自由を望む大空
●月○日ーーー
ツナは部隊をホルスファミリーの近くに待機させ骸とクロームで会談に向かった。
フランは武器庫に身を潜めてホルスファミリーの部隊が来るのを待っていた。
会談が終わるとドン・ホルスは最近のリボーンの話をした。
「リボーン殿は日々奮闘してますよ。厳しいですが手を上げたりしないのでランドも楽しそうにしてます。」
「二人の関係が良好で安心しました。」
俺の時は暴力三昧だったけどね!とリボーンに撃たれたりしたことを思い出し胸中で罵った。
ドン・ホルスは自分の容姿なら上手くいく。ツナに甘い言葉で言い寄りボンゴレを乗っ取りやすくし、あわよくばドンナ・ボンゴレを犯せるとニヤニヤしながら今夜は泊まっていかないかと言ってきて客室に案内された。
暫くするとフランから連絡が入りツナは部隊に命令しホルスファミリーに突入させた。
いきなりの襲撃にホルスファミリーは慌てて応戦するがボンゴレの人員が多いため押されていく。
ドン・ホルスはボンゴレだと分かりツナの客室に向かうがもぬけの殻で舌打ちをし部下にツナ達を探せと命令した。
骸はマフィアを倒せると満面の笑みで三又槍を手にして部隊の指揮を取りながら先陣を切っていく。
次々と倒されるホルスファミリーの部下達。屋敷はあちこち穴が空き、インテリアは粉々だ。
そんな状況にドン・ホルスは怒りを顕にツナ達の客室がある階の階段から怒鳴るように指示を出す。
「六道骸を殺せ!司令塔が消えれば一気に形勢逆転だ!」
ホルスファミリーの部下達は骸に向かって攻撃するが全て防がれ、ボンゴレの部下達に隙をつかれ倒されてしまう。
明らかに劣勢な状況にドン・ホルスは唾を飛ばし喚き散らす。
「何をしてるんだ!」
拳銃を出し骸に標準を定めようとした時、ドン・ホルスは後ろから吹っ飛ばされ階段を物凄い勢いで転がっていく。
「俺を探してたみたいだけど何の用?」
階段にはツナがいた。
転がり落ちたドン・ホルスは頭から血を流しながらツナを睨み付けるが直ぐに恐怖に変わる。
「ラ、ランド!!」
ツナの隣にはクロームと犬がいてランドを捕獲していた。そしてツナの左手にはリボーンが捕まっていた。勿論、リボーンとランドはクロームの蔦で動きを封じられ口にはガムテープがされていた。
恐怖に染まるドン・ホルスに構うことなくツナは「同盟を組んでいるファミリーの武器庫を襲うとは同盟破棄と受け取る。」とドン・ホルスに艶やかに笑う。
「俺にばれてないと思ってた?俺には超直感があるんだよ?それに貴方のファミリーはそれなりに大きいけどボンゴレからしたら格下も良いところ。人員だって少ないし。今まではそのご自慢の容姿でやりたい放題だったみたいだけど俺は好みじゃないよ。残念だったね。」
「ーーーっ!!」
ドン・ホルスはツナの超直感を失念していた。それを何の感慨もなくみやるツナに連絡が入った。
「そう。本部は無事なんだ。ホルスファミリーの部隊は全滅か。千種、MMお疲れ様。治療は笹川了平と晴の波動を持つ人達に任せて二人は持ち場に戻って。」
連絡を切るツナを見てボンゴレ本部襲撃も失敗したことを悟り俯くドン・ホルスにツナは笑った。
「貴方のファミリーは武力は中々の物だけど戦略が稚拙だよね。あんなバレバレな動きをしたら馬鹿でも分かる。」
そう言い放つとツナは手を上げる。それを合図に部下達がドン・ホルスに拳銃を向ける。
「撃て!」
ツナの声で一斉に引き金を引く。
蜂の巣にされたドン・ホルスの姿にランドは半狂乱になり涙を流すが拘束されているため近くに行くことも出来ない。
ホルスファミリーの部下達はボスが死に、後継ぎのランドは捕まっているのを見てもう終わりだと感じ慌てて逃げていった。
「直ちに帰還しろ!」
一部の部下を残しボンゴレの部隊は帰還した。
ツナはリボーンを放り投げ、リボーンは転がり落ちる。
転がり落ちたリボーンにツナが近づいて見下ろし一部の部下達が囲む。
ツナはリボーンのガムテープを勢い良く引き剥がした。
「ツナ!ホルスファミリーは兎も角俺様は無関係だぞ!拘束をさっさと解け!」
「無関係?確かにそうだね。ホルスファミリーにも多少は悪いことしたとは思ってる。」
ニコニコ笑いながら話すツナにリボーンは何を言っているんだと分からない顔する。
「だってさ、お前を騙すためにホルスファミリーを利用したんだもん。」
「だ、騙すだと!俺様を裏切るのか!」
リボーンが喚くとツナと骸は声を上げて嘲笑し、クロームは汚物を見るようにリボーンを見た。
「あー、笑いすぎてお腹痛い!最初に裏切ったのはお前じゃん!」
「日本にいた頃のことか!?」
「正解!あの時は本当に苦しかったな。裏切られて暴力三昧。殺されると思ったよ。」
「それはちゃんと謝っただろうが!」
謝罪したんだからお前もいつまでも根に持つなと怒鳴るリボーンにツナは大声を上げて笑い、そして憎しみのこもった目で吐き捨てた。
「ふざけるな!あれが謝罪?ヘドが出る!」
リボーンは何故そんなことを言われなければならないとツナを睨み付けた。