静寂の住人2
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翌日ーーー
「初めまして。プリマベーラ・ディーオです。イタリアから来ました。よろしくね。」
金髪のショートヘアで造形が整い過ぎているプリマベーラに2-Aの生徒達はポカーンと口を開けていた。
暫くすると男子は京子と瑠花に続いてまた美少女が増えたと騒ぎ女子はそんな男子を小馬鹿にするような目を向けつつもプリマベーラに興味津々だ。
瑠花は注目されるプリマベーラに苛立った。そんな瑠花を見てプリマベーラは早くも睨まれたと内心苦笑いし、獄寺とプリマベーラの術で姿を隠して綱吉の席にいる紘吉は疲弊していた。
今朝、紘吉と獄寺が目を覚ますととんでもない姿のプリマベーラがいた。
「ちょっと待て!何だその服は!!」
「プリマベーラ!?」
プリマベーラが着ているのは女物のスーツなのだが。
ジャケットの下は何も着ていない。スカートは膝上で思いっきりスリットが入っている。おまけにそこそこのサイズの胸の膨らみを作っていた。
免疫のない男二人は赤面してあたふたしている。
「おはよー。僕は教師として並中に潜入するね。」
いやいやそんな胸や生足のチラリズム全開(?)の女教師はいない。
「そんな服の女の先生はいないよ!」
「一体何を見てそんな服装にしたんだ!?」
「んー?今まで見てきた世界の人間の男を見て。どの世界の男も何故か素っ裸の女やこんな感じの服を着た女の本を見て楽しそうだったから。」
それらの本は俗に言う「エロ本」と呼ばれる物だろう。
「他にも看護師とか裸のままエプロンしてるやつもあったし中には真っ黒の変な衣装を着て鞭とか蝋燭を持ってるーーー」
「ダァーーー!!もう良いからそれ以上喋らないでくれ!!」
免疫のない獄寺は真っ赤な顔で頭をかきむしりながらこれ以上は聞いてられないとプリマベーラの言葉を遮る。紘吉に至っては気絶寸前だ。
その服装は心臓に悪い。紘吉と獄寺はとにかくその服装を止めるように言いプリマベーラは釈然としないがいつもの服に変えた。
「えーと、何で先生として潜入しようとしたの?」
「別に生徒でも良いんじゃねーか?」
紘吉と獄寺は何故教師として潜入しようとしたのか聞く。
「多分僕の予想だとイヴェールは生徒として潜入してる筈。だったら僕は教師で行こうかなって。教師なら馬鹿やってる生徒を注意出来るしね。」
プリマベーラの言葉に紘吉と獄寺は嫌な予感しかしない。
まず同胞が生徒なら自分は教師で潜入すると言っている時点で適当過ぎる。
最後の注意出来るという言葉。どんな注意をする気だと突っ込みたい。
何せ獄寺とハルを納得させる為に地面と水道管を割り壁をぶん投げ、最後に家一軒を投げようとしたプリマベーラ。
そんな物騒なことをしながら注意するプリマベーラを想像した二人は冷や汗をかいた。(イヴェールならまだまともに注意するだろうが。)
「プリマベーラが先生って嫌な予感がする。」
「沢田さんの言う通りですね。」
きっと自分達と離れているところでやらかすだろう。下手したら学校そのものをぶん投げるかもしれない。
だったら自分達がプリマベーラを監視するしかない。
「出来れば同じクラスの生徒でお願いしますーーーっ!」
「何かあったら不味いから沢田さんの傍にいてくれ!!」
物凄い勢いで頭を下げる紘吉と獄寺にプリマベーラは軽く引いて頷いた。その結果が女子生徒だった。
担任に言われてプリマベーラは紘吉の隣の席に着いたが綱吉の机は死ね、ゴミ、消えろ等の言葉が殴り書きされていてプリマベーラは少しだけ眉を寄せた。
紘吉は綱吉もまた同じような目にあっていたんだなと机を見ていた。
因みに綱吉の席の左隣が獄寺、右隣がプリマベーラだ。
休み時間になるとクラスの生徒達はプリマベーラの席に群がる。
「ディーオさんってイタリア生まれなの?」
「うん。」
「日本語上手だな!」
「日本語は日本人の祖父から教えて貰ったんだ!(←勿論嘘。)」
「それじゃクォーターなんだね!」
盛り上る生徒達と適当に返事をするプリマベーラ。
獄寺は念のためプリマベーラを監視している。
その隣の席にいる紘吉は瑠花、山本、京子をみやる。
『南川瑠花って人、怖い目でプリマベーラを見てる。でも彼女の近くにいる山本達はあの目に気付かないのかな。』
瑠花はプリマベーラを睨んでいた。
『イタリアから来たって瑠花と被りやがって!瑠花の奴隷達も奴隷達よ!あんな子より瑠花の回りに来なさいよ!それに獄寺君!何であんな子を見てるのよ!!』
嫉妬でギリギリと睨む瑠花の視線に気付いているプリマベーラは冷笑した。