cocktail
我が道を行く
閉店時間になりツナはドアに閉店の札を掛けようと外に出ると一人の男が声を掛けた。
「閉店かい?」
ツナはまだ大丈夫だと告げて中に通すと男はカウンター席に着いた。
「何になさいますか?」
ツナがオーダーを取ると男はカンパリオレンジをオーダーした。
氷を入れたタンブラーにカンパリリキュールとオレンジジュースを入れ、ステアしてツナは男に出した。
「カンパリオレンジです。」
男は飲みながら呟くように聞いてきた。
「カンパリオレンジのカクテル言葉は初恋らしいけどもう1つあるのを君は知ってる?」
ツナは静かに答える。
「知ってますよ。カンパリオレンジのカクテル言葉はーーー」
自由
ツナが答えると男は話を始めた。
「僕は自由に生きてきた。自由に生きることの責任なんて気にもしないでね。だけど自由をはき違えて傍若無人に振るまって自分の考えや判断は全て正しいと思い違いをした。結果ある一方の言い分だけを聞いてもう一方の言い分を一切聞かずに暴力を振るってしまった。」
ツナが黙って聞いていると男は頭を下げた。
「沢田本当にすまなかった!」
頭を下げて謝罪する男にツナは驚きつつも頭を上げてと言った。
「もう良いですから頭を上げて下さい。雲雀さん。」
「いや、良くはないだろう。」
頭を上げない雲雀にツナは胸中で苦笑した。
「謝罪してくれただけで充分です。」
にこやかに言うツナに雲雀は驚いた顔をして頭を上げた。
「謝罪1つで許されるようなことじゃないだろ?なのに何故?」
雲雀は瑠々子の話を聞いただけでツナをトンファーで毎日のように咬み殺していたのだ。
ツナは思ったことを話した。
「確かに痛かったですしまだ怒ってますよ。でも隠れ家のようなfirmamentを探し出したのは謝罪する為ですよね?だから許します。」
「甘い所は変わらないね。君らしいけど。」
呆れているような物言いだが雲雀の表情は穏やかだった。
カンパリオレンジを飲む雲雀にツナは近況を聞いてみた。
「雲雀さんは今何をしているんですか?」
「今は風紀財団を切り盛りしながら病院と無料のリハビリ施設を運営してる。」
「病院とリハビリ施設?」
「そうだよ。」
かつて守護者最強と言われていた自分は手加減無しでツナを痛めつけた。
当時はツナが悪者だったから気にもしなかったが瑠々子に騙されていた事を知った時に最後に暴力を振るった日を思い出した。その日ツナは左腕を庇いながら踞っていた。そして雲雀はツナはもしかしたら障害を負ってしまったのではないかと思った。
ボンゴレが崩壊して命からがら日本に帰国した雲雀は即座に病院とリハビリ施設の建設に取り組んだのだ。
「この世の中僕のように理由を付けて暴力を振るう奴なんて幾らでもいる。そして暴力を振るわれた被害者達の中には障害を負った被害者もいた。その被害者達を支援しようと考えた末に思い付いたのが病院やリハビリ施設だ。」
雲雀は暴力の被害者達を支援することで罪を償うことに決めた。
ツナは空になったタンブラーを下げるとグラスに角砂糖、氷、ウィスキー、スライスオレンジ、マラスキーノチェリーを入れた物を雲雀に出した。
「オールドファッションです。サービスですから良かったらどうぞ。」
透明度がある琥珀色のカクテルを見て雲雀は角砂糖をマドラーで潰しながらツナに聞いた。
「このカクテルを出した真意は?」
ただで飲める資格はないと思っている雲雀は不思議そうな顔をしている。ツナはオールドファッションを出した意味を話した。
「オールドファッションのカクテル言葉は我が道を行くです。」
「我が道を行く?」
「はい。雲雀さんは常に我が道を行くような人ですから。これからも病院とリハビリ施設を経営していくと思って。」
「当然でしょ。これから更に病院とリハビリ施設を増やして保護施設も建設するんだから。」
「ハハハ。雲雀さんらしいな。」
オールドファッションを飲み干すと雲雀は伝言があると言った。
「草壁から伝言。『本当に申し訳ありませんでした。』って言ってる。」
ツナは笑顔で言った。
「今度は二人で来て下さいね。」
「そうするよ。」
会計を済ました雲雀はツナにある名刺を2枚渡した。
「もし今後体に何かあったらここに来な。今は何もなくても後から症状が出てくる事もあるから。」
「ありがとうございます。」
名刺にはそれぞれ風紀財団病院と風紀財団リハビリ施設とあった。
雲雀なりの優しさにツナは礼を言って懐にしまった。
firmamentを出た雲雀は草壁からの連絡の内容に顔を顰めた。
「何、また騒ぎが起きたの?」
『はい。』
「仕方ない。今からそっちに向かうからそれまで踏ん張りなよ。」
