静寂の住人
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渡辺舞子の通学鞄にはキーホルダーが付いていて愛結華はそのキーホルダーに目敏く気付いた。
「あれはピンクダイヤじゃないかしらぁ?」
愛結華は早速奪い取ろうと渡辺舞子に近付いた。
「ねぇ?そのキーホルダー、愛結華に頂戴?」
「何なのいきなり!それは出来ないよ。これはお祖母様からのプレゼントだもの。」
渡辺舞子は愛結華の横を通り過ぎようとしたが愛結華が突き飛ばした。
「何するのよ!」
「うるさいわねー!それよりキーホルダーを貰っていくわねぇ。」
愛結華は鞄からキーホルダーを奪い取りキーホルダーを見詰めた。
ピンクダイヤを中心に花びらがあしらわれ、花びら自体にも細かい細工が施されていた。
「もしかしてぇ、オーダーメイドなのぉ?」
「そうよ!お祖母様がブレスレットをリフォームして私にキーホルダーを作ってくれたのよ!だから返して!」
渡辺舞子が取り返そうとするが愛結華はカッターを取り出した。
「!?」
「そーいやあんたさぁ、渡辺カンパニーの娘だっけ?今度府緒渡財閥が渡辺カンパニーのプロジェクトに融資するのよねぇ?愛結華に逆らったらまずいんじゃないのぉ~?」
ニタニタ笑う愛結華はカッターをちらつかせながら続ける。
「あんたがこのキーホルダーを愛結華に献上するなら大人しくしてあげるけど渡さないならお父様に言って融資は無かったことにしちゃうよぉ?良いのかなぁ~?下手したらあんたの家族と渡辺カンパニーの社員とその家族は~路頭に迷うわよね~?」
「・・・・・・分かったわ。」
悔し涙を流す渡辺舞子に愛結華はギャハハハと笑いキーホルダーを奪っていった。
「人の大切にしていた物を脅して奪い取ってるようにしか見えないんだけどさ。優しい愛結華・フォード?君はどう思う?」
「・・・っ!」
「また黙秘?それじゃ次の映像だよ!」
深沢香代美はコンビニを出た途端、左頬に焼けるような痛みを感じた。
「!?」
左頬から血が流れ出す。
「おはよー。深沢香代美。あんたに用があるのよねぇ!」
愛結華の目は怒りを宿していて深沢香代美は左頬を押さえ後ずさる。
「逃げんなよ~?あんたさぁ愛結華を差し置いて並盛中のアイドルの京子の次に可愛いって言われてるだってぇ?生意気なんだよ!ブス!」
確かに深沢香代美は京子よりやや劣るが美少女と言われている。だからと言って取り巻きを作ったりせず誰とでも平等に接していてそれが更にモテる理由になっていてまた控えめの性格で女子からも優しいと好かれていた。
「そんなことないです。笹川京子先輩の方がずっと綺麗だし、笑顔も素敵で。私はアイドルじゃないです。」
アイドルは京子。自分に二番目のアイドルは不相応と言う深沢香代美。
「ケッ!良い子ぶってんじゃねーよ!あんたなんかこうしてやるよぉ!」
カッターを振り回し深沢香代美の顔を切りつけようとする愛結華。深沢香代美は慌てて家まで逃げるがあちこちに傷が付いてしまっていた。
「チッ!もっと酷い顔にしてやろうと思ったのにぃ!まあこれで二番目のアイドルの座は愛結華の物ねぇ~。」
愛結華はカッターをしまい、深沢香代美の家から立ち去った。
「深沢香代美の容姿に嫉妬してカッターを振り回してるようにしか見えないんだけど、クローム髑髏に三浦ハル、シトッピー。君達はどう思う?」
「私も雲の人と同じ意見。嫉妬でカッターで切りつけるなんて最低!」
「ハルは愛結華ちゃんは性格ブスだと思います!だからあんな自己中心的で酷いことが出来るんだと思います!」
「性格ブスだし顔もたいして可愛くない。ただ嫉妬心だけは一人前。ダサいなー。」
雲雀に顔を遠回しに馬鹿にされクローム達にも笑われ愛結華は怒りでプルプルと震えていた。
「愛結華・フォードは相変わらず黙秘だからこのまま次の映像を見て貰うよ!」
金子真理は家から出た途端髪を掴まれた。
「痛いっ!何!?」
いきなりのことで金子真理は混乱する。
「おはよ♪金子真理。あんたこの前この愛結華にぶつかったわよねぇ?」
「あの時の?でも私ちゃんと謝ったはずですよ。」
愛結華は金子真理の髪を思いっきり引っ張った。
「いたっ!」
「この程度で痛がってんじゃねぇ!お前は愛結華にぶつかったんだ!ちゃんと土下座しろよ!このブスが!」
愛結華は髪を離すと金子真理の腹目掛けて蹴りを入れた。
「かはっ!」
金子真理は助けを求めたが回りに人は居なかった。
踞る金子真理の頭を足蹴にしキャハハハと醜悪に笑った。
「ほらほらぁ。謝んなよ~?愛結華様ごめんなさいってさ!」
この後、金子真理は何度も謝るが愛結華の暴行は続いた。
「これってどう思う?」
雲雀がクローム達に聞くと。
「ちょっとしたことで直ぐに暴力を振るう人間にしか見えない。」
「楽しそうに暴力を振るってるようにしか見えません!」
「心が汚い人間だ!」
「あの女の本性には呆れる。」
クローム達は愛結華を蔑視しながら答える。
愛結華は真っ青になったまま、何も言えなかった。