琥珀のカナリア
雲雀の帰国
登校の途中で美那と獄寺と朝練がない山本の後で歩いているツナを見かけて京子と花は顔を見合せる。
「沢田いつも妹と獄寺達の後ろに付いて行く感じなのかしら?」
「何かツナちゃん辛そうじゃない?」
ツナの暗い表情を見て二人はツナを呼んだ。
「ツナちゃんおはよう!」
「おはよう沢田。あんた髪乱れてるよ。直して上げるからこっち来なさいよ。」
今までは京子と花がツナの側に来ていたが逆はなかった。ツナはどうしようと考えてると山本が「呼ばれてるのな~。早く行ってやるのな。」と悪気なしでツナに言った。
美那は山本に余計なこと言わなくていいのにと思いつつもツナに「行ってあげて。」と渋々言ったがツナがいきいきしているのが気に入らないとツナの背中を見て一瞬睨み付けた。
ーーーー
午後、日本の空港で黒曜石のような色の髪と瞳を持つ人物が急いで歩いている。
「長い間会えなかった。でもそれも終わりだよ。小鳥。」
雲雀は迎えに来ていた自家用車に乗ると並盛中学校へ走らせた。
並中に着くと雲雀は校長室に入った。
「僕明日から学校に通うから。」
「手続きは既に終わっています。」
「既に終わってるなら連絡入れなよ。」
「も、申し訳ございません!!」
額をデスクに擦り付け頭を下げる校長に雲雀は咬み殺す価値すらないと判断すると退室した。
廊下を歩いていると目敏い女子生徒達が目を輝かせてチラチラと雲雀を見る。
「あの人カッコいい!」
「転校生かな?」
雲雀はチラチラ見られて不快感しかない。
「何見てるのさ?咬み殺すよ!」
眉間に皺を寄せて睨み付ける雲雀に女子生徒達は目を逸らして蜘蛛の子を散らすように逃げていった。
女子生徒という名の群れを追い払った雲雀は昇降口を出ると前方に恋い焦がれた人物が京子の方を向いて喋っている。雲雀は目を大きく見開いた。
『あの横顔!絶対小鳥だ!!』
雲雀は校庭を走り出しツナを愛称で呼ぶ。
「小鳥!!」
ツナは驚き後ろを見る。
ツナを小鳥と呼ぶのは雲雀と女中頭と女中達だけ。
『お、お兄さん!?』
背がかなり伸びて、顔も小学1年の頃よりずっと大人びているが雲雀だと分かった。
「小鳥!会いたかった!!」
ツナの傍に駆け寄った雲雀は嬉しそうに笑うがツナは真っ青な顔色をして逃げ出した。京子と花はツナを呼ぶがツナはそれを無視して走り去る。
雲雀はツナの後を追って京子と花も慌てて追う。
そして気配を消していたリボーンは顔には出さなかったが驚いていた。
『ツナの奴、一瞬だが心の壁が消えた!?《お兄さん》ってあの男子か!?』
お兄さん。
リボーンはツナのことを知るのに雲雀は重要だと雲雀を追った。
ツナは走って走って並盛の外れにある廃墟のビルに辿り着いていた。
『お兄さん本当に帰ってきたんだ!でも・・・俺喋れないし、もう。』
歌えない!!!
歌を偶然聞かれたことで雲雀に気に入られ一緒にいれた。
歌えない自分には何の価値もない。
美那にも散々歌えないツナは価値なんかないと嘲笑されてきた。
『美那ちゃんの言う通りだ・・・。』
ツナは歌えない自分はもう雲雀に会えないと膝を抱えて泣いた。
ーーーー
雲雀はツナを追っていたが途中で見失った。
ツナが早いのはリボーンの修行の成果だろう。
『何で逃げるの!?』
走りながら探しているとリボーンが雲雀の前に出た。
「ちゃおっす!俺はリボーン。」
「僕は今忙しいんだ。」
雲雀は凶悪な笑みでトンファーを出してリボーンに攻撃する。
ガキィーンッーーー
レオンが変化した十手でトンファーを受け止めるリボーンに雲雀は驚いた。
「君素晴らしいね。でも邪魔しないでくれる?」
「俺はツナのカテキョーだぞ。お前にツナのことで聞きたいことがある。知っているなら美那のこともな。」
ツナの名前で雲雀は目を見開くが美那の名前を聞いた途端に眉を寄せた。リボーンは知っていると分かった。
「お前、ツナの幼なじみか何かか?」
幼い子供が少し年上の友達をお兄さん、お姉さんと言って慕うのはよくある。リボーンはツナと雲雀もそのような関係なのかもしれないと思った。
「幼なじみだけど正確には僕の婚約者だよ。」
「婚約者?」
さすがのリボーンも雲雀の答えには驚きを隠せない。
「あの子の両親にはまだ言ってないけど僕はあの子を伴侶にするために並盛に戻ってきた。」
「ほう。だがツナの奴逃げたぞ?」
「っ・・・・・・。」
雲雀は言葉を詰まらせる。
「まあそれはおいといてツナを探すか。お前も手伝え。」
「言われなくても。それにお前って名前じゃないよ。僕は雲雀恭弥。」
雲雀は走り出しリボーンはビアンキに電話をした。
「ビアンキ、頼みがある。ボンゴレ諜報部に連絡してツナの居場所を押さえておいてくれ。」
ツナと美那はボンゴレ10代目候補だ。嗅ぎ付けた敵対ファミリーが動いたと思ったビアンキは焦るように言った。
『まさか敵対ファミリーが並盛に入ってきたの!?』
「いやそうじゃねえ。ちょっと事情があってな。取り敢えず居場所が分かればいい。」
『諜報部から連絡が来たら知らせるわ。』
リボーンは通話を切ると雲雀の後を追った。