携帯をしまうと溜め息を吐いた。
閉店時間になりツナはドアに閉店の札を掛けようと外に出ると一人の男が声を掛けた。
「閉店かい?」
ツナはまだ大丈夫だと告げて中に通すと男はカウンター席に着いた。
「何になさいますか?」
ツナがオーダーを取ると男はカンパリオレンジをオーダーした。
氷を入れたタンブラーにカンパリリキュールとオレンジジュースを入れ、ステアしてツナは男に出した。
「カンパリオレンジです。」
男は飲みながら呟くように聞いてきた。
「カンパリオレンジのカクテル言葉は初恋らしいけどもう1つあるのを君は知ってる?」
ツナは静かに答える。
「知ってますよ。カンパリオレンジのカクテル言葉はーーー」
自由
ツナが答えると男は話を始めた。
「僕は自由に生きてきた。自由に生きることの責任なんて気にもしないでね。だけど自由をはき違えて傍若無人に振るまって自分の考えや判断は全て正しいと思い違いをした。結果ある一方の言い分だけを聞いてもう一方の言い分を一切聞かずに暴力を振るってしまった。」
ツナが黙って聞いていると男は頭を下げた。
「沢田本当にすまなかった!」
頭を下げて謝罪する男にツナは驚きつつも頭を上げてと言った。
「もう良いですから頭を上げて下さい。雲雀さん。」
「いや、良くはないだろう。」
頭を上げない雲雀にツナは胸中で苦笑した。
「謝罪してくれただけで充分です。」
にこやかに言うツナに雲雀は驚いた顔をして頭を上げた。
「謝罪1つで許されるようなことじゃないだろ?なのに何故?」
雲雀は瑠々子の話を聞いただけでツナをトンファーで毎日のように咬み殺していたのだ。
ツナは思ったことを話した。
「確かに痛かったですしまだ怒ってますよ。でも隠れ家のようなfirmamentを探し出したのは謝罪する為ですよね?だから許します。」
「甘い所は変わらないね。君らしいけど。」
呆れているような物言いだが雲雀の表情は穏やかだった。
カンパリオレンジを飲む雲雀にツナは近況を聞いてみた。
「雲雀さんは今何をしているんですか?」
「今は風紀財団を切り盛りしながら病院と無料のリハビリ施設を運営してる。」
「病院とリハビリ施設?」
「そうだよ。」
かつて守護者最強と言われていた自分は手加減無しでツナを痛めつけた。
当時はツナが悪者だったから気にもしなかったが瑠々子に騙されていた事を知った時に最後に暴力を振るった日を思い出した。その日ツナは左腕を庇いながら踞っていた。そして雲雀はツナはもしかしたら障害を負ってしまったのではないかと思った。
ボンゴレが崩壊して命からがら日本に帰国した雲雀は即座に病院とリハビリ施設の建設に取り組んだのだ。
「この世の中僕のように理由を付けて暴力を振るう奴なんて幾らでもいる。そして暴力を振るわれた被害者達の中には障害を負った被害者もいた。その被害者達を支援しようと考えた末に思い付いたのが病院やリハビリ施設だ。」
雲雀は暴力の被害者達を支援することで罪を償うことに決めた。
ツナは空になったタンブラーを下げるとグラスに角砂糖、氷、ウィスキー、スライスオレンジ、マラスキーノチェリーを入れた物を雲雀に出した。
「オールドファッションです。サービスですから良かったらどうぞ。」
透明度がある琥珀色のカクテルを見て雲雀は角砂糖をマドラーで潰しながらツナに聞いた。
「このカクテルを出した真意は?」
ただで飲める資格はないと思っている雲雀は不思議そうな顔をしている。ツナはオールドファッションを出した意味を話した。
「オールドファッションのカクテル言葉は我が道を行くです。」
「我が道を行く?」
「はい。雲雀さんは常に我が道を行くような人ですから。これからも病院とリハビリ施設を経営していくと思って。」
「当然でしょ。これから更に病院とリハビリ施設を増やして保護施設も建設するんだから。」
「ハハハ。雲雀さんらしいな。」
オールドファッションを飲み干すと雲雀は伝言があると言った。
「草壁から伝言。『本当に申し訳ありませんでした。』って言ってる。」
ツナは笑顔で言った。
「今度は二人で来て下さいね。」
「そうするよ。」
会計を済ました雲雀はツナにある名刺を2枚渡した。
「もし今後体に何かあったらここに来な。今は何もなくても後から症状が出てくる事もあるから。」
「ありがとうございます。」
名刺にはそれぞれ風紀財団病院と風紀財団リハビリ施設とあった。
雲雀なりの優しさにツナは礼を言って懐にしまった。
firmamentを出た雲雀は草壁からの連絡の内容に顔を顰めた。
「何、また騒ぎが起きたの?」
『はい。』
「仕方ない。今からそっちに向かうからそれまで踏ん張りなよ。」
携帯をしまうと溜め息を吐いた。