静寂の住人
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様々な花が咲き乱れその中心に宮殿がある。
宮殿の庭で椅子に座っている金髪の人物はハァと溜め息をする。
「う~ん。多分怒られるよね・・・。」
自分と同じ日に生み出された人物の怒っている顔を思い出し身震いする。
「ウーン。多分と言うか絶対怒られるよね・・・。」
金髪の人物が何とか回避出来ないかと思案すると後ろから怒気を孕んだ声がした。やはりご立腹らしいと金髪の人物は項垂れた。
「プリマベーラ、そんなに私に怒られたいのか?」
『ヤバい!完全にお説教されるーーっ!』
「ごめんなさい!イヴェール!!」
プリマベーラは振り向き説教される前に謝罪するがイヴェールは無表情だ。プリマベーラは覚悟するしか無かった。
「私も好きで説教する訳じゃない。世界を助けようとするのは構わないが過度に力を注ぐなと毎回言っているだろう!元々あの世界は弱くバランスがとれない。そんな世界に大量に力を与えて崩壊寸前。それでもお前は動かない。結局私が毎回尻拭いだ。」
ジロリと睨むイヴェールにプリマベーラは縮こまる。
「暇潰しで世界を惑わすな!私達の役目はあの方の代わりに世界を見守ることだ!」
「・・・ごめんなさい。もうしないよ。」
しょんぼりして謝るプリマベーラは心の中で『今のところは。気になる世界はちょっかい出したくなるんだもの。』と付け加えていた。イヴェールはまたやらかすんだろうと頭を抱えていた。
イヴェールの説教が終わり暫くすると嫌な音が二人の耳に入ってきた。
ゴ、ゴゴゴ・・・ゴォォォォ、ゴゴゴ・・・
「プリマベーラ!この感じは!」
「何処の世界だ!」
二人は慌てて静寂の世界から覗くと沢山の世界がある。
「イヴェール!あの世界だよ!」
プリマベーラが指を差す世界が歪み灰色の靄のような物が現れ世界を包み込んでいる。
「かなり歪んでいるな。」
「うん。」
余りの歪みと禍々しい靄。ただ事ではない。
「この世界の記憶を読み取ろう。」
イヴェールとプリマベーラは読み取り始める。
「トゥリニセッテのバランスが崩れ始めてる!」
「・・・世界の記憶によると大空のボンゴレリングが正統な保持者から何者かに奪われたようだ。」
この世界はアルコバレーノの呪いが解け、トゥリニセッテは復讐者が管理しているが大空ボンゴレリングを正統な保持者が身に付けることによってバランスを保っていた。
「もし奪われたなら取り返して保持者に渡さないと!そもそもこの世界のトゥリニセッテは隣の世界の影響で生まれた偶然の産物だ!こんな歪んでいる世界に僕達が力を与えたら逆効果だよ!」
新たな歪みが出来る可能性があるとプリマベーラは焦るがイヴェールは冷静に判断する。
「先ずは世界から大空のボンゴレリングの保持者である沢田綱吉を読み取る。それと奪った者もだ。」
「分かった。」
プリマベーラとイヴェールは読み取った後、盛大に眉を寄せて顔をしかめた。