登校の途中で美那と獄寺と朝練がない山本の後で歩いているツナを見かけて京子と花は顔を見合せる。
「沢田いつも妹と獄寺達の後ろに付いて行く感じなのかしら?」
「何かツナちゃん辛そうじゃない?」
ツナの暗い表情を見て二人はツナを呼んだ。
「ツナちゃんおはよう!」
「おはよう沢田。あんた髪乱れてるよ。直して上げるからこっち来なさいよ。」
今までは京子と花がツナの側に来ていたが逆はなかった。ツナはどうしようと考えてると山本が「呼ばれてるのな~。早く行ってやるのな。」と悪気なしでツナに言った。
美那は山本に余計なこと言わなくていいのにと思いつつもツナに「行ってあげて。」と渋々言ったがツナがいきいきしているのが気に入らないとツナの背中を見て一瞬睨み付けた。
ーーーー
午後、日本の空港で黒曜石のような色の髪と瞳を持つ人物が急いで歩いている。
「長い間会えなかった。でもそれも終わりだよ。小鳥。」
雲雀は迎えに来ていた自家用車に乗ると並盛中学校へ走らせた。
並中に着くと雲雀は校長室に入った。
「僕明日から学校に通うから。」
「手続きは既に終わっています。」
「既に終わってるなら連絡入れなよ。」
「も、申し訳ございません!!」
額をデスクに擦り付け頭を下げる校長に雲雀は咬み殺す価値すらないと判断すると退室した。
廊下を歩いていると目敏い女子生徒達が目を輝かせてチラチラと雲雀を見る。
「あの人カッコいい!」
「転校生かな?」
雲雀はチラチラ見られて不快感しかない。
「何見てるのさ?咬み殺すよ!」
眉間に皺を寄せて睨み付ける雲雀に女子生徒達は目を逸らして蜘蛛の子を散らすように逃げていった。
女子生徒という名の群れを追い払った雲雀は昇降口を出ると前方に恋い焦がれた人物が京子の方を向いて喋っている。雲雀は目を大きく見開いた。
『あの横顔!絶対小鳥だ!!』
雲雀は校庭を走り出しツナを愛称で呼ぶ。
「小鳥!!」
ツナは驚き後ろを見る。
ツナを小鳥と呼ぶのは雲雀と女中頭と女中達だけ。
『お、お兄さん!?』
背がかなり伸びて、顔も小学1年の頃よりずっと大人びているが雲雀だと分かった。
「小鳥!会いたかった!!」
ツナの傍に駆け寄った雲雀は嬉しそうに笑うがツナは真っ青な顔色をして逃げ出した。京子と花はツナを呼ぶがツナはそれを無視して走り去る。
雲雀はツナの後を追って京子と花も慌てて追う。
そして気配を消していたリボーンは顔には出さなかったが驚いていた。
『ツナの奴、一瞬だが心の壁が消えた!?《お兄さん》ってあの男子か!?』
お兄さん。
リボーンはツナのことを知るのに雲雀は重要だと雲雀を追った。
ツナは走って走って並盛の外れにある廃墟のビルに辿り着いていた。
『お兄さん本当に帰ってきたんだ!でも・・・俺喋れないし、もう。』
歌えない!!!
歌を偶然聞かれたことで雲雀に気に入られ一緒にいれた。
歌えない自分には何の価値もない。
美那にも散々歌えないツナは価値なんかないと嘲笑されてきた。
『美那ちゃんの言う通りだ・・・。』
ツナは歌えない自分はもう雲雀に会えないと膝を抱えて泣いた。
ーーーー
雲雀はツナを追っていたが途中で見失った。
ツナが早いのはリボーンの修行の成果だろう。
『何で逃げるの!?』
走りながら探しているとリボーンが雲雀の前に出た。
「ちゃおっす!俺はリボーン。」
「僕は今忙しいんだ。」
雲雀は凶悪な笑みでトンファーを出してリボーンに攻撃する。
ガキィーンッーーー
レオンが変化した十手でトンファーを受け止めるリボーンに雲雀は驚いた。
「君素晴らしいね。でも邪魔しないでくれる?」
「俺はツナのカテキョーだぞ。お前にツナのことで聞きたいことがある。知っているなら美那のこともな。」
ツナの名前で雲雀は目を見開くが美那の名前を聞いた途端に眉を寄せた。リボーンは知っていると分かった。
「お前、ツナの幼なじみか何かか?」
幼い子供が少し年上の友達をお兄さん、お姉さんと言って慕うのはよくある。リボーンはツナと雲雀もそのような関係なのかもしれないと思った。
「幼なじみだけど正確には僕の婚約者だよ。」
「婚約者?」
さすがのリボーンも雲雀の答えには驚きを隠せない。
「あの子の両親にはまだ言ってないけど僕はあの子を伴侶にするために並盛に戻ってきた。」
「ほう。だがツナの奴逃げたぞ?」
「っ・・・・・・。」
雲雀は言葉を詰まらせる。
「まあそれはおいといてツナを探すか。お前も手伝え。」
「言われなくても。それにお前って名前じゃないよ。僕は雲雀恭弥。」
雲雀は走り出しリボーンはビアンキに電話をした。
「ビアンキ、頼みがある。ボンゴレ諜報部に連絡してツナの居場所を押さえておいてくれ。」
ツナと美那はボンゴレ10代目候補だ。嗅ぎ付けた敵対ファミリーが動いたと思ったビアンキは焦るように言った。
『まさか敵対ファミリーが並盛に入ってきたの!?』
「いやそうじゃねえ。ちょっと事情があってな。取り敢えず居場所が分かればいい。」
『諜報部から連絡が来たら知らせるわ。』
リボーンは通話を切ると雲雀の後を追った。