琥珀のカナリア


数日経ってもツナと美那はまた炎を灯せずにいた。


放課後、集中力が切れて一旦休憩しようと応接室のソファーに座るツナ。

『灯せないなぁ。そもそも俺マフィアになりたくないし。』

休憩していると少しだけよれている雲雀が戻ってきた。

「ただいま小鳥。」

〈お帰りなさい。怪我してませんか?ディーノさんは?〉

「無傷だよ。跳ね馬は帰った。炎は灯せた?」

首を振って答えるツナはどうしたら出来るのか雲雀に聞いた。

〈お兄さんは直ぐ灯せたましたよね?コツとかありますか?〉

雲雀はリボーンに渡されてその日のうちに紫色の炎を灯すことが出来た。

「僕の場合小鳥を護ることを考えていたら出来たよ。後美那に対するムカつき。だから小鳥も何かしたいこととかを思い浮かべてみたら?」

ムカつきには驚いたツナだがコクンと頷いてボンゴレリングに集中した。

『お兄さんがそう思うように俺もお兄さんを護りたい。お兄さんだけじゃなくて笹川さんと笹川先輩と黒川さんに三浦さん皆を!!』


ボッーーーー

「・・・・・・。(うわっ!?)」

「ワオ!綺麗なオレンジ色だね。」

ツナのボンゴレリングから大きく純度の高い橙色の炎が表れた。

「・・・・・・。(出来た!でもマフィアにはなりたくない。)」

ツナは複雑な気持ちで炎を見ていて雲雀もまた複雑な気持ちだ。しかしヴァリアーとの戦いがある以上仕方がなかった。

炎が灯せたとリボーンにメールすると直ぐにリボーンは応接室にやって来た。

「ツナ頑張ったな。」

リボーンが労りの言葉を言うと雲雀は美那と他の守護者達はどうなんだと聞いた。

「了平は昨日灯せたが美那と獄寺と山本とランボはまだだな。」

「他の草食動物は兎も角美那にさっさと灯させなよ。」

雲雀的にヴァリアーとの戦いが終わった後速攻で美那をボスにさせたくて仕方がない。

「灯せる灯せないは美那自身努力しないと意味がねえ。」

美那次第だとリボーンはツナに明日から実践に入ると告げると応接室を出ていった。

「・・・・・・。(実践かあ。リボーンと戦うのかな?それはやだな。)」

修行のキツさを思うと憂鬱になるが雲雀が頭を撫でて慰めた。


ーーーー

「え?ツナが?」

美那の自室でリボーンが話した。

「雲雀と了平に次いでツナも今日灯せたぞ。後はお前と獄寺と山本とランボだな。」

「そう。頑張らないとね。」

「ああ、頑張れ。」

話すことを話してリボーンは退室した。

『あのダメツナが!?嘘でしょ!?』

「何で炎が通せないのよ!!」

一歩リードされた美那は忌々しげにボンゴレリングを見て焦りを感じた。

その後山本、ランボ、獄寺も炎を灯せるようになり更に焦る美那。リボーンも何が原因なんだ?と考えるようになった。


ーーーー

本来なら学校で授業を受けている時間だがツナは崖登りをした場所である人物を紹介された。(雲雀はディーノと屋上でバトル。)

「コイツは家光の部下のバジリオン。バジルって呼んでやれ。」

リボーンに紹介されたのはチェデフのバジル。

「初めまして綱吉殿。よろしくお願いします。」

〈よろしくお願いします。〉

「自己紹介がすんだところでさっそく修行開始だぞ。ツナ死ぬ気丸を飲め。相手はバジルだ。」

「・・・・・・。(ええっ!?バジル君なの!?つか戦うなんてムリムリ!!!)」

慌てるツナをよそにバジルは死ぬ気丸を飲んで死ぬ気なった。ツナはブンブン首を横に振る。

「綱吉殿?」

「ああ、あれは日本人特有の照れ隠しみたいなもんだから気にすんな。」

ツナはバジルとスパーリングすることになった。




「攻撃する時だけ死ぬ気になるのです!」

バジルは教えながら攻撃する。ツナはバジルのアドバイスを聞きながら戦っていた。



ーーーー

今日の修行が終わったツナは応接室で雲雀と昼食を取っていた。

「バジル?香辛料みたいな名前だね。」

〈父さんの部下だって言ってます。それにボンゴレリングを持ってきたのもバジル君らしくて。〉

「小鳥の父親の部下?それじゃそいつもマフィアか。」

〈多分そうだと思います。〉

「次から次とマフィアが来るね。」

雲雀は自分が海外にいた間にツナの回りはマフィアまみれになっていることに腹が立った。


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