琥珀のカナリア


翌朝ーーー


美那は並中に着いた途端急いでツナのクラスに入って行った。
ツナはまだ教室に来ていないが修行場所から直行していた獄寺とギリギリまで道場で修行していた山本は既に登校していてまた京子と花も教室にいた。そしてボクシング部マネージャーの勧誘の為ツナを待っていた了平もいた。

「隼人、武おはよう。」

「美那さんおはようございます!そういえば指輪は返して貰ったのですか?」

獄寺が聞くと美那は嘘を並べた。

「あのね美那の部屋にあったの。ベッドの下に転がってて。」

「アハハ美那は意外にそそっかしいのな!」

「野球馬鹿!美那さんを侮辱するな!」

「隼人良いのよ。悪気ないのわかってるから。心配させてごめんなさい。」

あったなら良かったと獄寺と山本は笑い美那は二人に謝るが。


「うっわー。ありえない。」

「結局自分の部屋にあったんだ。呆れるわ。」

「あんだけ騒いだのにねー。しかも自分のクラスじゃなくて姉のクラスでね。」

「その姉を思いっきり犯人扱い。おまけにメモ帳を叩き落とすし最低。」

「沢田さんも大変よね。あんな人騒がせなのが双子の妹なんてさ。」

ツナのクラスの女子達は冷やかな目で美那を見ていた。

「っーーーー!!」

冷たい視線に耐えきれず美那は俯き、視線を送る女子達に獄寺は食ってかかる。

「お前ら!美那さんに何てこと言いやがる!果たすぞ!」

ダイナマイトを出す獄寺にクラスの生徒達は青ざめたが京子と花の側にいた了平が止めに入った。

「極限に止めんか!タコヘッド!!」

「うるせえ!芝生頭!コイツら美那さんを馬鹿にしやがったんだぞ!!」

「馬鹿されても極限に仕方ないぞ!」

「何!?」

「笹川先輩さすがに今の言葉はいただけないのな!」

成り行きを見ていた山本も目を吊り上げた。了平は獄寺と山本に言った。

「ちゃんと探さず沢田のせいにした沢田美那が極限に悪いのではないのか?しっかり探せば沢田は犯人扱いされずに済んだし沢田美那も馬鹿にされずに済んだ筈だぞ?」

「っ!」

「うっ!」

了平に言い返せない獄寺と山本は立ち尽くし美那は悔しいそうな顔をしてツナのクラスから出ていった。


了平は京子と花の側に戻ると京子が不安そうに口を開いた。

「お兄ちゃん。獄寺君と山本君と言い争いになっちゃったけど大丈夫なの?獄寺君達もハイブリッド相撲のメンバーでしょ?」

「極限に大丈夫だ!それと今のは話が違うしな。」

「それなら良いんだけど。」

それでも不安を拭いきれない京子に了平は頭を撫でて花は了平が大丈夫だと言っているから元気だしてと慰めた。


ーーーー

教室に戻った美那は秋子と女子達からの蔑視を感じながら席に着いた。

『秋子も他の子も何なの?ミキは理由を知ってるみたいだけど話してくれないし!美那が何をしたって言うのよっ!!』

授業の準備をしようと教科書とノートを机から出すと目を見開いた。
教科書の表紙が破られていて中は所々に『消えろ!』『ブス』『調子に乗るな!』『死ね!』と書かれていてノートは宿題の答えを書いていたページだけを破り取られていた。

『ちょっと何なのよっ!?』

美那は教室を見回すと秋子と女子達はクスクスと嘲笑い、男子達もまた美那が獄寺と山本を引き連れて雲雀にも粉をかけている尻軽女と思っていて軽蔑の目を向けていた。

『~っ!?』

何でこんなことになったと美那は唇を噛んで俯いた。


ーーーー

ツナと雲雀はザンザスの部屋に来ていた。

「今日は何の用だ?」

ギロリと睨むザンザスに雲雀は睨み返しツナは震える。ルッスーリアはまたにらめっこなの?と思いつつもツナと雲雀に座るように勧めた。
ソファーに座ったツナと雲雀。雲雀は口を開いた。

「聞きたいことがあるんだけど僕の相手は君なの?」

正面に座るザンザスに問う雲雀にザンザスは眉をピクリと動かした。

「何故そう思う?」

「指に雲のリングがはめられてるからね。」

「ハッ!気付いてやがったのか。」

面白そうにするザンザスは続きを促した。

「雲のリングの所持者ならいっそのこと大空戦と雲戦を同時にやらないかい?」

「同時か・・・良いだろう。ジジイにはこっちから言っておこう。」

「そう。それじゃ僕達は修行もあるから。」

雲雀はツナとスイートルームを後にした。



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