静寂の住人
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「・・・。」
「ハァ・・・。」
プリマベーラとイヴェールは愛結華の卑劣さに嫌悪感を感じ、簡単に騙されたリボーン達に呆れた。
「事情は分かった。まずは沢田綱吉を保護しないとな。」
「僕が行くよ!」
プリマベーラの言葉にイヴェールは暫し考える。
プリマベーラに行かせたら世界に要らぬことをする可能性がある。だが自分が行けばその隙に他の世界に何かしらやらかすだろうと。
ならば自分がここに残りプリマベーラを監視する方が安全だと考えた。
「・・・・・・。分かった。ただし!余計なことはするな!」
「うん!分かってるよ。」
「絶対だぞ!」
「行ってくるねー!」
イヴェールは念を押しプリマベーラを見送った。
ーーーー
ツナが倒れている場所の近くに辿り着いたプリマベーラはこの地の記憶を読み取る。
「へぇ。良い場所じゃない。『衣の隠れ里』かぁ。ここに沢田綱吉を連れて行こう。」
そうと決まればとプリマベーラは辺りを見回すと遠くの方にしゃがんで篭に茸や薬草を摘んでいる長い黒髪の少女を見つけた。
『あの子は衣の隠れ里の住民だね。ごめんね。少しの間君の身体を借りるね。』
プリマベーラは少女の意識を奪い身体を乗っ取った。
「よし!これでOK。」
プリマベーラは瞬時に倒れているツナの所へ向かった。
足の痛みに苦しんでいるツナにプリマベーラは声をかけた。
「君、大丈夫?」
「うぅ・・・君は・・・誰?」
「私は瞳子。私の家で手当てするね。」
瞳子に身体を借りたプリマベーラはツナに肩を貸し衣の隠れ里へ向かった。
ツナは意識が朦朧としていたが不思議な出来事に目を丸くした。
木々が自ら動いて左右に分かれ、するとそこには細い道がありその奥の方に沢山の田畑が広がっていた。
「な、何でここに村?みたいな場所が??木が動いた!?」
「此処は衣の隠れ里。」
瞳子はツナに笑顔を見せて言った。
里に入って行くと隠れ里の住民は瞳子に肩を借りて歩いているツナを見て話しかける。
「瞳子。この子は?」
「足を怪我してるから此処まで連れてきたの。」
「勝手に他人を連れてきたら駄目だろう!ここの掟は絶対だ!」
「秋人おじさん大丈夫だよ。この子はどうやら冤罪をかけられてるから。」
冤罪の言葉に秋人と呼ばれた住民は態度が変わる。
「そうか!なら早く手当てをしないとな。瞳子はこの子を家に連れて行け!俺は寧々婆を呼んでくる!」
秋人は寧々を呼びに行き瞳子はあと少しで家に着くからとツナに言い、家に向かった。
家に着くと瞳子はツナを布団に寝かせズボンの裾をゆっくり捲る。
しかしプリマベーラは人間として手当てをしたことなど一度もないし、瞳子の記憶や知識を読み取っても銃創の手当ての仕方は見たことがあるがしたことは無かった。しかも見たことがあってもうろ覚えだった。
仕方がないと傷口を消毒する時にツナの足の怪我の治癒に自分の力をほんの少しだけ使った。
「ありがとうございます瞳子さん。」
「暫くは此処で休むと良いよ。えっと名前は?」
プリマベーラはツナの名前を知っているが知らないフリをする。今までのやり取りでまだ聞いていなかったからだ。
「俺は沢田綱吉。」
「そう。なら綱吉君って呼ぶね。私は呼び捨てで良いから。」
「なら俺も呼び捨てで良いよ。」
プリマベーラはこれで取り敢えずはツナを保護出来たと安心して愛結華の手に渡ってしまったボンゴレリングを取り戻す為に動き出した。