静寂の住人2
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応接室の前では弁当を持参した玲奈を草壁が追い払っていた。
「相変わらず煩い牝豚だね。」
苛立ちながら雲雀は屋上の防犯カメラを見ている。
「イヴェールがカメラを見てるってことは駄犬共は屋上から出て行ったわけだ。ということは・・・。」
防犯カメラを見ることを合図に応接室に綱吉とイヴェールが現れた。
「雲雀恭弥、しっかり撮れていたか?」
「うん。何なら見てみるかい?」
イヴェールは撮れているなら良いと静かに首を横に振った。 正直見たい物ではない。
「暫くは幻覚のツナで証拠を集めよう。それからツナは気絶していることになっているから放課後まで応接室にいろ。」
「 分かった。イヴェールは?」
「教室に行く。どうやら鳥居玲奈は私に何かしようとしているらしいしな。」
綱吉は眉を八の字にして雲雀は眉を寄せた。
「鳥居さんが!?」
「あの牝豚は今度は何をしでかす気?」
「私の机にメモ用紙のような物を入れていた。」
イヴェールは獄寺達が紘吉の幻覚に暴力を振るっている間、玲奈の動きも力を使って見ていた。
「それじゃ私は教室に戻る。ツナは応接室から極力出ないこと。」
ドアを開けようとするイヴェールに雲雀は聞いた。
「そのメモのことは神とやらの力で知ったの?」
イヴェールは振り返り頷くことで答え応接室を後にした。
「小動物擬き、イヴェールは他にどんなことが出来るの?」
雲雀はちょっとした興味で綱吉に聞く。聞かれた綱吉は暫く考えて答えた。
「俺も詳しくは分かりません。ただ紅茶やお茶菓子を出したり、並盛の外れにある大きい屋敷に住むために不動産屋から鍵を簡単に持ってきたり、買い取るために大金を出したりしてました。」
「・・・僕を吹っ飛ばしたり、トンファーを消したりもしていたよね。神の力ってある意味反則気味じゃない。それにトンファーまだ返してくれないし。まさかイヴェールは忘れてる?」
神の力を知って雲雀は多少の怖さのような物を知ったが、トンファーのことについては不満げだ。
「そ、そう言えばそうでしたね。後で言って返してもらえば言いと思いますよ。」
忘れているのか、返しそびれているのか。分からない二人は乾いた笑みをした。
チャイムが鳴ると雲雀はデスクにある書類を手にしてチェックを始める。
綱吉は自分も手伝うと声をかけた。
「ひ、雲雀さん、もし良かったら手伝います。」
「・・・ならそこに山積みの書類をファイルに日付順に入れて。あの女のせいで溜まってるんだ。」
「分かりました。」
綱吉は山積みの書類を日付順に入れていく。その様子を見る雲雀。
『似てるけど似てないね。小動物は僕に怯えない。』
雲雀はまた紘吉を重ねて見ていた。
ーーーー
教室に戻ったイヴェールは机からメモ用紙を出して読んだ。
イヴェール君へ。
イヴェール君に大事な話があります。放課後屋上で待ってます。
鳥居玲奈。
イヴェールは誰にも分からないようにひっそりと笑みを唇に乗せた。
読んでいるイヴェールを見ている玲奈はウフフと笑い放課後を待った。
午後の授業中、イヴェールは自分の分身を作り応接室に向かわせた。
「あれ?イヴェールどうしたの?」
「僕のトンファー返して。」
応接室に現れたイヴェールに驚く綱吉と空かさずトンファーを返せと言ってくる雲雀にイヴェールはメモ用紙を見せる。
受け取る綱吉は顔色を変える。雲雀はメモ用紙を引ったくるように綱吉から取った。
「へぇ。牝豚は君を味方に引き込もうとしているのか。」
「多分俺やここの世界にいた紘吉みたいに断れば鳥居さんはイヴェールを嵌めようとするよ。」
綱吉と雲雀の意見にイヴェールがだろうなと頷く。
「鳥居玲奈は何かしらの要求をしてくるだろう。ならばそれを使ってみようと思う。」
「どういうこと?」
「イヴェールまさかわざと嵌められるつもりかい?」
「まぁな。ただツナとここの世界の紘吉が嵌められた状況を作るだけだ。ツナはその時の山本達をしっかり見ろ。」
「うん。でもどうするつもりなの?危険なことはしないで。」
心配そうにする綱吉にイヴェールは心配は要らないと笑って消えた。
それでも心配する綱吉に雲雀は回りの人間を心配するところは紘吉と同じだと軽く溜め息をした。
「イヴェールは神なんだから大丈夫だろ。それにしてもいい加減にトンファー返してよね。」
本当にトンファーを取り上げたことを忘れてるんじゃないかと雲雀はまた溜め息をした。