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cocktail

気を付けて



掃除を終えたツナは開店の札を扉に掛けるとロングヘアーの女性がやって来た。

「開店早々来てしまったけど大丈夫かしら?」

「いらっしゃいませ。中へどうぞ。」

ツナは笑顔で女性客をfirmamentに入れた。
女性は一番奥のカウンター席に着くとギブソンを注文した。
注文を受けたツナはドライ・ジンとドライ・ベルモットをシェイクしてカクテルグラスに注ぎ最後に玉ねぎの酢漬けを飾って女性に出した。

「ギブソンです。」

女性は透明のカクテルを見て自嘲するように話を始めた。

「私は15年前にとんでもない過ちを犯してしまった。ある少年が瑠々子を苛めていると愛している人に知らされてそれを鵜呑みにして、少年に酷いことをしてきたの・・・でも本当は少年は無実だって私は知ってた。瑠々子が私達に言っていた苛められてた時間帯は私や他の人が少年を制裁していたから。」

一旦話を止めて女性はギブソンを飲み干した。
しばらく女性は沈黙したが話を続けた。

「だけど知らないふりをした。・・・愛してる人が少年に掛かりきりになってしまって。私はその少年が羨ましくて痛め付けた。」

女性は泣きながら頭を下げた。

「ごめんなさい!ツナ!私が真実を言えばツナは苦しむことなかったのに本当にごめんなさい!」

ツナは女性に頭を上げさせた。

「頭を上げて。だからギブソンを頼んだんだね。ビアンキ。」

ギブソンのカクテル言葉はーーー

嫉妬

頭を上げたビアンキは泣きながら口を開く。

「嫉妬して本当にごめんなさい。ツナは何一つ悪くないのに。」

寧ろツナはマフィアの世界に引き摺り込まれて人生が狂ってしまったのにと泣くビアンキにツナはハンカチを手渡した。

「ビアンキもう良いから。涙を拭いて。」

ハンカチを受け取るビアンキは拭った。

「もう良いって謝罪だけじゃ許されないことを私はしたのよ?」

「そりゃまあ、まだ怒ってるよ。でもここまで来て謝ってくれたからもう良いんだよ。」

ビアンキは目を大きく見開いたが小さく息を吐く。

「ありがとうツナ。」

漸く微笑みを見せたビアンキにツナはあるカクテルを作って出した。
赤いカクテルを出されたビアンキは首を傾げた。

「これは?」

注文していないと言うビアンキにツナは笑顔で「エル・ディアブロです。」と言った。

「え?」

「サービスです。」

飲む資格はないとビアンキは首を横に振る。

「私はただで飲む資格はないわ。それはツナ貴方が飲んで。」

「俺は基本的に開店中は飲まない主義なんだ。だからどうぞ。」

飲まないと言われてしまいビアンキは赤いカクテルを飲んだ。

「少し刺激的だけど美味しいわ。でもただのサービスじゃないわよね?」

真意を聞いてくるビアンキにツナは苦笑した。

「まあね。エル・ディアブロのカクテル言葉はーーー」


気を付けて

「気を付けて?」

不思議そうにしているビアンキにツナはある人物に聞いたことを話した。

「昨日バッタリ草壁さんに会ったんだ。山本と喧嘩してポイズンクッキングで攻撃して病院食を駄目にしたって言ってたよ?」

「~~~~!もう草壁ったら!」


ビアンキもまた命からがら逃げ伸びて日本に渡ったがツナにポイズンクッキングで攻撃して怪我を負わせたことを後悔する毎日を送った。そして償いとして何か出来ないかと考えた結果、看護師になろうと決意した。
看護師なら患者の日々の世話をすることが出来、ある意味医師よりも患者と深く関わることになる。ビアンキは患者をケアすることで償っていこうと決めた。
そして看護学校に通い卒業する年、偶々会った雲雀と草壁に「僕の病院で勤める気はないかい?」と聞かれ風紀財団病院に勤めることになり今は外科の看護師として働いている。


「山本と気が合わないのは知ってるけど気を付けないと。困るのは患者だよ。」

「そうね。・・・努力するわ。」

ビアンキは少し拗ねたようにそっぽを向きツナはこれはまだまだ草壁さんの苦労は続くなと今日2回目の苦笑いをした。



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