静寂の住人2

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プリマベーラ
イヴェール
ディーオ
ディオス


2-Aの生徒達は目の前の人物に目を丸くして口は開いていた。

「初めまして。イヴェールディオスです。よろしく。」


顔の造形が整い過ぎのイヴェールにポカーンとしていた。
玲奈もポカーンとしていたが暫くすると『超イケメンじゃない!!玲奈の騎士にしないとね!それにディオス君が玲奈の味方になったらダメツナをいたぶる人間が増えるようなものだしね!』と張り切り出した。

イヴェールは獲物を狙うような目付きで見つめてくる玲奈にウンザリするが担任が席を指示すると生徒達がざわつき更にウンザリした。

ディオスは窓側の一番後ろの席だ。まあ、その何だ、隣の生徒は質が悪いけど何かあったら知らせてくれ。」

『ダメツナの隣ってヤバくねぇか?』

ディオス君、大丈夫かな?』

ヒソヒソと話しているが明らかに紘吉に対する悪口。

綱吉は『この世界にいた紘吉も俺と同じように辛かったんだね。』と俯いた。
席に着いたイヴェールは綱吉に小声で聞いてくる。

「大丈夫か?もし辛いならツナの幻覚を作るからツナは家に帰っても良いぞ。」

「大丈夫だよ。ただこの世界にいた彼も辛かったんだなって。」

「そうか。だが本当に辛くなったら言ってくれ。」

「ありがとうイヴェール。」

気遣ってくれるイヴェールに綱吉は頑張ってプリマベーラが提案したことを実行しようと思った。



授業が始まると数学の教師は中学生が解けない問題を黒板に書いて綱吉を指す。

「沢田、この問題を解いてみろ。」

わざと解けない問題を出し嫌がらせをする教師。獄寺達は将来のボスなんだから解けるよなと捲し立て、他の生徒達はクスクスと笑う。そんな綱吉と獄寺達を見て玲奈は顔には出さないが嘲笑った。

授業中にこんな嫌がらせをしたところで何になるんだとイヴェールは呆れるしかないが挙手した。

「先生。この問題だが教科書のどのページにもその問題を解く為の公式も例題も載っていない。それをどうやって解く?」

教師は指摘されて口ごもる。更に生徒達にも指摘する。

「ここにいる人達も解けるのか?」

「「「「・・・・・・。」」」」

イヴェールに言われ黙り込む生徒達。紘吉に嫌がらせをしているだけだからだ。だが獄寺はハッと笑った。

「こんな問題簡単に解けるぜ!」

「成程。ならこれから各自問題を解いてみよう。解けると言う人が居るんだ。少なくともこのクラスは公式を知っているってことだろう?」

「「「「・・・・・・!?」」」」

「現に先生は普通に問題を板書して生徒に解いてみろと言ってきたんだ。つまりこのクラスは授業で既に学習しているということになる。」

反論したくても出来ない教師と獄寺を除く生徒達。

結局、玲奈と山本、京子、他の生徒達は解けず、解けたのは獄寺とイヴェールだけ。


「このクラスで解けたのは二人だけだ。これは不味いと思う。このクラスのほとんどが授業に追い付いていないということになる。つまりこのクラスは落ちこぼればかりということになるな。」

「「「「・・・・・・。」」」」

紘吉に対する嫌がらせだから解けなくて当たり前。黙り込む教師と玲奈達にイヴェールは更に続ける。

「こんなことが校長に知れたらどういう授業をしているんだって聞かれる可能性がある。」

教師は青ざめた。校長はまだしも風紀委員長の雲雀に知れたらトンファーが炸裂だ。

「いやディオス君、これはそのちょっとした悪ふざけで。」

慌てて誤魔化す教師にイヴェールは無表情だ。

「来年は3年生で高校受験があるのに悪ふざけ?普通ならそんな悪ふざけをする暇はない筈だ。」

「っ!?」

「悪ふざけした時間の分だけこのクラスの人達の成績は落ちる。」

紘吉に嫌がらせをしている時間の分授業の時間が減る。

減った分だけ授業の内容が遅れてそれが続けば2学年で習得しなければならない範囲が全て終えることが出来るのかと問うイヴェールに教師と生徒達はハッとした。
自分の学力に見合う高校を目指している生徒はまだしも自分の現在の学力より上の高校を目指している生徒と塾に通っていない生徒は真っ青になる。

「受験が控えているんだ。悪ふざけする時間はない。これからはきちんと授業をした方が良いと思うが?」


シーンと静まる教室。イヴェールは呆れた顔をした。
その後、普通に授業が始まったが微妙な雰囲気だった。


数学の授業が終わり休み時間になると生徒達は席で次の授業の準備をしているイヴェールに話し掛けた。

ディオス大丈夫か?」

イヴェール君何もされてない?」

心配そうにする生徒達にイヴェールは一体何だと聞き返した。

「何もないが?」

ディオス君の隣の沢田よ!」

「コイツ玲奈ちゃんを苛める最低な奴なんだ!」


寧ろ何かしているのはそっちではないのかと内心で思うイヴェール
綱吉は生徒達の罵倒に紘吉も同じように言われていたんだと心を痛めつつも獄寺と山本、京子を観察する。だが運悪く獄寺と視線が合ってしまった。獄寺は睨み付けながら綱吉の席に歩いてくる。

「んだよ!何見てんだよテメェ!!」

綱吉はこの世界の獄寺は違うと分かっていても同じ顔で睨んでくる獄寺に傷付いた。

獄寺はダイナマイトを取り出し火を付けた。

「鳥居に何かする前に軽く果たすか。」

獄寺の言葉で玲奈と生徒達は教卓がある方に慌てて避難し山本は玲奈の前に立って庇う。

獄寺は玲奈が避難したのを確認すると綱吉目掛けてダイナマイトを投げ付けようとしたがイヴェールに腕を掴まれた。

「なっ!?」

「学校という場所でこんな物を投げ付けて怪我人を出す気か?これは犯罪だぞ。」

「はぁ??どこが犯罪なんだよ!」

ダイナマイトを綱吉に投げようとすることが犯罪だと思っていない獄寺。生徒達も同様だ。

「ダイナマイトが直に当たったら普通は死ぬと思うが?運が良くても大怪我だ。立派に殺人犯か殺人未遂だ。」

「犯罪じゃねぇ!沢田の野郎の制裁だ!!」

獄寺がイヴェールに怒鳴ったと同時に教師が入ってきた。

「全員早く席に着きなさい。」

教師に言われ玲奈達は席に着きイヴェールも席に着いた。
獄寺はダイナマイトを見て目を見開いた。

「!!??」

ダイナマイトの導火線に付けた筈の火が消えていた。

勿論イヴェールが力を使って消していた。


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