琥珀のカナリア


翌日の夜、雲雀とツナが体育館に入ると既に美那と獄寺、山本、了平がいてあまりの群れっぷりに雲雀は眉間に皺を寄せて、不機嫌な雲雀にツナは心配そうに見た。
美那は雲雀に声をかけようとしたが雲雀が睨み付けているのに気づき俯き口をつぐんだ。
ツナと雲雀が入って数分後にタンコブが出来ているランボとランボを殴ったらしいリボーンが入ってきた。

「さっさと入りやがれ! 」

「グピャッ!?」

ランボを蹴り飛ばすリボーン。ウワーンと泣きじゃくるランボに美那は鬱陶しく感じつつも大丈夫と駆け寄る。

「ランボ大丈夫?」

ランボは自分とイーピンとフゥ太を脅した美那の声にビクッとした。

「ラ、ランボさん、大丈夫だもんね。」

そういうとランボは泣きべそをかきながらツナの方へ走って行き美那は自分を良く見せようとしたが逃げたランボに罵りたい気分になった。


「ツナ!久しぶりだもんね!!」

「・・・・・・。(久しぶりだけど本当にランボも守護者なの!?)」


抱っこをせがむランボを抱き上げツナはタンコブをさすり雲雀はツナの胸に顔を埋めているランボに焼きもちを妬いてた。


暫く待つと体育館に数人の男が荒々しく入ってきた。

「ししっ!コイツらすっげー弱そう。王子の暇潰しになるの?」

「金にならない任務だよ。」

「うぉぉぉぉぉぉぉぉいっ!纏めて三枚におろしてやるぜえぇぇぇぇぇぇぇ!!」

「あらスクアーロったら気合い入ってるわね~。」

「気合いが入って当然だ!」

ヴァリアーの幹部のベルフェゴール、マーモン、スクアーロ、ルッスーリア、レヴィが体育館に入っていく。

ヴァリアーの幹部を見てツナとランボは顔色が真っ青から真っ白に変わっていき、雲雀は咬み殺しがいがありそうだと舌なめずりをして、獄寺と山本は睨み付けて、了平は極限に相手に不足なしと闘志を燃やした。美那は恐怖で獄寺と山本の後ろに隠れた。

ツナと雲雀と美那達はこれで全員揃ったのかと思っていると殺気だったオーラを出している顔中に傷がある男が入ってきた。

「ハッ!ドカスばかりじゃねえか!」

鼻で笑いツナ達を見やるザンザス。ザンザスの鋭い眼にツナとはランボは気絶寸前、美那はあまりの殺気だったオーラにヒッ!と声を出し、雲雀と獄寺達はザンザスを真っ向から睨んだ。

リボーンがこれで全員揃ったなと言うと家光が入ってきた。

「ここからは俺が仕切らせて貰うぞ!」

家光の声を聞いて美那は「お父さん!」と不安な顔をしながら振り向いたがツナは『帰ってきてたんだ』程度にしか思わず振り向きもしなかった。
リボーンはツナの態度で分かってしまった。


見放したのは家光と奈々ではなくツナの方だとーーー


いくら思春期とはいえ久しぶりに帰国した父親に対する態度ではない。
現にツナは振り向きもしないでヴァリアーに怯えながらもランボを慰めている。

『家光。お前何をしてんだ?』

家光に対するツナの態度の深刻さを分かっているのかと言いたいが今はそれどころではない。
リボーンは仕方ないと口を閉じた。


家光はリング争奪戦のルールを説明した。

「リボーンから聞いているとは思うが俺からも説明させてもらう。守護者達は同属性同士で一対一で戦うことになるがボス戦はツナと美那がコンビを組みザンザスと戦うことになる。尚相手を倒しただけでは意味がない。勝利しハーフボンゴレリングを合わせた時点で勝利になる。」

説明が終わるとマスクをした女性が二人入って来た。

「誰だ?」

家光が声を出すと女性達は「我々は9代目直直属のチェルベッロ機関の者です。」と淡々と答えた。

家光はチェルベッロ機関など聞いたことないと意義を唱える。

「チェルベッロ機関など聞いたことないぞ。そんな連中にジャッジをまかせられるか!」

「我々は9代目に仕えているのであり貴方の力が及ぶ存在ではない。リング争奪戦において我々の決定は9代目の決定だと思って下さい。」

「何っ・・・!?」

眉を寄せチェルベッロ機関の女性達を睨み付ける家光。だがチェルベッロ機関の女性達は気にも止めずに続けた。

「ファミリー全体を納得させるのにはギリギリの措置だと9代目は仰ってます。ザンザス様意義はありますか?」

目線で意義無しと答えるザンザス。リボーンは意義ありとチェルベッロ機関の女性達に言った。

「こっちは霧属性の奴がいねえんだ。だから霧戦は無しに出来ねえか?」

チェルベッロ機関の女性達はザンザスに認めるか否か聞いた。

「チッ、居ねえなら仕方ねえ。認めてやる。」

「霧戦は無しにします。」

そう言い残してチェルベッロ機関の女性達は立ち去った。


ザンザスはツナ達の方を見てあることを話した。

「沢田綱吉、沢田美那。てめえらにチャンスをやってもいい。」

「?」

「・・・・・・。(チャンス?)」

「リボーンが提案したように誰かの試合をパスさせるとかな。」


ザンザスの言葉にリボーンはその意味を悟った。

『もうリング争奪戦は始まっている!』


スクアーロは宿泊しているホテルを伝えるとザンザス達は体育館を後にした。


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