琥珀のカナリア


翌朝ーーー

美那は居心地の悪さを感じていたがツナのクラスに行きツナの席に向かう。

ツナは京子達と話している。

「ツナちゃん今日は午後から病院なの?」

頷くツナに了平は声が出たらマネージャーだ!と騒ぎ花が止めていた。

美那が来ると談笑しているツナと了平と京子と花は目をパチクリさせた。

「ツナ。どうして美那の指輪を盗んだの?」

「・・・・・・。(盗んだ?)」

「酷いわ!あの指輪は美那の物なのに!」

泣き出す美那を見てツナは幼い頃に雲雀に貰った指輪のことだと分かった。
そこに獄寺と山本が入ってきて慌てて美那の傍に行った。

「どうしたんですか美那さん!」

「何で泣いてるのな?」

美那は丁度良いと獄寺と山本に話した。

「ツ、ツナが美那の、ヒック、指輪盗んだの!!」

それを聞いた獄寺と山本はツナを責め立てた。

「沢田!盗むなんて最低だぜ!早く美那さんにお返ししろ!」

「いくら双子でもそれはねえよ。謝って返した方がいいのな!」

責め立てる獄寺と山本に了平が止めに入る。

「待たんか!沢田はそんなことは極限にしないぞ!沢田美那それは気のせいではないのか?」

「え、ええ。だって美那の部屋に入るのは母さんと父さんとツナだけだし。」

答える美那に京子と花が話す。

「美那さん。本当に指輪が無かったの?ちゃんと探した?」

「証拠もないのに責めるのは良くないわ。もし勘違いだったらどうするのよ。」

「で、でもツナしか考えられないし!」

美那が返すと獄寺がツナを恫喝した。

「美那さんが泣くほど困ってるんだ!ちゃんと謝罪して返しやがれ!」

ツナはメモ帳を出して盗んでないと書こうとすると美那が道具の癖に逆らうなとばかりにメモ帳を奪って床に叩き付けた。

「・・・・・・。(あっ!!)」

「美那の大切な指輪ちゃんと返してよ!」

美那が怒鳴ると花は苛立った顔をした。

「ちょっと酷いんじゃない?あんた今やったことちゃんと分かってるの?」

花は美那に言うとメモ帳を拾ってツナに渡すと京子も美那に指摘した。

「メモ帳はツナちゃんにとって声なんだよ!いくら怒っていてもメモ帳を床に叩き付つけるのは悪いことなんじゃないかな。」

「~っ!?」

美那はこのことでツナを孤立させて言うことを聞かせようとしたが了平と京子と花がツナを庇ったことに驚いた。

『嘘!てっきり美那の話を信じると思ったのに!』

「とりあえずこの話は終わりにしよ?」

「先生も来るしさ。」

「沢田美那の話だけを聞いて沢田の話を聞かないで責めるのは極限に悪いことだぞ!」

京子達が纏めてしまい美那はこれ以上食い下がれないと泣く泣く自分の教室に戻り、了平に指摘されたことで獄寺と山本も渋々自分の席に着いた。

花は獄寺と山本を見やるが本当に渋々と言った感じで不味いと思った。

「アイツら納得してないみたいだから沢田はこれから応接室に行った方が良いわ。休み時間の度に責めて来そうだしね。」

「そうだね。お兄ちゃんツナちゃんを応接室まで送って行ってあげて。美那さんのクラスを通ってもお兄ちゃんがいれば何かしたくても出来ないと思うの。」

「極限に構わんぞ。俺の教室は応接室の近くだからな!」

ツナはメモ帳に〈信じてくれてありがとう〉と書いた。

「友達なんだから信じるよ。」

「そうそう。信じるのは当たり前。」

「沢田の目を見れば分かることだ。応接室に行くぞ。」

ツナは嬉しいと口を動かした。京子達はツナが言っていることを理解して笑顔で返した。



応接室に行くと雲雀が仏頂面で出迎えた。

「笹川了平。この子と一緒ってどういうつもり?」

「極限に大変なことになったから連れてきたのだ。」

真剣な顔をしている了平に雲雀は聞く。

「何があった?」

「沢田美那の指輪が無くなったらしくてな沢田を犯人扱いしてきたのだ。とりあえず話は終わりになったが沢田美那もタコヘッドも山本も納得してないみたいでな。ここに居れば安全だろう?」

「ここには草食動物は来ないし来ても追い払えるしね。」

ツナは了平に頭を下げると気にするなと了平は自分のクラスに戻っていった。


雲雀はソファーにツナを座らせると話を聞いた。

「指輪って僕が小鳥にあげたやつかな?」

コクンと頷いてツナはメモ帳に書いた。

〈無くなってることに気付いたんだと思います。それで俺が盗んだってことに。〉

「奪ったのは美那の方だろ。僕はそれを取り返すように赤ん坊に頼んだだけだ。あの指輪は小鳥のだしね。」

『小鳥を蹴落とす為に騒いだんだろう。大方、小鳥を部下にして抗争とかに出そうと企んでるみたいだしね。』

「今日から美那とコンビを組むんだろ?その時に僕が指輪のことを話して明日は駄犬共に話をするから大丈夫だよ。」

〈ありがとうございます。〉

「早めに昼食を取ったら指輪を取りに行こう。」

〈はい。〉



雲雀は美那の目論みを潰してやろうと企んだ。



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