静寂の住人
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「この生徒だね。」
炎真とシトッピーから聞いて雲雀はその女子生徒のデータを見せる。
少女は目撃者の証言通り可愛いらしい顔をしていた。
「1年C組の尾田ゆかり。美術部。確かに右足に痣が一つ、左手の平と顔に切り傷に右手首を捻ったらしい。本人は階段から派手に落ちたと友人に話していたと風紀委員から報告がされてるね。」
雲雀はツナが衣の隠れ里に保護されたとほぼ同時に風紀委員を使って見回りを強化していた。愛結華が代わりを見付けてツナの様に暴行するのを防ぐ為に。
「目撃者がいるのにですか?」
「目撃者が尾田ゆかりのことが気がかりだったらしく様子を並中に聞いてきたから本人に聞いてみたいと思っていたんだ。」
「多分フォードが怖くて嘘を言ったのかもしれません。俺とシトッピーで良ければ尾田ゆかりさんに聞いてみます。」
「それじゃ頼むよ。」
「分かりました!」
炎真とシトッピーは応接室を出てまずは1年C組に向かうと姿は無く、美術室に行ったら今日は既に帰ったと部員に言われて尾田ゆかりの自宅に行くことにした。
「尾田ゆかりさん!」
尾田ゆかりの自宅の近くに目的の人物が居て炎真は呼び止めた。
「あの、貴方達は?」
「あ、俺は古里炎真、隣にいるのはシトッピー。君に聞きたいことがあるんだ。」
「聞きたいこと?」
「愛結華・フォードについて。」
「愛結華・フォード!?」
愛結華の名を出した途端、尾田ゆかりは震えだした。
「あの人とは何もありませんから!」
自宅に入ろうとする尾田ゆかりを炎真が止める。
「待って!尾田さんのように愛結華・フォードに苦しめられてる人が居るんだ!だから話を聞かせて!もしかしたら君の話で親友の無実が証明されるかもしれないんだ!」
炎真の真剣な目と声に尾田ゆかりは暫く考えてから分かりましたと炎真とシトッピーを自室に迎えた。
尾田ゆかりの母親がジュースと菓子を出して退室した後、尾田ゆかりは話し出した。
「○月☆日の夕方、並盛乃公園の近くを通っていたら愛結華・フォードさんがいきなり私の髪を掴んで公園に引きずったの。そして私の髪と目の色が気に入らないってカッターで顔切り付けられたの。」
「女の子の顔に酷いことを!」
「あの女も女なのに!」
「私は髪も目の色も生まれつきですから仕方ないんですって言ったんだけどクォーターの癖にハーフの自分より目立つなって突き飛ばされて。おまけに不良が二人来て暴力を振るってきたわ。背中やお腹は痣だらけ。」
思い出して涙ぐむ尾田ゆかりに炎真とシトッピーは愛結華のやり口に怒りを顕にした。
「尾田ゆかりさん。話してくれてありがとう。」
「ありがと。」
炎真とシトッピーが退室しようと席を立つと今度は尾田ゆかりが声をかけた。
「貴方達の親友って沢田綱吉さん?」
「うん。」
「愛結華・フォードは嘘をついてるわ。」
「嘘?」
「何時だったか覚えてないけどあの日ラ・ナミモリーヌで愛結華・フォードは何人かの友人とお茶をしていた。でも翌日にその時間帯に沢田綱吉さんに殴られたって言いふらしていたわ。」
「有力な情報だ!ありがとう!」
「沢田綱吉さんの無実が証明されると良いですね。」
尾田ゆかりは笑顔で見送った。
炎真とシトッピーは尾田ゆかりの家を出ると愛結華の嫉妬に呆れていた。
「あの女、自分のより可愛い尾田ゆかりに嫉妬したんだよ!」
シトッピーの意見に炎真は頷き携帯を取り出した。
「雲雀さんに報告しよう!」
炎真は携帯で雲雀に尾田ゆかりの話をした。
その様子を自室の窓から伺う尾田ゆかりはにっこりと笑うと意識を失いベッドに倒れ込む。するとある人物が現れた。
「これで沢田綱吉の無実の証明が一つ固くなったかな。」
出てきた人物はプリマベーラだった。