静寂の住人2
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イヴェールは雲雀の様子にたいして気にせずに本題を話す。
「私の愚かな同胞が入れ換えた結果この世界は崩壊寸前だ。それを回避するには二人のツナがそれぞれの世界に戻るかまた本来生まれる筈だった世界に行くかだ。ただ。」
イヴェールは言葉を切って綱吉を見る。綱吉はゆっくりと話始めた。
「俺は元々いた世界に戻るのも生まれる筈だった世界に行くのも正直複雑な気持ちなんです。」
「僕がいる世界の小動物もそうなの?」
「はい。戻ったところで俺達が存在する限りボンゴレは俺を信じてくれた人達を取り込もうとするから。だけど生まれる筈だった世界に行くことも結局は同じです。俺がこの世界の沢田紘吉として生きていけば雲雀さんと子供達に迷惑がかかるし、この世界の沢田紘吉が俺の代わりに沢田綱吉と生きていけば俺の大切な人達が苦しむことになります。」
迷惑だの苦しむことになるだの余計なことを考えている紘吉に雲雀はムッとした。紘吉のことを迷惑だとか微塵にも思ってはいない。
「小動物は下らないことで悩んでるなんて。あの子らしいけど。」
常に雲雀をはじめ、クロームと子供達を気にかけて心配していた紘吉らしいと溢す雲雀。
「小動物擬きはそれでどうするつもりなの?」
明らかに鬱陶しいという雲雀の表情に擬き呼ばわりされた綱吉は顔がひきつる。
「実はもう一人の神様のプリマベーラの提案で暫くの間本来生まれる筈だった世界に行って審査することになって。」
「つまり暫くお互い入れ替わった形になるわけ?」
「はい。お互いのリボーン達を審査してそれを伝えて決断を出そうってことに。」
「小動物擬き、それって元の世界に戻るか戻らないってこと?」
「そうなります。」
雲雀からしたら『戻って来い!』だ。原因のプリマベーラの提案自体が正直腹が立つが紘吉がその提案を飲んだ以上仕方がないと割りきった。
「・・・そう。あの子が決めたなら仕方ないね。それでイヴェールはやっぱり小動物擬きのサポートか何かするために来たの?」
イヴェールは頷き口を開いた。
「雲雀恭弥に頼みがある。私をこの学校の生徒にして欲しい。今の私の役目はツナのサポートだ。」
「でもその外見じゃ生徒じゃ通らないよ。」
見た目が20代。教師や実習生ならまだしも生徒は無理だと言う雲雀。イヴェールはそれは問題無いと姿を変えた。
雲雀より少し低い身長、10代に見える顔立ちだが瞳の色は両方同じ蒼色。身に纏った服は並盛中学校指定の男子の制服だった。
「雲雀恭弥、これなら多分大丈夫だろう?」
「大丈夫だね。一つ聞くけどイヴェールは男なの?女なら女子指定の制服にしてよ。」
校則は守れと言ってくる雲雀にイヴェールは自分には性別は無いと話した。
「私と同胞は性別が無い。ただツナのサポートをするからには男の方が良いだろうと判断した。」
「成程ね。それなら生徒にしてあげる。」
雲雀はデスクの引き出しから一枚の書類を出した。
「これに必要事項を記入して。」
イヴェールは黙々と記入して雲雀に渡した。
「今日から並中の生徒だ。よろしくツナ。」
「よろしく。」
雲雀は二人を連れて校長にイヴェールの転入、綱吉と同じクラスにするようにと脅しながら綱吉に紘吉を重ねるようにして見る。
『僕に怯えていた時の小動物は青ざめて泣きそうな顔をしてたけど小動物擬きは引きつった顔をする。姿形は同じだけど似てないね。』
そう感じながら雲雀は職員室に乗り込み2-Aの担任に後で転校生を向かわせるから先に教室に行けと指示を出した。担任は真っ青な顔して転がるように職員室を出て行き予鈴が鳴ると雲雀は綱吉とイヴェールを2-Aの教室まで案内した。