静寂の住人
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「風紀と書かれた腕章を付けた少年が中心になって綱吉君の無実を晴らそうとしているようだの。」
「それって雲雀さん達だ!」
寧々の言葉にツナは心が温かくなった。
「綱吉良かったね!」
「素晴らしい友人を持ったの。おや?今度は貫禄に溢れた人物が見えてきた。」
寧々はまた水晶を見詰めた。
ーーーー
ボンゴレ本部のボスの執務室に九代目と家光が居た。
「九代目!本気ですか!?」
「本気じゃよ。血筋による継承は廃止する。ボンゴレの血筋はもう居ないようなものだ。」
「愛結華嬢が居ます!」
「愛結華・フォードがボスになる資格はないのじゃよ。これを見たまえ。」
九代目は自分の守護者達が調査した報告書を渡した。
「!?」
報告書にはフォードファミリーの悪事の数々、愛結華自身もそれに手を貸し、また弱小ファミリーのボスの息子や娘を脅して金品を巻き上げ、気に入らない人間は殺していたことが書かれていた。また日本でも万引きや一般人に暴行していたことが記されていた。
「分かったかね?彼女とフォードァミリーはボンゴレが禁じていることを裏で行い、一般人に手を出しているのだよ。」
愛結華はボンゴレを継ぐ器ではない。九代目が静かに告げると家光は慌ててツナの名を出した。
「ボンゴレの血筋なら俺の息子が居ます!ツナが継げば問題はないはずです!」
自分の息子を簡単に裏切ったのに事実が分かった途端に何もなかったように振る舞う家光に九代目は声を低くした。
「いとも簡単に切り捨てた息子をまたボンゴレに座らせようとは。綱吉君は簡単に扱える道具ではないのだよ?」
「九代目!俺は息子を道具だとは思っていません!」
「なら何故あの時調査をしなかった?調査をしていれば綱吉君は行方不明にはならなかったはずだ。家光にとって綱吉君は息子ではないと言っているようなものだよ。」
「っ・・・。」
九代目に指摘されてもボンゴレを愛している家光は納得出来なかった。自分も部下を連れて諜報部と合流しツナを探さなければと用意をしようと執務室を出ようとした時、九代目は一枚の書類を見せた。
「綱吉君をボンゴレに連れ戻すことは許されない。これは勅命書だ。」
勅命書には九代目の名で書かれていた。
【沢田綱吉をボンゴレ十代目候補から外し、ボンゴレから追放するものとする。】
家光はなら取り消せば良いと言い出すと九代目は首を横に振る。
「署名を良くみたまえ。」
「これは!?」
署名は九代目の名の他にも数人の名が記載されていた。
アルコバレーノだったユニ、コロネロ、風、ヴェルデ、スカル、マーモン、ラル・ミルチ。同盟ファミリーのディーノ。そして復讐者のバミューダの名が記されていた。
チェデフのエースにボンゴレ以外のファミリーのボスや人間、マフィアランドの管理人に復讐者のリーダーが勅命書を認めている。
ボンゴレ以外の人間の名が記されている以上簡単には破棄は出来ない。
無理矢理ツナを連れ戻したりしたら復讐者の牢獄に連行されるだろう。
愕然とする家光に九代目は言った。
「綱吉君の今の状況を話したらバミューダ君やディーノ君、ユニ嬢達は喜んでサインをしてくれたよ。」
ユニ達はアルコバレーノの呪いを解いてくれたツナに感謝していたし、バミューダも恩義を感じていた。
ディーノはツナを弟分として可愛がっていた。
「なっ!?」
「ディーノ君は綱吉君を本当の弟のように接していたし、ユニ嬢達はアルコバレーノの呪いを解く為に動いた綱吉君に感謝していたのだよ。バミューダ君もトゥリニセッテを守れることになったことから恩を感じているようだったしね。」
この勅命書がある以上、ツナをボンゴレ十代目にすることは出来なった。
「後継者はわしの義息子、ザンザスに決めた。」
「!!」
放心したまま執務室を後にした家光。
十代目をザンザスが継ぐことで家光はこの先苦労するだろう。
「そもそも一般人だった綱吉君を後継者にしてしまったわしが一番の加害者だ。綱吉君本当にすまなかった。」
九代目は目を伏せツナに謝罪した。