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cocktail

祝福



閉店の札をかけると両目の色が違う男とアメジスト色の瞳の女がやって来た。

目の色が違う男性が少しだけ遠慮がちにツナに話しかける。

「もう今日は閉店なのでしょうか?」

ツナは閉店の札を取りまだ大丈夫ですよと答え、男女はfirmamentに入った。

男女はカウンター席に座るとツナにビアースプリッツァーをオーダーした。


「ビアースプリッツァーです。」

少し薄い琥珀色をしたカクテルを男女に出す。
男女は何も言わずにビアースプリッツァーを口にした。

女性が一口飲んで美味しいと呟くと涙を溢し、男性は無言でまた一口飲む。すると男女は頭を下げた。

「確かめもせずに憶測だけで君が悪いと決め付けて本当にすみません!」

「京子ちゃんとハルちゃんの話を聞いただけでボスが悪者だって思って本当にごめんなさい!」

女性はともかく、プライドが高い男性が頭を下げて謝罪するのを見てツナは目を丸くしたがすぐに頭を上げるようにツナは言った。

「骸、クローム頭を上げて。」

無言で頭を上げる骸とクロームにツナはビアースプリッツァーをオーダーして謝罪してくれたからもう良いよと言った。


ビアースプリッツァーのカクテル言葉 。

憶測


「・・・もう良いよってそんな簡単なことではないはずですよ!」

「ボス・・・。」

瑠々子を苛めたということで骸とクロームはツナを痛め付け続けていた。骸は殴る蹴るは当たり前で時には三叉槍で契約するふりをして怯えるツナを嘲笑い、クロームは罵倒して三叉槍で怪我を負わせていた。
それなのにもう良いと言っているツナに骸とクロームは目を見開いて驚いている。驚いている二人にツナは話し出した。

「正直まだ怒ってるよ?でも隠れ家みたいなバーを探し出して謝罪してくれたからもう骸もクロームも自分自身を責めないで。」

笑顔で言うツナに骸とクロームはツナに感謝してありがとうと告げた。

カクテルを飲み干したクロームがお手洗いに向かうとツナはいたずらっ子のような顔をして骸に聞いた。

「ねえ骸。クロームがしていた指輪って婚約指輪だよね?」

カクテルを飲んでいた骸は吹いてしまった。ジャケットの内ポケットからハンカチを取り出して口元を拭くと超直感で知ったのか聞いた。

「超直感ですか?」

「違うよ。手を見たからね。クロームがしている指輪は左手の薬指だけど骸はしてないし。となると婚約指輪かなって。」

クロームがはめている指輪は骸がクロームに贈った婚約指輪。それを超直感無しで分かったツナに骸はまた驚いた。

「君は相変わらず面白いですね。」

「うーん。何というか職業柄なのか手とか見ると分かるようになったんだよね。」

「観察力が付いたと?」

「多分。色々な人が来るからさ。」

「成程。」

ツナと骸が会話しているとクロームが戻って来て不思議そうにした。瑠々子の件の前のツナと骸はそんなに会話をするような関係ではなかった。だが目の前の男二人は普通に話している。
目をパチクリさせているクロームにツナはいたずらっ子のような顔からバーテンダーの顔に戻りあるカクテルを作った。

「プリンセス・メリーです。」

カウンターに置かれたウェディングドレスのような真っ白なカクテルに骸とクロームは注文していないのに何故出されたのか分からずにいる。ツナはサービスだからと前置きして言った。

「骸、クローム婚約おめでとう。そしてプリンセス・メリーのカクテル言葉はね。」

祝福



カクテル言葉の意味を聞いた骸は若干狼狽え、クロームは顔を真っ赤にした。

「・・・君は僕達をからかってます?」

「ボスもしかして指輪で分かったの?」

ツナはクロームに頷いて答えるとお祝いだと話した。

「別にからかってないよ。いずれは結婚するんでしょ?そのお祝い。」

いつも一緒にいた骸とクローム。ツナは瑠々子に嵌められる前からいつか恋人同士になって結婚すると思っていた。それが実現したんだと分かりプリンセス・メリーを作ったのだ。


骸とクロームはプリンセス・メリーを飲む。

「甘口で美味しいですね。」

「凄く美味しいわ。スイーツみたい。」

甘口のカクテルを飲み終えると二人は帰り支度をする。

「本来なら閉店なのにすみません。お会計お願いします。」

「かしこまりました。」

会計をしながらツナは骸に耳打ちをした。

「早めにウェディングドレスとか白無垢とか着せてあげなよ。クロームだって女性なんだし。」

まるで急かすようなツナに骸はやっぱりからかっていると思った。

「絶対にからかってますよね!」

「まあね。こんな骸は滅多に拝めないから。」

ジロリと睨む骸を様々な客を相手にしてきたツナは睨んでくる骸を軽くスルー。

ツナが耳打ちした内容が分からないクロームは二人のやり取りを見て首傾げていた。



骸とクロームはfirmamentを出ると骸がクロームに告げた。

「明日、ジュエリーショップに行きましょう。」

「ジュエリーショップに?」

不思議そうにしたクロームに骸は鈍い子だと苦笑した。


一方、ツナはグラスを洗っていて。

「多分明日あたり結婚指輪を買いに行くね。」

超直感で感じたツナはあの二人なら幸せになれるだろうと思ったのだった。



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