自由を望む大空

クロームの応援


前もって話をつけていた運び屋を使いイタリアを脱出してツナ達は日本に渡りボンゴレから奪い取った金で郊外の屋敷を買い取り其々が好きな部屋で過ごしていた 。


そして今ツナと骸は何故かリビングで正座をさせられていた。

その様子を見て千種と犬、MM、フランはすごすごと自分の部屋へ逃げていった。
正直、骸の正座姿は恐ろしすぎて見たくない。


クロームは可愛らしい顔をキッとさせていた。

「あの、クローム?俺と骸は何で正座してるのかな?」

「そろそろ理由を教えて下さい。」

クロームは口を開いた。

「私は今、六道クローム。骸様の妹です。」

「うん。」

「戸籍を買った時にそうしましたね。」

「千種も犬もフランも何故かMMも六道の姓で骸様の親戚です。」

「うん。そうだね。」

「MMは強引になりたがっただけですが。」

ツナと骸はビクビクしていた。クロームが今まで二人に怒ったことなど一度もないのだから。

「でもボスは未だに沢田の姓。」

「うん。仕方ないけどね。」

「綱吉さんは僕らと違って戸籍が有りますからね。イタリアでは死亡説が流れています。なのに今、日本で死んだことにしたら返って怪しまれる可能性がありますから。」

「ボンゴレだってマフィア。恨みは沢山買ってるからね。」

「下手に動いたら綱吉さんが危険です。中には超直感を狙うマフィアもいますし。」


クロームは口をへの字にした。ツナと骸は心臓に悪い!心臓が痛い!と心の中で絶叫していた。


「私が言っているのはそこじゃないの。骸様。自分の本当の気持ちを伝えるべきです。ボスも伝えるべき。骸様なら受け止めてくれるから。」

ツナはポカーン顔。
骸はクロームの最後の言葉に顔を赤くした。


「私は部屋に戻るから骸様とボスはちゃんと話し合って。私、二人が同じ姓になるのを楽しみにしてるから。」

「えっ!?」

「クローム!?」

またもやポカーン顔のツナと顔が赤い骸にクロームは笑顔になった。

「骸様とボスが結婚したらボスは私のお義姉さんだもの。」


ちゃんと話し合って答えを出すまでここから出ちゃ駄目と言い残しクロームは部屋を出ていった。


リビングに取り残されたツナと骸。とりあえず痺れた足を崩した。



「「あの!」」

同時に同じ言葉を発してハモる二人。

「綱吉さん何ですか?」

「いや、骸から言いなよ?」

暫くの間、そっちが先に!自分は後で良いから!そんなやり取りが続いた。

「骸から話してよ!」

「綱吉さんの後で話ますから先にどうぞ!」

埒が開かないとツナは唸って爆弾発言を投下した。

「ううーーーっ!じゃあボス命令!!骸話して!」

床をバンッと手で叩く。

「ええ!?今はボスじゃないでしょう!?そのボスを辞めたのは貴女ですよ!」

「あーもー!良いから言えーーーーっ!!」

床をバンバン叩き、見上げるツナ。惚れた弱味で骸が折れた。


49/52ページ
スキ