静寂の住人2
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プリマベーラと紘吉が降り立った場所は獄寺のマンションの近くで空き家の家があり他は空地だった。夜のせいか誰も居ない空地は不気味な雰囲気を出していた。
「ここって・・・確か獄寺君のマンションの近くだ。」
紘吉はマテリアルの世界の獄寺に罵倒され根性焼き、ダイナマイトで暴行されたことを思い出し不安そうにした。
「大丈夫だと思うよ?この世界の獄寺隼人はツナの味方だから。」
「・・・うん。」
綱吉の話だと獄寺とハル、子供達が味方だと言っていたが紘吉は不安が拭いきれない。
プリマベーラはそろそろ獄寺とハルがここを通る頃だと待っていた。
暫くすると獄寺とハルが歩いてきた。
今プリマベーラと紘吉がいる時間軸は獄寺とハルがリボーン達とラウンド27で遊ぶふりをして帰ってきたところだ。
獄寺とハルは紘吉に気付き隣にいるプリマベーラを睨んだ。
「10代目!何故外に!?」
獄寺の声に紘吉は体をビクッとさせて怯えた。獄寺とハルは紘吉を訝しげに見た。
「おい!てめぇは何者だ?10代目にそっくりだが全然似てねえ!本物の10代目なら怯えたりはしない!」
「獄寺さんの言う通りです!ツナさんはいつも獄寺さんと楽しそうにしてるのをハルは知ってます!!」
一発で見破った獄寺とハルにプリマベーラは感心したと言わんばかりに笑顔で褒めた。
「違いに気づいたんだ!凄い凄い!」
「何が凄いだ!てめぇらまさか10代目を暗殺するための刺客か!?」
ハルを背に庇い獄寺はダイナマイトを手にした。
紘吉は真っ青、プリマベーラは笑顔を崩さないままで簡単に自己紹介した。
「はじめまして。僕はプリマベーラ。人間達からは神と呼ばれてる存在さ。隣にいるのは別の世界のツナだよ。」
突拍子もない自己紹介に獄寺は眉を寄せた。
「ハァ!?ふざけやがって!!果てろ!!」
ダイナマイトに火を付けてプリマベーラと紘吉に向かって投げた。
プリマベーラは両手をパンと合わせるとダイナマイトが消えた。それに驚いた獄寺とハルにプリマベーラはこれで信じて欲しいんだけどと口にした。
「どう?少しは信じてくれた?」
「ざけんな!!!」
ニコニコして言うプリマベーラに獄寺は更にダイナマイトを投げ付けて紘吉は危ないと叫ぶ。
「うわーーーっ!!プリマベーラ危ない!!」
「信じて貰えないみたい。だったら。」
プリマベーラは呟くように言うと今度は右足で軽く地面を蹴った。
獄寺とハルの立っている近くで地面は深く大きく割れて地面だった部分は弾け飛び、水道管は破裂した。水が飛び出すように出てダイナマイトは水濡れだ。
獄寺はハルを脇に抱えて飛んでくる地面の破片から守るように距離を取って避けたが水道管から勢いよく出てきた水が思いっきり獄寺とハルにかかりずぶ濡れになる。しかもずぶ濡れなるようにプリマベーラが力を使っていた。
獄寺がハルを抱えながら避けるがプリマベーラが先回りして水をバッシャンバッシャンかけていく。逃げ回り息切れを起こす獄寺にプリマベーラは「次はこれ!」と言って空き家の塀を片手で引きちぎるようにバキィッと取った。そしてその塀だった物体を投げた。
間一髪で獄寺は避けるがプリマベーラはまた別の塀をバキィッと音を立てて取って投げる。
獄寺はあり得ない事態に真っ青な顔になりハルは涙目だ。
塀をある程度投げつけると今度は空き家自体を片手で地面から引っこ抜き空き家を獄寺に向けて投げようとした。
「次はこの小さい家投げるよ!」
決して小さくはない。築年数はそれなりに経っているが立派な2階立ての家だ。静寂の世界の宮殿と比べたら小さいだけだ。
しかも家を軽々持っているプリマベーラは爽やかで可愛い笑顔だ。寧ろ本来の目的を忘れて楽しんでいる。
こんなことする人間はまずいない。獄寺とハルは顔色を青から白にしてプリマベーラに分かったと叫んだ。
「分かった!神だって認めるから!」
「神様だって認めます!!」
プリマベーラは持っていた家を適当に置くと指をパチンと鳴らせた。
「「「ええっ!?」」」
紘吉と獄寺とハルは驚愕した。プリマベーラが指を鳴らした途端に地面も水道管も壁も家も元通りになったからだ。
驚いている紘吉達を横目にプリマベーラボソッと呟いた。
「あの家、投げたかったなぁ。」
気分屋の神の呟きにしがない人間3人は顔を引きつらせた。