自由を望む大空
ツナが帰宅するとリボーンが玄関で仁王立ちしていた。
「友達の家に居るってママンに連絡したらしいが獄寺はイタリア、山本は部活。京子とハルに連絡したがおめぇは居なかった。何処に居やがった。」
「骸達の所だけど。」
リボーンは僅かに顔を怪訝そうに歪めた。
「骸達と親交を深めようかなって。いつかはボンゴレを継ぐんだし。霧の守護者はファミリーの実体を隠し敵対ファミリーのから守るのが役目なんだから仲良くしておきたいんだ。」
いかにもボンゴレの為に、次期ドンナとして動いてますと言うツナにリボーンは『良い傾向だ』と思い「なるほどな。上手くやれよ。」と上機嫌でビアンキの部屋に戻った。
勿論上手くやるよ!ボンゴレを潰すんだから!
ツナはリボーンをせせら笑った。
翌日も山本や京子を無視して放課後は直ぐにヘルシーランドに直行した。
「ボスいらっしゃい。」
クロームに出迎えられ骸のいる部屋に案内される。
「綱吉さんこんにちは。」
「今日は季節限定のチョコレートを買ってきたよ。」
「ほう。これは美味しそうですね。」
ツナが買ってきた大量のチョコレートに満足な骸。
「今日は予め母親擬きには帰りが遅くなるって言っといたから大丈夫。」
「アルコバレーノにはバレませんでしたか?」
「骸達と親交を深めるって言ったら『そうか。上手くやれよ。』だってさ。」
アイツ読心術はどうしたんだ、俺のこと舐めすぎと笑うツナに骸はその方が此方としては楽だから良いじゃないですかと笑う。
一頻り笑った二人はチョコレートをかじりながら策を練っていた。
「ボンゴレの武器の供給を絶つにはやっぱり敵対ファミリーにボンゴレの情報を流せばいいのかな?」
「そうですね。只いきなり流すと疑われる可能性があります。少しずつ小出しに流すのが安全でしょう。」
ボンゴレの表の企業はどう潰すか、敵対ファミリーとどうやって接触するか等話し合うツナと骸。
二人の笑顔が何処と無く黒いのは気のせいでは無いだろう。
「ウーン。後はボンゴレを継ぐまでは何も出来ないなあ。」
「それもそうですが、君はアルコバレーノ達に同盟ファミリーのボスや幹部に結婚させられる可能性があります。」
同盟ファミリーのボスや幹部と結婚したら身動きが取れなくなると骸が指摘する。
ツナは暫く思案し、骸に爆弾発言を投下した。