自由を望む大空
「待ってましたよ、沢田綱よ・・・。」
「俺、女だから。ボンゴレの血筋を守るために男のふりしてたんだ。」
骸はツナの制服姿を見て固まる。ツナはやっぱり固まるかぁ、と苦笑いした。
ツナはポッキー、チョコビスケット等を出して近くに居たクロームに「麦チョコ好きだよね?」と渡した。
クロームは一瞬きょとんとするが「ボスありがとう。」と受け取った。
「ありがとう」だって。クロームは良い子だなあ♪お礼も満足に言えないあいつらに見習わせたいよ!ツナはリボーン達に毒づいた。
「今すぐにでもボンゴレ本部と支部を瓦礫の山にしてやりたいんだけどなぁ。」
クロームに出された紅茶を飲みながら言うツナに骸はさすがにそれは無理ですよと言われる。ツナ自身分かっているが言わずにはいられなかった。
「時間はかかりますが内側から崩して行くしかないですよ。」
「やっぱりそうなるよね。とりあえずボンゴレを継いでからじゃないと難しいか。」
ツナはチョコビスケットを食べながら不満そうだ。
ツナのポケットからメールの着信音が鳴りツナは面倒臭そうにメールを見る。
『今、何処に居るの?もう外は暗いから早めに帰ってきなさい。』
母親擬きが煩いなぁ。
『今友達の家に居るからもう少ししたら帰る。』
ツナは奈々に返信し、またメールや電話が来たら面倒だと電源を切った。
「母親からですか?」
「煩いんだよね、あの母親モドキ。」
「おや、君を産んだ女性に酷い物言いですね。」
「だって毎日毎日毎日、家光さん家光さんしか言わないんだよ。馬鹿の一つ覚えみたいに。オウムの方がもっと色々な言葉を喋れるよ。」
忌々しそうに言うツナに骸は笑う。
いつも騒ぎを起こしては尻拭いをしていたツナ。争いが嫌いでも仲間の為に拳を振るい続けていたツナ。
そんな優しいツナが見せた怒りと憎しみ。
『あの甘い沢田綱吉がここまでアルコバレーノ達を拒絶するとは。おかげで僕は特をしてますからどうでも良いですが。』
骸はポッキーを食べながら思った。
「あ、そうだ。俺の呼び方何とかしてよ。仲が良いアピールをしていくんだしさ。」
ツナに言われ骸は暫く考える。
「では、綱吉さんと。」
ツナはそれで良いよと笑って頷いた。