静寂の住人2
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「俺が出来るのはこれくらいだから。」
常に守られてる綱吉。だから自分は大丈夫と受け取らなかった。イヴェールは綱吉は決めたら中々曲げない性格、そして優しいことを思い出して苦笑いをして受け取った。
登校して教室に入るイヴェールと少し間をあけて教室に入る幻覚の綱吉。
クラスの生徒達は昨日のことでイヴェールに何とも言えないような顔をしたが話しかけた。
「イヴェール君、ダメツナには関わらない方が良いよ?」
「ディオスは転校生だからって理由で苛められるかも知れないぞ?」
「悪いことは言わないから!」
生徒達は説得しようとイヴェールに綱吉から離れろと騒いでいると玲奈は獄寺と山本と一緒に教室に入ってきた。
玲奈には右側の頬に湿布が貼られ、獄寺と山本は綱吉を睨み付ける。
姿を消している綱吉はまた玲奈が瑠花のように嘘を言ってくるんだろうと思った。
「皆おはよ~。あれ?イヴェール君怪我してるの~?」
昨日の騒ぎがあったというのにも関わらず玲奈はイヴェールに話しかける。
玲奈はイヴェールの言った言葉「自分は彼女を尊敬する。鳥居さんは強いんだと思う。」を額面通りに受け取っていた。
皮肉を込めた言葉をそのまま受け取る玲奈にイヴェールは呆れるがおくびに出さないで掠り傷だと言った。
折角の顔が台無しじゃないの!と玲奈は慌てたがイヴェールの怪我を心配するふりをしつつ、この怪我を綱吉のせいにして獄寺達に制裁するように仕向けようと考えた。
『ウフフ!ダメツナ今日も玲奈の騎士と奴隷にいたぶられてね~!』
「イヴェール君も玲奈と同じ右側の頬なんだね~。大丈夫~?玲奈絆創膏持ってるから取り替える~?」
玲奈の言葉に獄寺達は綱吉に詰め寄る。
「おい!まさか沢田てめぇディオスにも暴力振るったのかよ!」
「ディオス、ソイツから離れるのな!沢田!玲奈だけじゃなくてディオスも苛めたいのかよ!」
「沢田君酷いよ!何で転校生ばかり苛めるの!?」
獄寺と山本、京子が捲し立てるとクラスの生徒達も獄寺達の言う通りだと綱吉を口々に罵る。
「信じて!俺は何もしてないよ!」
「信じろ?ふざけんな!さっさと謝りやがれ!」
「二人にちゃんと謝るのな!!」
「沢田君!玲奈ちゃんとディオス君に謝って!」
「こいつ自分がしたこと分かってないわ!」
「更正させるために制裁してやろうぜ!」
幻覚の綱吉は無実だと主張するが獄寺達は取り合わないで制裁すると騒ぎ、玲奈は薄ら笑いしている。イヴェールは止めに入った。
「待て。この怪我は沢田君のせいじゃない。昨日の帰りに黒曜の方に寄ったらナイフを持った不良に喧嘩を売られたときに付いた傷だ。(←勿論嘘)それに沢田君は右利きだ。」
「「「「??」」」」
綱吉が右利きなのと不良に喧嘩を売られたことが何なんだと玲奈達は困惑する。イヴェールは話を続けた。
「試しにそうだな、確か堀内君だったか?ちょっと良いか?」
イヴェールは適当に選んで呼んだ。呼ばれた生徒の堀内は首を傾げながらイヴェールの側に行く。イヴェールは筆箱からボールペンを出して渡した。
「ボールペン?ディオス一体何?」
「堀内君、自分に切りつけるふりをしてくれ。」
「ハア!?意味わかんねー!」
呼ばれて切りつけるふりをしろと言われて堀内は戸惑った。
「なら自分がしよう。」
イヴェールは右手にボールペンを持ち堀内に切りつけるふりをした。堀内はうわっ!と声を出す。
イヴェールが持っていたボールペンは堀内の左側の頬に軽く当たった。
「右利きの人間が頬を狙ったら左側の頬に攻撃が入る。因みに自分を切りつけた不良は左利きだった。つまり右利きの沢田君ではないと言うことだ。」
「「「「!?」」」」
獄寺達はイヴェールの実演付きの説明に唖然とし、玲奈は顔色を青くした。
『しまった!!そういえば確か雲雀さんも同じことを言っていたわ!』
玲奈は慌てて取り繕うとするが言い訳が思い付かない。獄寺達はイヴェールの説明を理解するが納得はしない。ここで認めたら自分達が罪人になるからだ。
そうこうしているうちに担任教師が教室に入って来た。
「先生が来たから席に着こう。」
イヴェールはそう言って席に着き、玲奈は担任が来たことで何とか誤魔化せそうだと安心して席に着いた。
綱吉はため息しかない。
『山本達はイヴェールの説明は理解したみたいだけど認めたくはないんだね。』
授業を受けながらイヴェールもまた溜め息だ。
『私の説明は理解出来たようだが獄寺隼人達は聞かなかったことにしてしまうだろうな。』
認めたら最後だと獄寺達はイヴェールが指摘したことを聞かなかったことにしようと、頭の隅に追いやった。