誤魔化そうと口を開いた愛結華は何が起きたんだと驚愕していた。


「・・・。ウフフ、アハハ！キャハハハッ！」

突然笑い出す愛結華に獄寺達はどうしたのだと困惑する。

「愛結華ちゃん、どうしたの？」

京子が声をかけると愛結華は更に笑い出した。

「十代目？」

獄寺が何があったのだと声をかけたら愛結華は笑うのを止め、喋りだした。

「雲雀さんが言った通りよぉ！愛結華がダメツナの奴を嵌めてやったのよ～！だってボンゴレの座を譲らないんだものぉ。」


「「「「！？」」」」

驚く獄寺達を嘲笑う愛結華。


「ボンゴレを継げばフォードファミリーは更に栄えるしぃ、愛結華はボンゴレの権力と財でマフィア界の女王として君臨出来るんだものぉ。」

唖然とする獄寺達と怪訝そうにする雲雀達。


『な、何なのよぉ！何で愛結華はそんなことを喋ってるのよー！』


「おまけにあんた達は愛結華に忠実な下僕になってくれてありがとー。ウフフ。」

『ちょっと！何で自由がきかないのぉー！？』

泣きたいが愛結華の顔は醜悪に歪んだ笑顔を作り出した。


愛結華の様子がおかしいことに気付いたのは雲雀。
雲雀はクロームに目線を向けるとクロームは何とも言い辛そうな顔した。

『成る程。あのナッポーの仕業か。』

雲雀は骸が関与していることに腹を立てるがこの際利用してやろうと笑った。

「愛結華・フォード。騙したとはいえ獄寺隼人。山本武、笹川了平、笹川京子、連行されたけど黒川花は君を信じた。なのに彼等を奴隷扱いかい？」

「キャハハハ！そうよぉ！だって愛結華が女王だものー！それに奴隷と言っても細かく分けてはあるのよぉ。イケメンは愛結華の騎士で女は引き立て役のアクセサリー、それ以外は奴隷。まぁ三浦ハルはダメツナの代わり！尾田ゆかり達は女王の愛結華より目立ってるから躾をしてやったのぉ。原田健太はこの愛結華の告白を断りやがったから制裁をくだしてやったんだよ！」

「へえ？つまり獄寺隼人達は騎士とやらで笹川京子と黒川花はアクセサリーってこと？」

「勿論よぉ。頭悪いけど隼人達イケメンだから侍らせて良い気分だったわぁ。京子達も愛結華がちょっと泣けば何でもしてくれる侍女で良かったわよ～。」


『ああ！もう！何なのよぉ！勝手に喋るなんて！愛結華の口しっかりしてよぉーー！』


自分の口が勝手に喋る。愛結華は焦った。獄寺達を見ると怒りと憎しみを込めた目を向けている。

「つまり君の忠犬は騙されやすい馬鹿だという認識なわけ？」

「勿論よ～。」


愛結華に憑依していた骸は存分に愛結華を貶め、獄寺達の態度を見てこのくらいやれば愛結華は破滅だと確信し愛結華の体から離脱した。

愛結華は体の自由がきくようになったのを感じて慌てて言い訳をしようとしたが。

「あのね！い、今のはっ！」

獄寺達は武器を愛結華に向けていた。

「奴隷だと！？てめぇを信じた俺が馬鹿だったぜ！」

「騙すなんて最低なのな！」

「極限京子を侮辱するのは許せん！」

「愛結華ちゃんは最低だよ！」

「ヒィッ！！」

愛結華は以前ツナがされた制裁を受けることになった。

「もうやめてぇぇぇぇぇぇーーー！！」

「うるせえ！」

「汚い女は死ねよ！」

「極限に制裁を下してやる！」

「いい気味だよフォードさん！」

容赦なく根性焼きに刀で切られ、殴打に罵倒。
愛結華をボロボロにしていく獄寺達を雲雀達は呆れていた。(だからと言って愛結華を助ける気もさらさら無いが。)


制裁された愛結華は髪はボサボサで元の顔が分からないくらいに腫れ上がり、身体中が傷だらけ。自分を良く見せる為に改造した制服もレースは剥がれかけ、リボンは取れていた。

「も、もう・・・許し・・・てぇ。」

息も絶え絶えな愛結華だがある声が聞こえて目を見開いた。


「罪人、愛結華・フォードを投獄する！」

闇を引き連れてバミューダとイェーガーが現れた。

イェーガーは鎖を愛結華の首もとに向かって飛ばした。

ガシャンッ！

「な、何で、愛・・・結華が・・・？」

バミューダは愛結華に罪状を告げた。

「頭の悪そうな君に分かりやすく説明するよ。同盟ファミリーであるボンゴレファミリーの次期ボス候補の沢田綱吉を陥れボンゴレファミリーを裏切った罪。一般人の三浦ハルを脅し、尾田ゆかりと原田健太を暴行するように仕向けた罪、渡辺舞子の私物を奪った罪、深沢香代美と金子真理に暴行を加えた罪。つまりマフィア界で一番許されない裏切りと一般人にマフィアの力を行使していたんだよ。」


愛結華はマフィアが守らなければならない決まりを思い出した。

「あ・・・・・・。何で、忘れてた・・・のかしら・・・・・・。」

思い出したところでどうにもならないが愛結華は泣き叫んだ。

「嫌！嫌！嫌ぁーーー！た、助けてぇーーー！何でもするからぁーー！嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーー！やめてぇぇぇぇぇぇーーー！！」

バミューダは愛結華の悲鳴を気にもせず愛結華の制服のポケットに手を入れた。

「これは大変な事態だね。」

取り出したのは灰色に濁り、台座の部分は黒くなってしまった大空のボンゴレリングだった。