琥珀のカナリア
幸せの歌
雲雀が18才になる5月5日、並盛神社は太鼓や琵琶などで奏でられる雅楽の美しく調べの中、斎主と巫女に先導されるツナと雲雀が本殿に向かって歩いていた。そしてその後ろには雲雀の両親である恭二と薫、雲雀家の親族が並んでいる。参進の義と呼ばれるものでまたは花嫁行列とも呼ばれる。
参進の義が終わると並んでいた恭二と薫、雲雀家の親族が本殿に入場しなら次は参進の義に参加していない招待客が入場する。その中にツナの親友の京子と花、ハル、先輩で京子の兄の了平が居た。因みに風紀委員達は警護に、草壁は式の後に行われる披露宴の準備に追われていた。
ツナと雲雀は##RUBY#大幣#おおぬさ##を振りお祓いをして身を清める##RUBY#修祓#しゅばつ##の義、神主が結婚を神に報告し、神の加護を祈る##RUBY#祝詞奏上#のりとそうじょう##の義、新郎新婦が大中小の盃で御神酒を飲み夫婦の契りを交わす##RUBY#三献#さんこん##の義(三々九度の盃とも呼ばれている)などの儀式を終えると指輪交換の義に入った。
ツナの左の薬指にそっとはめる雲雀とは対称的に緊張で指が震えながら雲雀の薬指にはめるツナに雲雀はほんの少しだけ苦笑してしまった。
指輪を交換してツナは嬉し泣きをしてその様子を見ていた雲雀は笑って涙を指で拭った。
挙式が終わると披露宴会場に移動する。
恭二と薫、親族、招待客が待つ中、白無垢から華やかな色打ち掛けに着替えたツナと黒五つ紋付き羽織袴から色紋付き袴に着替えた雲雀が入場し一礼して高砂に着席した。
恭二の開宴の挨拶があり乾杯の音頭を薫がして披露宴がスタート。
会食では新郎新婦も食事をするが中々出来ないのが実情だがツナと雲雀は例外だった。
並盛内の有力者はここぞとばかりに次期当主である雲雀に挨拶をしようと側によるが無言で睨み付けられてすごすごと自分の席に戻って行く。
雲雀家の親族達は雲雀の性格を熟知しているので静かに食べている。
一方、高砂で座っている二人に近寄っても睨み付けられないのは京子達。
彼女達はお祝いの言葉を述べて写真を撮るくらい。なのでツナも雲雀もそこそこ食事を取ることが出来たのだ。(睨み付けられても何とも思わない恭二と薫もツナと写真を撮ると言って撮りまくってはいたが。)
2回目のお色直しの為ツナと雲雀が同時に中座する。普通なら一足先に新婦がエスコート役と一緒に中座するのだがどうやらツナのエスコート役を雲雀がするらしい。ツナも雲雀がエスコート役で頬を染めて嬉しそうだ。
京子とハルと花は2回もお色直しして凄い!羨ましいです!雲雀家ってやっぱり名家なだけあるわとそれぞれ言っていたらしい。
ツナと雲雀が中座している間に京子と花とハルはちょっとしたサプライズ付きの余興の準備を始め出し草壁は手伝っていた。了平と恭二と薫はどんな余興なのか興味津々で京子達を見ている。
準備が終わり暫くすると淡いオレンジ色のAラインのドレス姿のツナとブラックのタキシード姿の雲雀が入場した。
京子達は待ってました!と言わんばかりにツナを呼ぶ。呼ばれたツナは小首を横に傾けながら京子達の側に行くとマイクを渡された。
「えっ?何??何でマイク??」
何も聞かされていないツナは戸惑う。雲雀もまた何事だと怪訝そうにする。だが京子達は雲雀の表情をまるっと無視してマイクを持った京子が簡単に恭二と薫、了平、招待客達に説明した。
「ツナちゃんは並盛高校で選択教科で声楽を取ってます。そして音楽祭ではソロをしたりもしてます。そんなツナちゃんと一緒に歌わせて貰います。」
ツナはいきなりのことに驚いて固まるが花が「あんたがよく歌ってるやつだから大丈夫よ。」と耳打ちして、ハルが草壁に合図を送った。
流れてきた曲は某女性シンガーのbutterfly。
ツナはたまに京子達とカラオケに行くと気に入っているこの曲を入れていた。
ツナを中心に歌い出す京子達。はっきり言ってしまえば内輪受けである。少なくとも年配者はあまり知らない曲であろう。だが京子達はただツナのお気に入りの歌だからという理由だけで選んだ訳でもない。寧ろツナの歌声なら年配者の客や知らない客でも大丈夫だと考えてのことだった。
ツナの美声に招待客達は驚き終ると会場は沢山の拍手に包まれたのだった。
因みに雲雀は『さすが僕の小鳥!』と聞き惚れていたがツナの歌声に目を付けた有力者達が(ツナを通じて雲雀にごますりしようと考えたり、経営している音大や専学に入学させようと考えていた。)ツナに話しかけようとしたが物凄い表情の雲雀に睨み付けられて慌てて席に戻って行った。咬み殺さなかったのはツナが披露宴会場を血の海地獄にするわけにはいかないと必死に雲雀の右腕を掴んでいたからだった。
その後もケーキ入刀やキャンドルサービス等を行って雲雀が暴れることなく披露宴が終了した。
後日、幸せそうにツナは結婚指輪をして雲雀と手を繋ぎ登校するその姿が並盛町、並盛高校で毎日のように見掛けられるのは言うまでもない。
End.
