cocktail
長い別れ
ツナが並盛を去りFirmamentで修行して1年になった。
開店前は掃除、グラス磨き、買い出しとせわしなく動く。
Firmamentのオーナー、佐々木竜太郎はツナの掃除の仕方に注意する。
「ツナ君、カウタンターの下もちゃんと拭くように。お店はお客様にとって癒しの空間だったり楽しむ場所だからね。」
「あ、はい!」
ツナはまたカウンターの下を拭くのを忘れてしまったと慌てて雑巾で拭く。
「私は買い出しにいってきますから掃除が終わったらグラスを磨いて下さい。」
「分かりました。佐々木さんいってらしゃい。」
竜太郎が店を出てツナは掃除用具を片付けるとグラスを丁寧に磨いた。
18時にFirmamentは開店する。
修行して一年のツナはまだカクテルを客に出すことは出来ない。今のツナが出来ることは客のオーダーを取ること、客にカクテルを運ぶこと、灰皿の交換、グラスや食器を下げるだけだ。
「佐々木さん5番テーブルのお客様、マンハッタンとダイキリ、3番テーブルのお客様、ハイボールとフルーツの盛り合わせです。」
「分かりました。ツナ君、マティーニを6番テーブルのお客様に。」
「はい。」
ツナはマティーニを運びながら竜太郎がステアしているのをちら見した。
『凄いなあ。マドラーが氷に全く当たってないなんて!』
竜太郎と違い、カランカランと氷にマドラーを当ててしまう。結果、氷を溶かしてカクテルの味を薄くしている。
ツナは自分はまだまだだなと思った。
閉店するとツナはカクテルの修行に入る。
シェイカーを振ってグラスに注ぐ。
「ギムレットです。」
そう言ってカウンターに出す。竜太郎は一口飲んで。
「・・・シェイクが足りませんね。」
頑張っているのは分かりますと付け加えてグラスを置いた。
「今日はもう上がりましょう。」
「はい。ありがとうございました。」
グラスを洗うツナを見て竜太郎は何とも言えない顔をした。
花言葉があるようにカクテルも言葉がある。
ギムレットにもカクテル言葉がいくつかありそのうち一つに〈長い別れ〉という意味がある。
『長い別れ。ツナ君にとっては寧ろ永遠の別れなのでしょう。』
一人の少女が嘘をついた。その嘘を家族、家庭教師、友人、先輩、居候は信じてしまいツナを軽蔑して制裁と称した暴力を振るい家から追い出した。
住んでいた町から逃げるように出たツナを竜太郎は保護した。
見つけた時のツナは制服はあちこち破れ顔は腫れ上がっていて、身体中怪我だらけだった。
慌てて店の中に入るように促して医者を呼んだ。
医者が治療して店を後にすると竜太郎は何があったのかを聞いてツナはポツリポツリと話した。
「・・・同じクラスの女の子が嘘をついたんです。」
「嘘をですか?」
「はい。その嘘が俺が女の子を殴ったっていうもので俺の家族と家庭教師と親友と先輩は信じてしまって。毎日女の子に謝罪しろって言ってきて。」
泣きそうな声で話すツナに竜太郎は否定はしなかったのかと聞いた。
「貴方は自分はしていないと言わなかったのですか?」
「ずっと言ってきました。何度もそんなことしてないって。でも誰も信じてくれなかったんです。そしたら母さんは俺にご飯を食べさせてくれなくなって父さんと家庭教師と居候と親友と先輩には制裁だって暴力を振るわれて最終的に家を追い出されて・・・でも追い出されても会えば殴られたりするから住んでた町から逃げて来たんです。お金は少し持ってたから出来るだけ遠くに行こうって。」
唇を噛しめ涙ぐむツナ。竜太郎はどうしたものかと考えた。
竜太郎は家族と居候、家庭教師、友人、先輩に信じてもらえないことに驚いたが目の前の少年が嘘をついているとは思えない。彼は怪我だらけだったから。
問題はこの先だ。彼がどうするかで対処が違ってくる。
「辛かったですね。貴方はこれからどうしたいですか?」
優し言う竜太郎。ツナは久しぶりに優しい言葉を聞いて心が暖かくなる。
「出来ればもう帰りたくないです。」
それはそうだろう。帰れば暴力しかないのだから。
「貴方年齢は?」
「18才です。」
「高校生ですか?」
「はい。」
竜太郎は思案した。
Firmamentでバーテンダーの修行をさせてみようかと考えた。手に職があれば何とか生きていける。
「もしよろしければこの店で修行しませんか?手に職があれば生きていけます。」
ツナは考えた。きっと自分が消えたことでリボーン達は清々したと思い初代の直系らしい瑠々子をボンゴレ10代目の椅子に座らせるだろうし、ツナを引きずり落とした瑠々子も喜んでいるだろう。
初代の直系の瑠々子が居るならお払い箱だと嘲笑った家庭教師と守護者達。
居なくなれば良いと冷笑した友人達。
家を追い出してスッキリしたと言わんばかりの両親と居候達。
『俺はもう帰る場所はないし、手に職があれば何とか生きていけるよね。』
ツナは竜太郎に頭を下げた。
「沢田綱吉と言います。バーテンダーの修行をさせてください。」
「私は佐々木竜太郎です。これからよろしくお願いしますね。」
この日ツナは竜太郎の弟子になった。
ツナが弟子になって1年。竜太郎はもうそんなに経ったのかとカレンダーを見て思った。
