自由を望む大空
『初めてとはいえ気絶するかよ!俺だって最初は気絶なんかしなかったけどなぁ。』
ツナはリボーンを閉じ込めている地下牢へと足を運んだ。
気絶しているリボーンを容赦なく平手打ちするツナ。しかも触りたくないからと革手袋をはめているから威力も倍増だ。
「う・・・ツ・・・ナ。」
痣や切り傷、火傷でボロボロのリボーンにツナは優しく笑っていた。
「可哀想に。だけど自業自得だから仕方ないよね。でもレオンは罪はないから解放してあげる。後で外に逃がすから。」
そう言うとレオンに罪はないからとリボーンから取り上げツナは思いっきりリボーンの鳩尾に攻撃する。
「グッッ!」
呻きぐったりするリボーンにツナは「明日も構成員達が遊んでくれるし、体が動かなくなる薬もあるから楽しみにしててね?」と俺が受けてきた制裁を体験が出来て良かったね!大笑いしながら出ていった。
構成員達はリボーンからしたら格下。その格下の人間に痛めつけられてリボーンは屈辱しかない。
リボーンはボンゴレが崩壊寸前まで構成員達に制裁されていた。
ーーーー
山本達の食事を運んでいる部下に体力が落ちていると聞いたツナはそろそろボンゴレを潰しにかかろうと動き出した。
ボンゴレ本部から離れた支部に敵対ファミリーが襲撃すると千種から連絡が入りヴァリアーに向かわせた。
ザンザスはツナの命令を無視しようとしたがツナがヴァリアーの口座と個人の口座、隠し口座等を超直感で全て見付けて凍結させた。ザンザスはブチキレそうになったが暴れてボンゴレ本部を破壊し、幹部や構成員を殺したところでボンゴレを潰そうとしているツナが喜ぶだけだと渋々任務を受けた。(ザンザスとヴァリアーの幹部はツナがリボーン達に裏切られた事を知っていたが彼等にとってはどうでもよかった。)
ツナを殺すことも考えたが殺したら自分達が反逆者になる。それにツナの父親で門外顧問の家光とチェデフが動きザンザスをボンゴレの椅子に座れなくなるようにする可能性があり渋々諦めた。
『ヴァリアーは俺のしていることに気付いてるしボンゴレを潰すのに邪魔してきそうだしね。』
ザンザスは未だにボンゴレを欲している。ならばザンザスに渡すのもありだと思うがツナの目的はあくまでもボンゴレの終焉。それにボンゴレが存在する限り超直感を持つツナは解放されない。
最もザンザス達が帰還する頃にはボンゴレ本部は瓦礫の山でツナ達はイタリアから脱出している。
ザンザスは怒り狂うだろう。だが血筋に囚われない新しいファミリーを作れば良いだけだ。ツナ自身、巻き込まなければ勝手にしてくれって感じだったりする。
表の企業を潰すために情報を小出しに流し次々と買収されたり、倒産した。
武器は敵対ファミリーに奪われボンゴレは翳りを見せそれが更に敵対ファミリーに狙われ小競り合いが起こるようになった。それを見て部下達はボンゴレに見切りをつけて去っていき人員は半分以下になった。
「うん!いい感じになってきた!次は九代目のジジィかな。」
別館にいる九代目は命の灯火が消えそうになっていた。
「さすがに老体じゃ制裁しても直ぐにあの世に逝っちゃいそうだし、敵対ファミリーが襲撃する前日に呼び出しておくか。崩壊するのをじっくり見て貰おう!」
ツナはもうすぐだと唇に笑みを乗せた。
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敵対ファミリーが動く数日前にツナは執務室に骸とクローム、千種、犬、MM、フランを呼び出した。
「これからボンゴレの財産を分けたいと思うんだ。」
ツナの言葉にMMが目を輝かせた。
「だったらブランド物が良いわ!あと医療班で研究した資料!」
ブランド物は兎も角何故資料?とツナは首を横に傾ける。
「その資料の中で肌の研究もしていてそれを元に化粧水とかを開発したのよ!まだ市場に出てないからボンゴレを潰したら美容系の会社を設立して儲けるのよ!」
ツナは確かに肌に負担がない化粧水や保湿クリーム等の基礎化粧品の研究をしたいと言ってきて許可したことを思い出し成る程と頷いた。
後にMMは本当に企業を立ち上げ、しかもツナの超直感を頼りに急成長させ一流企業になった。
「それじゃブランド物と資料はMMね。とりあえず基礎化粧品の開発費も適当に付けておくよ。」
分かったわ!とMMは頷き、他のメンバーは特に拘らなかったから適当に配分した。
「現金は新しく口座と金庫を作ってそこに移そう。」
そして即行で作らせ現金を口座に物品を金庫に預けた。
勿論、口座と金庫は偽名を使い、イタリア以外の国で作った。
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「めんどいけど敵対ファミリーが連合してボンゴレを襲撃する動きがある。」
「敵対ファミリーが三日後にボンゴレに攻め込むって言ってます~。」
「カーツェファミリーが指揮を取るみたいだピョン!」
千種達の報告を受けてツナはラルに連絡を取る。
「ラルさん。三日後にボンゴレは敵対ファミリーの連合軍に襲撃されます。」
『分かった。俺達は前日の夜中にチェデフから出ていく。それまでは家光を騙すために情報を偽装しておく。』
「ありがとうございます。」
『沢田、無事でな。』
「ラルさんも。」
ツナは通話を切り、ラルに感謝した。多分日頃からちょくちょく情報を偽装してくれていたのだろう。じゃなければ家光にバレていた可能性もあったのだから。