自由を望む大空
骸に後ろから蹴られクロームの幻覚の蔦で拘束されてうつ伏せに寝転がされた了平は何が起きたんだと騒ぐ。
「沢田!一体何なのだ!?」
「かつて俺を裏切ったお前らにお礼をしてるんだ。」
ツナは了平の前に立って刀を納めた鞘で背中を手加減無しで殴り付けた。
「極限に何を!ガッ!」
「だから裏切り者を制裁してるんだって!頭悪いなぁ。まぁいいや。馬鹿に言っても分からないしね。とりあえず、右手を叩き潰すか。」
バンッ!
グシャッ!!!
「グアアアアアアーーー!!」
鞘で右手を目の前で砕かれた了平は悲鳴を上げる。
「かつて拳で殴り付けてくれましたよね?だからお礼に俺もしてるんだよ。ただ腕力が自慢のお兄さんより女の俺の方が力が無いから武器を使いますね。これなら同等にお返しが出来ます!」
「や、止めてくれぇぇーーー!」
「嫌です。だってお前は止めてくれなかったし。次は左手ね。」
ダンッ!
グシャッ!!!
「ウギャャーーーーーッ!!!」
「たった二発で騒がないでよ!俺の方が酷かったんだからさ!!」
ツナはまた鞘で了平を殴り始める。暫くすると了平のポケットから携帯の着信音が鳴った。ツナが携帯に出るが内容を聞くと直ぐに切って良いタイミングだと笑いだした。
「お兄さんの母親から大事なお知らせが来たよ!笹川京子が首吊り自殺したってさ!」
「な、何・・・っだと!極限、何故・・・・・・だ?」
痛みに呻き泣きながら何故京子が自殺などしたのだと聞く了平にツナは笑顔で言った。
「あの女が勤めていた会社とお前らの両親に俺に汚水をかけたり、ビンタしたり罵ってる写真や映像を見られたのがショックで自殺したんだって!自業自得ってこの事だよねー!つか写真や映像をちょっと見られただけで自殺するとは思わなかったな。アリスンが嘘をついていたと知った途端に以前のように接してくるくらい神経図太い癖に。」
「き、京子を馬鹿にするな!」
痛みを我慢して妹を庇う了平にツナは吐き捨てた。
「最初に裏切りって馬鹿にしてきたのはお前と馬鹿妹だろうが!!」
「ーーーッ!!」
ツナに最初に裏切りったのはお前らと言われ言い返せなかった。それを面白そうに見た後、クロームは獄寺にしたように了平の片腕だけ幻術の蔦を解いた。
ツナは了平のボンゴレギアを奪いリボーンの方に歩いて行き脇腹に蹴りを入れると最後に言い残すことはない?と聞く。
「ビ・・・アンキだけ・・・でも見逃して・・・く・・・れ。」
「へ?確かそんな奴もいたっけ?でも残念!あの毒婦はとうの昔に売り飛ばされてま~す!」
「何・・・だと!」
「あ、姉貴・・・。」
ツナの言葉にリボーンと獄寺は嫌な予感がした。
「性悪だったけど見た目は良かったからさ、騙して睡眠薬で眠らせて人身売買をしているファミリーに売り飛ばしたんだ!今は麻薬漬けで何も分からないまま変態達の玩具になってるよ!特に毒蠍のビアンキだと知った連中は愉しそうに喜んでるらしいよ!ポイズンクッキングでやられた仕返しが出来るってね!そう報告されてるしね!」
「売り・・・飛ばしただと!」
「姉貴ーーーッ!!」
楽しそうに話すツナにリボーンは愕然とし獄寺は泣き出した。
「やっぱり4番目でも愛人は大切だもんね?腹が痛くなっても姉は大切だもんね?だから売り飛ばしたんだけどね!」
だってお前らは俺から色々奪い取ったんだ!だから俺も奪い取っただけ!と言い放つツナにリボーン達は恨まれ憎まれていることに漸く気付くが。
見守っていたクロームはリボーン達をみやって溜め息をもらした。
「気付いただけで何も言わない。どうしようもない人達ね。」
「それについてはハナから期待してないから平気。それにコイツらはもう終わりだし最後に吐き出そうかな。」
ツナはリボーン達に憎しみの目を向けた。
「俺に暴力を振るって無実だと分かった時には消えない傷痕だらけで子供を産めない体にされた!それなのに何もなかったようにまとわりついて腹が立つんだよ!ボンゴレを継いだら骸には勝てないからって腹いせでクロームに嫌がらせして!どれだけ卑怯なんだよ!それに俺をボスにしたかったのは自分達の地位を保つ為だろ!子供を産ませて更に地位を確実にしたかったんだろ!どれだけ俺を道具にするつもりだよ!謝罪一つ出来ないなんて最低なんだよ!お前らなんか死ねば良いと思うくらい大嫌いだ!!」
先に気付いたリボーン以外の裏切者は謝罪をしていないことに気付き謝罪を口にしようとするがツナはとっくに時間切れだよ!と一刀両断した。