自由を望む大空
地下牢に入ると既にクロームが蔦で拘束されて動けなくなっている獄寺、山本、ランボ、イーピン、フゥ太を犬と千種がズルズルと引きずり出していた。
クロームはツナと骸に歩み寄った。
「MMとフランは『構成員』に資金を渡して逃がしてるわ。それから『構成員』から伝言。恨みを晴らさせてくれてありがとう。て言っていた。」
クロームからの伝言にツナは本当は殺したかったはずなのに自分に譲ってくれた『構成員』にこれからは幸せになってと願うと弱っている裏切り者を冷たく見やる。そんなツナに獄寺達は何かの間違いだ!信じて!と口々に言い出した。
そんな獄寺達にツナは怒りを顕にし、骸とクロームは侮蔑の目を向け、犬と千種は呆れていた。
「信じて。それはかつて俺が何度も何度も言った言葉だよね?でもお前らは揃いも揃って暴言を吐き暴力を振るったよな!」
「「「「「!?」」」」」
「許されたとでも思ってたの?おめでたい頭だよね。」
ツナは獄寺の部屋を漁り煙草とライターを持ち出していた。
拘束され転がっている獄寺にツナはライターで火を付け煙草を近付けた。
「10代目!や、止めて下さい!」
ツナがしようとしていることが分かりガタガタ震える獄寺を愉しそうにするツナ。
「お前でも怖いんだ。根性焼き。でも俺が何度止めてって言っても止めなかったよね?だから止めないよ。」
ジュッーーーー
「グアアアアアアーーーッ!!!」
思いっきり頬に煙草を押し付けられ獄寺は悲鳴を上げた。
「たった一回の根性焼きでちょっと大袈裟すぎだよ。」
そして逆の頬にも煙草を近付けるツナに獄寺は
何でもするからもう止めてくれと懇願するが、ツナははね除けた。
「はぁ?何もしなくて良いから根性焼き受けてよね。」
ジュウーー
「グアアアアアアーー!!!」
火傷の痛みに悲鳴を上げ涙を流す獄寺に更に両手両腕、両足に根性焼きをしていき最後に額にして嘲笑するツナ。
「アハハ!イケメンが台無し!でもお前には似合いだよ?」
獄寺から嵐のボンゴレギアを奪うように千種と犬に命令して骸は奪いやすいように獄寺の腰の部分だけ幻術の蔦を解いた。
ツナは獄寺に煙草を投げつけて次は山本だよと花が咲いたような笑顔で言った。
「ツナ!止めてくれよ!」
獄寺にした仕打ちを見て山本はガタガタ震えていたがツナは無視し千種が用意していた刀を抜いた。
「お前は俺を切りつけたからお礼にお返しするね!先ずは~お前に暴力振るえなくなるようにしてやるって言われて右腕を切りつけられたから、右腕ね!」
ツナは山本の右腕を切りつけた。
「ギャーーーーッ!!」
「だから大袈裟すぎるよ!獄寺みたいだなぁ。」
「も、もう、止めてくれ!後生なのな!」
懇願する山本にツナは優しく微笑んだ。それを見て山本は助かったと思った瞬間、左腕を切りつけられた。
「ギャャャャャャーーーッ!!!」
ツナは微笑んだまま遠慮するなと今度は右足を切りつけられた。
「ウギャャーーーーー!!!」
「お礼なんだから遠慮しなくて良いんだよ♪山本は俺に沢山してくれたんだもん!次は手だよ!」
右手と左手に刀で何度も突き刺し、トドメに両足のアキレス腱を切った。
「ウギャァァァァーーーーーー!!!!」
「お前と違って一回で済ましてんだから俺って優しいでしょ?」
「う、うぅ・・・・・・うう・・・。」
痛みに呻く山本をつまならそうに見て刀を捨ててるとツナは千種と犬に了平を連れてくるように言った。
「まだ寝こけてるかもしれないから大変かも。」
「めんどいけど仕方ない。」
「仕方ないから行ってやるびょん!」
千種と犬は地下牢を出ていった。
ツナはランボとフゥ太、イーピンに目を向けた。三人は泣き出し助けて!と頼み込む。
ツナはさすがにまだ子供に暴力を振るうのは気分悪いなと呟き、三人は助かるかも!と目を輝かせる。
「暴力じゃなくて薬で逝って貰おうかな。」
「「「!?」」」
ツナは注射器を懐から取りだし身動きが取れないランボ達の腕に射った。
「苦しくはないと思う。ユックリと体の機能が停止していくから死ぬのを感じながら死ねるよ。俺はお前らに手榴弾食らったり、餃子拳を食らったり、ランキング能力を使って花瓶や辞書を投げ付けられて痛かったし苦しかったけどお前らは苦しくないから良かったね!」
恐怖で大人しくなったランボとイーピン、フゥ太に先ずは喉の機能がやられてのかな?と笑っていると大声を出して走ってくる人物がいた。
「極限地下牢に敵が侵入したと聞いたぞー!」
了平が走りそのあとを面倒臭そうについてくる千種と犬。
了平は睡眠薬が切れて絶好調だった為に千種が地下牢に敵が侵入してきたと嘘をついた。
骸は空かさす蔦で了平を拘束した。
「な!極限に何をするの・・・だ!?」
了平の目に写ったのはうつ伏せで転がっている獄寺、血塗れの山本、死んだかのように動かなくなっているランボとイーピン、フゥ太、骸に拘束されぐったりとしたリボーンだった。