自由を望む大空

孤高の雲だった者からの制裁


やり返されなくても違う形で降りかかることがあるということに気付かない者もいたーーー。



ボンゴレが崩壊した数日後に日本のあちこちで騒ぎが起こっていた。




「このようなことをする人間には会社に居て欲しくはないのだよ。辞表を出しなさい。」


「こんなことをする子だったなんて!今すぐ出て行きなさい!」


「お母さん暴力振るってたの!?信じれない!!」



「父さん!何でこんな酷いことが出来るんだよ!!」



「暴力振るって楽しそうにするなんて!離婚よ!」



「婚約は破棄だ!」



京子とハルが受けた仕打ちと同じように受けているのはかつてアリスンに騙されツナに暴力振るい、罵った並盛高校の生徒達。

彼らはツナにしたことを綺麗サッパリ忘れて人生を謳歌していた。

地位を得た者も居れば結婚した者も居た。子供を授かった者も居たし恋人が出来て皆幸せだった。

そんなに彼らは降りかかるのは昔犯した罪。
降りかかった彼らは京子とハルの様に幸せの絶頂から不幸のドン底に落とされた。





風紀財団の執務室で紅茶を飲んでいる雲雀は機嫌が頗る良い。

『僕がいつまでも許したままにすると思う?並盛の風紀を乱した罪は重いよ!』


雲雀はツナが復讐するかと思って待っていたがボンゴレ潰しで暇がないのだろうと雲雀が写真や、映像を愚者達にとって知られたくない所や人物に送り付けた。


その結果を草壁が纏めた資料を読んで雲雀は自業自得だ!と口で笑みを作った。


そして随分前だが風紀財団の力で企業に手を回し京子の再就職を邪魔した。雲雀からしたら無条件でツナに守って貰っていた癖にあっさりと裏切った京子が許せなかったし、同じくハルも許せるはずがなく、ツナがハルの夫の職場に写真等を送り付けたと同時に雲雀も写真やDVDを大量にハルの夫の職場に送り付けていた。




「小動物は元気かな?」

ボンゴレの崩壊を知らない雲雀は呟き資料をデスクの引き出しに入れ商談の為応接室に向かった。



違う形で降りかかった者達もアリスンの嘘に騙されず、ツナを助ける、もしくは見てみぬふりをしていれば失うものは何も無かった。



やり返された者達も降りかかった者達も何もかもを失って自分にとっても大切な人に切り捨てられた。
そしてその大切人の心を大きく抉り、傷付けたことに気付けた者はいるのだろうか?
これもまた誰にも分からなかった。


48/52ページ
スキ