帰りたいしねと呟いていた。
放課後ーーー
獄寺と紘吉とプリマベーラは精神的にぐったりしていた。
獄寺は味方になったと勘違いしている瑠花に何かと纏わり付かれていた。休み時間になる度に獄寺の席に行って話し掛ける、昼休みには恒例のおかずのお裾分け、移動教室では獄寺の隣で歩き、班ごとで行う授業も獄寺の席に座る。そんな瑠花はまるでストーカーだ。
プリマベーラは瑠花に獄寺は渡さないと言わんばかりに睨み付けられているだけで実害は無いのだが獄寺にストーカーしている瑠花を観察していてお腹いっぱいな状態だ。同じく紘吉もプリマベーラを睨み付け瑠花の醜く歪んだ顔を見てお腹いっぱいだ。
「僕流石に疲れた。」
「俺も。でも獄寺君はもっと大変だよね。」
「そうだね。」
教室で呟く紘吉とプリマベーラの目の前では獄寺が瑠花に纏わり付かれいた。
「獄寺君~♪皆で遊びに行こうよ~。」
笑顔を振り撒きながら言う瑠花。獄寺は自分の主であり親友でもある綱吉とハルの為に我慢して頷き瑠花とリボーン達と教室から出て行った。
「・・・獄寺君大丈夫かな。」
「・・・そろそろヤバいかもね。」
元々気の短い獄寺だ。彼をそれなりに知っている紘吉とプリマベーラは気付いていた。獄寺が既に限界に近いことに。
「今日はハルが来てくれるから胃に優しい物を作って貰おうよ。」
「最悪僕が隼人の胃袋を治癒するよ。」
まだ胃炎や胃潰瘍になっていないのに胃にダメージをおっている前提で話す紘吉とプリマベーラだった。