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butterflyは結婚式では定番のようですね。歌詞が素敵で管理人は好きです。
雲雀が18才になる5月5日、並盛神社は太鼓や琵琶などで奏でられる雅楽の美しく調べの中、斎主と巫女に先導されるツナと雲雀が本殿に向かって歩いていた。そしてその後ろには雲雀の両親である恭二と薫、雲雀家の親族が並んでいる。参進の義と呼ばれるものでまたは花嫁行列とも呼ばれる。
参進の義が終わると並んでいた恭二と薫、雲雀家の親族が本殿に入場しなら次は参進の義に参加していない招待客が入場する。その中にツナの親友の京子と花、ハル、先輩で京子の兄の了平が居た。因みに風紀委員達は警護に、草壁は式の後に行われる披露宴の準備に追われていた。
ツナと雲雀は##RUBY#大幣#おおぬさ##を振りお祓いをして身を清める##RUBY#修祓#しゅばつ##の義、神主が結婚を神に報告し、神の加護を祈る##RUBY#祝詞奏上#のりとそうじょう##の義、新郎新婦が大中小の盃で御神酒を飲み夫婦の契りを交わす##RUBY#三献#さんこん##の義(三々九度の盃とも呼ばれている)などの儀式を終えると指輪交換の義に入った。
ツナの左の薬指にそっとはめる雲雀とは対称的に緊張で指が震えながら雲雀の薬指にはめるツナに雲雀はほんの少しだけ苦笑してしまった。
指輪を交換してツナは嬉し泣きをしてその様子を見ていた雲雀は笑って涙を指で拭った。
挙式が終わると披露宴会場に移動する。
恭二と薫、親族、招待客が待つ中、白無垢から華やかな色打ち掛けに着替えたツナと黒五つ紋付き羽織袴から色紋付き袴に着替えた雲雀が入場し一礼して高砂に着席した。
恭二の開宴の挨拶があり乾杯の音頭を薫がして披露宴がスタート。
会食では新郎新婦も食事をするが中々出来ないのが実情だがツナと雲雀は例外だった。
並盛内の有力者はここぞとばかりに次期当主である雲雀に挨拶をしようと側によるが無言で睨み付けられてすごすごと自分の席に戻って行く。
雲雀家の親族達は雲雀の性格を熟知しているので静かに食べている。
一方、高砂で座っている二人に近寄っても睨み付けられないのは京子達。
彼女達はお祝いの言葉を述べて写真を撮るくらい。なのでツナも雲雀もそこそこ食事を取ることが出来たのだ。(睨み付けられても何とも思わない恭二と薫もツナと写真を撮ると言って撮りまくってはいたが。)
2回目のお色直しの為ツナと雲雀が同時に中座する。普通なら一足先に新婦がエスコート役と一緒に中座するのだがどうやらツナのエスコート役を雲雀がするらしい。ツナも雲雀がエスコート役で頬を染めて嬉しそうだ。
京子とハルと花は2回もお色直しして凄い!羨ましいです!雲雀家ってやっぱり名家なだけあるわとそれぞれ言っていたらしい。
ツナと雲雀が中座している間に京子と花とハルはちょっとしたサプライズ付きの余興の準備を始め出し草壁は手伝っていた。了平と恭二と薫はどんな余興なのか興味津々で京子達を見ている。
準備が終わり暫くすると淡いオレンジ色のAラインのドレス姿のツナとブラックのタキシード姿の雲雀が入場した。
京子達は待ってました!と言わんばかりにツナを呼ぶ。呼ばれたツナは小首を横に傾けながら京子達の側に行くとマイクを渡された。
「えっ?何??何でマイク??」
何も聞かされていないツナは戸惑う。雲雀もまた何事だと怪訝そうにする。だが京子達は雲雀の表情をまるっと無視してマイクを持った京子が簡単に恭二と薫、了平、招待客達に説明した。
「ツナちゃんは並盛高校で選択教科で声楽を取ってます。そして音楽祭ではソロをしたりもしてます。そんなツナちゃんと一緒に歌わせて貰います。」
ツナはいきなりのことに驚いて固まるが花が「あんたがよく歌ってるやつだから大丈夫よ。」と耳打ちして、ハルが草壁に合図を送った。
流れてきた曲は某女性シンガーのbutterfly。
ツナはたまに京子達とカラオケに行くと気に入っているこの曲を入れていた。
ツナを中心に歌い出す京子達。はっきり言ってしまえば内輪受けである。少なくとも年配者はあまり知らない曲であろう。だが京子達はただツナのお気に入りの歌だからという理由だけで選んだ訳でもない。寧ろツナの歌声なら年配者の客や知らない客でも大丈夫だと考えてのことだった。
ツナの美声に招待客達は驚き終ると会場は沢山の拍手に包まれたのだった。
因みに雲雀は『さすが僕の小鳥!』と聞き惚れていたがツナの歌声に目を付けた有力者達が(ツナを通じて雲雀にごますりしようと考えたり、経営している音大や専学に入学させようと考えていた。)ツナに話しかけようとしたが物凄い表情の雲雀に睨み付けられて慌てて席に戻って行った。咬み殺さなかったのはツナが披露宴会場を血の海地獄にするわけにはいかないと必死に雲雀の右腕を掴んでいたからだった。
その後もケーキ入刀やキャンドルサービス等を行って雲雀が暴れることなく披露宴が終了した。
後日、幸せそうにツナは結婚指輪をして雲雀と手を繋ぎ登校するその姿が並盛町、並盛高校で毎日のように見掛けられるのは言うまでもない。
End.
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butterflyは結婚式では定番のようですね。歌詞が素敵で管理人は好きです。
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