自由を望む大空
ツナはボンゴレの今の状況を打開する為に相談にのって欲しいと九代目を呼び、夕食を取りながら相談した。(九代目を騙す為の嘘だが。)
夕食は主に九代目の好物が並べられていた。
『老人には優しくしなきゃね、最後の晩餐だよ。』
最後の晩餐と言っても睡眠薬が混入されている。
それに気付かず口にする九代目にツナは内心超直感は衰えたのかと呆れていた。
ツナからしてみれば不毛な話し合いをしていると睡眠薬が効いてきた九代目が眠りに落ちた。
ツナは骸と犬を呼んでツナの執務室に運ばせ、椅子に縛り付け、リボーンに投与している薬を注射した。
「九代目にはここでボンゴレが崩壊するのを見てもらう!」
「でもその前に敵対ファミリーに殺されるかも知れませんね。」
「それでも構わないよ。崩壊するのを何も出来ずに見ているだけでも、敵対ファミリーになぶり殺されるのもこのジジイからしたら屈辱でしかないからね。」
九代目はボンゴレを守ろうとしていた。そのボンゴレが崩壊するのを見せ付けられるのは苦痛でしかない。
ツナは九代目を放置し、執務室には誰も入るなと厳命した。
ーーーー
「明日で全てが終るのか。」
長かったなと呟きツナは寝室の窓から夜空を見て、スーツのジャケットを羽織りホルスターに護身用にとりあえず拳銃を入れる。
「骸、準備出来た?」
「ええ、勿論。クローム達は既に玄関で待機してますし、笹川了平は睡眠薬で眠らせてますから安心して下さい。」
ツナは頷き骸と玄関に向かう。
「これからチェデフに乗り込む!ラルさん達は既に出ていっているから簡単に侵入出来るけど油断しないで!」
「「「「「了解!!」」」」」
ツナは骸達を率いてチェデフに侵入した。家光に復讐する為に。
ツナは額にオレンジの炎を纏い敵を薙ぎ倒し、骸は三又槍を操り畜生道を発動させ毒蛇が敵を混乱させる。
クロームは蔦を作り敵を縛り付けそこに千種と犬がトドメを刺していく。
後方から来る敵にフランは幻術で撹乱させ、MMがバーニングビブラートで敵を爆発させていった。
「どういうことだ!」
「分からないわ!」
ボスであるツナが何故襲撃してくるのか理解出来ずチェデフは慌てるしかない。
「一体何故ツナが!」
家光は部下に至急ラル、バジル、オレガノ、ターメリックに連絡をしろと命じるが部下が繋がりません!と返ってきた。
「何だと!とにかく連絡を続けろ!」
家光はツナ達のいる場所まで部下を引き連れて向かっていった。
部下に容赦無く攻撃をするツナに家光が割って入った。
「ツナ!何のつもりだ!」
怒鳴る家光にツナは「ここを潰そうとしてるんだけど?」とそれがどーしたと言わんばかりに淡々とした声で答える。
平然と答えるツナに家光は愕然とするが目に入った骸を見てまさかと思った。
「六道骸!ツナと契約したな!」
許さんと骸に攻撃を仕掛ける家光にツナが脇腹に蹴りを入れた。
「グッ!ツナ!?」
脇腹を押さえる家光にツナはアハハハハと笑い、骸は契約もマインドコントロールもしていないと話す。
「骸は寧ろ俺の計画に乗ってくれたんだ。」
「け、計画だと?」
「うん。ボンゴレを潰す計画。」
家光が驚き目を見開くのを見てツナは楽しそうに嘲笑った。
「あのさ、俺がお前らにされたことを許したと思うの?許されたと考えてたの?だとしたら馬鹿だよね?」
「!?」
骸は冷笑した。
「門外顧問はそう思っていたようですね。いや、綱吉さんが継いで当たり前、綱吉さんが犠牲になるのが当たり前、使い勝手の良い道具としか思ってなかったから許されたとか関係ないのでしょう。」
「俺は娘のツナにそんなことはっ」
弾丸が家光の頬をかすった。
ツナは冷たい目で拳銃を構えていた。