琥珀のカナリア
リボーンは子供部屋に行き子供達に聞いた。と言ってもツナが出て行った後の美那の八つ当たりの被害者は子供達であることは知っているが。
「お前ら美那に何をされたんだ?」
子供達は口を閉じたまま何も言わない。リボーンは安心させるように続けた。
「安心しろ、美那にチクったりしないぞ。」
リボーンの言葉に多少安心したのかイーピンは決心して話した。
「美那さん咲いていた花を引っこ抜いてプランターを蹴っ飛ばした。美那さんイーピンとランボのせいにしてた。」
「そうか。他にはされてないか?」
リボーンはフゥ太とランボとイーピンの顔を見て聞いた。するとフゥ太が口を開いた。
「美那姉は新聞を取りに行く係なんだけどツナ姉に押し付けてて今は僕に押し付けてる。あとね随分前なんだけどママンがオヤツの用意を忘れて出掛けてた日があってそれに気付いたツナ姉がホットケーキを作ってくれたんだ。でも美那姉が自分で作ったって嘘をついた。」
フゥ太が言い終わるとイーピンとランボが怒ったようにいった。
「奈々さんに本当のことを教えたらツナさんを苛めてイーピン達を追い出すって脅してきた!」
「三段のホットケーキツナが作ったんだもんね!美那じゃないもんね!」
リボーンはこんな幼子を脅していたのかと多少美那に呆れたがそれだけ必死だったのだろうと結論付けた。
リボーンから携帯越しで話を聞いた雲雀は両方使えるじゃないと口角を上げた。
『で、どうするんだ雲雀?』
「勿論あの子の両親モドキにバラしてあげるよ。」
『お前ママンと家光にキレてんだろ?』
「当たり前じゃない。取り上げても美那のしていることに気付かない両親モドキには怒りしかないよ。」
ツナが雲雀家に行ってからも奈々は美那が八つ当たりして他人のせいにしていると気付かないでいた。リボーンは確かにと思った。
『まあやる時は知らせろ。協力してやる。俺も家光とママンには呆れてるんだ。』
「その時になったら協力して貰うよ。」
そう言って雲雀は携帯を切った。
昼休みーーー
獄寺と山本はリング戦で美那に酷いことを言ってしまってから気まずくなっていた。
「やっぱりちゃんと謝ろう。」
「そうだな。」
責めた後、謝罪したが慌てて謝罪してしまいちゃんと謝ってないことに気付いた獄寺と山本は美那のクラスに行った。
獄寺と山本が揃って来たことでファンクラブの女子達は騒いだ。
「獄寺君だ!」
「武~!一緒にご飯食べようよ!」
女子達に囲まれ身動きが取れず獄寺は苛立ったが山本は美那を探そうと教室を見回すが見付からず山本は女子達に聞いた。
「美那はどこにいるのな?」
山本は美那に会いに来たことが分かった女子達は少し不満げな顔をしたが秋子が答えた。
「最近は昼休みになるとどこかに行っちゃうから分からないわ。」
「どこかって?」
「さあ?そこまでは知らないや。」
女子達は美那が昼休みはどこで過ごしているか本当に知らなかった。
「そんなことより一緒にご飯食べようよ!」
「最近付き合い悪いよね?」
「獄寺君良かったらこれ食べて!」
「あっ!抜け駆け!!」
女子達を振り切れなかった獄寺と山本はグイグイと引っ張られてしまい美那に会うことが出来なかった。
その後数日間同じようにファンクラブの女子達に捕まり女の子に乱暴なことが出来ない獄寺と山本は困り果てていた。
ーーーー
デートの前日の金曜日、ツナは雲雀の許可を貰い京子と花と出掛けて並盛ショッピングモールにいた。
京子は携帯を見る。
「ハルちゃんもう来るって。」
「三浦さん久しぶりに会うなぁ。」
メールで連絡を取っていたが会うのは久しぶりだ。因みにハルに電話して話した時ハルは電話口で大騒ぎして喜んでいた。
暫く待っていると黒髪のポニーテールの少女が見えてきた。
「ツナさーん!京子ちゃん!花さん!」
走ってツナ達の傍に来たハルは軽く息を乱していた。そんなハルにツナ達は苦笑いしつつウィンドウショッピングをした後、カフェに入った。
それぞれ注文ををすると話の話題はツナの初デートになる。
「ツナさん明日デートですか!ハルは羨ましいです!」
「いつかデートしてみたいな。」
「私は年上の男が良いわ。」
羨ましがるハルとデートをしてみたいと思う京子、年上が良いと語る花。そこに買い物に来ていたらしいビアンキがカフェに入って来た。
「あら?ツナじゃない。久しぶりね。」
「久しぶりビアンキ。」
リボーンに聞かされていたビアンキは嬉しそうにした。
「本当に声が出るようになったのね。綺麗な声よ。今日は京子達と遊んでるの?」
「うん。」
ツナが答えると京子と花がビアンキに挨拶をしてツナはハルを紹介した後ビアンキを誘った。
「良かったら一緒にお茶しない?」
「良いの?」
ビアンキは京子と花とハルに聞くと是非と言われて席に着いた。
注文したケーキセットが来るとツナのデートの話が再開した。
ビアンキはツナに雲雀とはどこで会ったのか聞いた。
「ツナと雲雀恭弥はどこで会ったのかしら?」
ツナは簡単に話すとビアンキは興奮した。
「遠距離恋愛の末に婚約したなんて!とてもステキよ!!」
愛のために死ねるらしいビアンキは半ば絶叫し、ツナ達は慌ててビアンキを止めた。
その後大した服を持っていないツナの為にビアンキが服を買ってプレゼントして、明日は雲雀家に全員集合することが決まってしまった。
そのことを後に知った雲雀は不満げだったが嬉しそうにしているツナを見て仕方がないと諦めた。