ツナが並盛を去りFirmamentで修行して1年になった。
開店前は掃除、グラス磨き、買い出しとせわしなく動く。
Firmamentのオーナー、佐々木竜太郎はツナの掃除の仕方に注意する。
「ツナ君、カウタンターの下もちゃんと拭くように。お店はお客様にとって癒しの空間だったり楽しむ場所だからね。」
「あ、はい!」
ツナはまたカウンターの下を拭くのを忘れてしまったと慌てて雑巾で拭く。
「私は買い出しにいってきますから掃除が終わったらグラスを磨いて下さい。」
「分かりました。佐々木さんいってらしゃい。」
竜太郎が店を出てツナは掃除用具を片付けるとグラスを丁寧に磨いた。
18時にFirmamentは開店する。
修行して一年のツナはまだカクテルを客に出すことは出来ない。今のツナが出来ることは客のオーダーを取ること、客にカクテルを運ぶこと、灰皿の交換、グラスや食器を下げるだけだ。
「佐々木さん5番テーブルのお客様、マンハッタンとダイキリ、3番テーブルのお客様、ハイボールとフルーツの盛り合わせです。」
「分かりました。ツナ君、マティーニを6番テーブルのお客様に。」
「はい。」
ツナはマティーニを運びながら竜太郎がステアしているのをちら見した。
『凄いなあ。マドラーが氷に全く当たってないなんて!』
竜太郎と違い、カランカランと氷にマドラーを当ててしまう。結果、氷を溶かしてカクテルの味を薄くしている。
ツナは自分はまだまだだなと思った。
閉店するとツナはカクテルの修行に入る。
シェイカーを振ってグラスに注ぐ。
「ギムレットです。」
そう言ってカウンターに出す。竜太郎は一口飲んで。
「・・・シェイクが足りませんね。」
頑張っているのは分かりますと付け加えてグラスを置いた。
「今日はもう上がりましょう。」
「はい。ありがとうございました。」
グラスを洗うツナを見て竜太郎は何とも言えない顔をした。
花言葉があるようにカクテルも言葉がある。
ギムレットにもカクテル言葉がいくつかありそのうち一つに〈長い別れ〉という意味がある。
『長い別れ。ツナ君にとっては寧ろ永遠の別れなのでしょう。』
一人の少女が嘘をついた。その嘘を家族、家庭教師、友人、先輩、居候は信じてしまいツナを軽蔑して制裁と称した暴力を振るい家から追い出した。
住んでいた町から逃げるように出たツナを竜太郎は保護した。
見つけた時のツナは制服はあちこち破れ顔は腫れ上がっていて、身体中怪我だらけだった。
慌てて店の中に入るように促して医者を呼んだ。
医者が治療して店を後にすると竜太郎は何があったのかを聞いてツナはポツリポツリと話した。
「・・・同じクラスの女の子が嘘をついたんです。」
「嘘をですか?」
「はい。その嘘が俺が女の子を殴ったっていうもので俺の家族と家庭教師と親友と先輩は信じてしまって。毎日女の子に謝罪しろって言ってきて。」
泣きそうな声で話すツナに竜太郎は否定はしなかったのかと聞いた。
「貴方は自分はしていないと言わなかったのですか?」
「ずっと言ってきました。何度もそんなことしてないって。でも誰も信じてくれなかったんです。そしたら母さんは俺にご飯を食べさせてくれなくなって父さんと家庭教師と居候と親友と先輩には制裁だって暴力を振るわれて最終的に家を追い出されて・・・でも追い出されても会えば殴られたりするから住んでた町から逃げて来たんです。お金は少し持ってたから出来るだけ遠くに行こうって。」
唇を噛しめ涙ぐむツナ。竜太郎はどうしたものかと考えた。
竜太郎は家族と居候、家庭教師、友人、先輩に信じてもらえないことに驚いたが目の前の少年が嘘をついているとは思えない。彼は怪我だらけだったから。
問題はこの先だ。彼がどうするかで対処が違ってくる。
「辛かったですね。貴方はこれからどうしたいですか?」
優し言う竜太郎。ツナは久しぶりに優しい言葉を聞いて心が暖かくなる。
「出来ればもう帰りたくないです。」
それはそうだろう。帰れば暴力しかないのだから。
「貴方年齢は?」
「18才です。」
「高校生ですか?」
「はい。」
竜太郎は思案した。
Firmamentでバーテンダーの修行をさせてみようかと考えた。手に職があれば何とか生きていける。
「もしよろしければこの店で修行しませんか?手に職があれば生きていけます。」
ツナは考えた。きっと自分が消えたことでリボーン達は清々したと思い初代の直系らしい瑠々子をボンゴレ10代目の椅子に座らせるだろうし、ツナを引きずり落とした瑠々子も喜んでいるだろう。
初代の直系の瑠々子が居るならお払い箱だと嘲笑った家庭教師と守護者達。
居なくなれば良いと冷笑した友人達。
家を追い出してスッキリしたと言わんばかりの両親と居候達。
『俺はもう帰る場所はないし、手に職があれば何とか生きていけるよね。』
ツナは竜太郎に頭を下げた。
「沢田綱吉と言います。バーテンダーの修行をさせてください。」
「私は佐々木竜太郎です。これからよろしくお願いしますね。」
この日ツナは竜太郎の弟子になった。
ツナが弟子になって1年。竜太郎はもうそんなに経ったのかとカレンダーを見て思った。