静寂の住人
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「やれやれ。これで一件落着かな。瞳子を帰して僕も帰ろう。」
プリマベーラはこれで静寂の世界に帰れると衣の隠れ里に向かい瞳子の家に入ると寧々が待っていた。
「静寂の住民様。」
プリマベーラはやっぱりバレていたかと乾いた笑いをして瞳子の体を解放し、寧々の前に自分の姿を現した。そして瞳子を布団に寝かせると寧々に言った。
「やっぱりバレてたんだ。」
「ホホホ。瞳子にしては見事な手当てをしていましたのでもしやと思いましてな。」
プリマベーラはそれだけで分かったのと言うと寧々は笑い「長く生きていると何となく色々なことが見えたり聞こえたりするのですよ。」と答えた。
「へぇ。人間も色々だね。それじゃ僕も一つ当ててあげる。寧々の代でここを守る者がいないでしょ?正直孫の瞳子に結界を張るだけの術力はないみたいだし。」
神に近いプリマベーラに当てるも何もないが寧々は頷く。
そもそも寧々はジョットと結婚した女性の血筋で、その女性の一族は術士だ。だが長い年月の間に血が薄まり寧々は息子と娘を生んだが術士の力を持ってはいなかった。
そして息子の娘である瞳子もまた術士の力を持って生まれることはなかった。
「このままだといつかはここがバレちゃうね。そうなるとここの住民達は冤罪なのに罰せられることになるわけか。」
力が絶えるのは仕方がないがこのままだといずれと寧々は目を伏せた。
プリマベーラは眠っている瞳子を見て暫し思案し寧々に良いことを思い付いたと話をした。
「瞳子に術士の力を与えても良いけどそれよりはこの世界が滅ぶまで僕と同胞が庇護するよ。それならここの住民も安心でしょ?今回は瞳子の身体を借りたし寧々にも世話になったからね。それのお礼。」
プリマベーラの話に一部物騒な単語が出たが、興味のない世界に対して破格の優しさを見せた。多分この世界のツナをそれなりに気に入ったからだろう。
寧々は「静寂の住民様。ありがとうございます。」と頭を深く下げた。
「それじゃ、僕は帰るね。さよなら寧々。」
プリマベーラは静寂の世界に帰っていった。
だがイヴェールが御立腹で待ち構えていることに気付いていなかったーーー
ーーーー
雲雀とツナは並中に到着して車から降りるとそこにはツナを信じた者達が笑顔で待っていた。
ツナは久しぶりに会うせいか恥ずかしそうに言った。
「皆、ありがとう!ただいま!!」
クロームとハルは泣きながら「お帰りなさい!」と抱き付き、炎真とシトッピーは「久しぶりだね!」と笑みを溢し、アーデルハイト、ジュリー、薫、らうじはその光景を微笑ましく見ていた。
途中で雲雀がクロームとハルに嫉妬心を剥き出してクロームとハルに抱き付かれたツナをベリッと引き剥がしたのは言うまでもない。
余談だがハルは雲雀にライバル宣言をして、更に雲雀を不機嫌させるという偉業を成し遂げた。
その後、ツナは雲雀綱吉になり雲雀の弟として籍を入れて雲雀家で暮らすことになった。
雲雀はツナを自分の部屋に呼び出し大空のボンゴレリングを渡したそうとしたが濁りが無くなっていて驚いた。
「濁りが消えてる。」
「?」
雲雀の呟く声にツナは首をこてんと傾げる。
「まあ、いいや。これは君が持ってないといけないんだってさ。」
「俺がですか?」
「復讐者のリーダーや九代目とやらがそう言ってた。綱吉が持つことに意味があるんだって。だからそれは君の物だよ。」
「でも、これは・・・・・・。」
ボンゴレリングはボンゴレファミリーの至宝。そしてボスであることの証明。
自分は既に追放された人間。なのになぜ自分の物になるんだと不思議そうにしていると、雲雀は簡単に説明した。
「九代目の話だと復讐者がトゥリニセッテを護ってるんだけど綱吉がそのリングを持つことでトゥリニセッテを安定させることが出来るんだって。だから持ってろってさ。」
「何か怖いことになってるーーーっ!?」
ボンゴレを継ぐより重要な役割をすることになり真っ青なツナを雲雀は強引に抱き寄せた。
「君がトゥリニセッテを護ることになったのは仕方がない。だから綱吉は僕に護られてなよ。」
雲雀は優しく安心させるようにツナに告げた。
End.