自由を望む大空



「芝生頭、骸とフランは居るか?」

『極限に居るぞ!今骸がフランの被り物に槍を突き刺して極限に揉めている。』

獄寺の耳に「師匠やめてくださーい」、「お前が馬鹿をやると任務が滞ります!」と骸とフランが揉めているのが聞こえた。

「野球馬鹿、骸の野郎は芝生頭とフランと行動してるぞ!下手な言い訳してんじゃねえよ!」

「なっ!?」

俺はやってない!何かの間違いだ!と騒ぐ山本を獄寺が殴って黙らせ引き摺りながら車に乗せた。
ツナはアバズレ女のときみたいな団結力は何処にいったんだ?コイツら馬鹿だろ?と思いながら車に乗り込んだ。

ツナは山本のボンゴレギアとバットを取り上げ地下牢へ放り込んだ。




「そろそろあの女にトドメをさすかな。そうしたら京子の親友のハルは悲しむだろうね。だからハルは敢えて生かして死ぬまで更に苦しめばいい。ハルは子供に面会を嫌がられているしね。それに京子が死ねばお兄さんは絶望しかないから。」


その為に顔だけ女を生かしておいたんだからとツナは京子が以前の会社で流した映像と写真を了平と京子の両親宛に送るようにとクロームに頼んだ。クロームは心得たように受け取り差出人は不明にし郵送した。


「似非アイドルは両親には俺を制裁していたなんて話してないだろうからあの映像と写真を両親が見たと知ったらどうなるかな?」

ツナの超直感は『京子は自害する』と知らせてくる。

「クローム、笹川京子が死んでも笹川了平にバレないようにしてね。」

「分かった。千種に言っておく。」

ツナは妹命の了平には京子の死が一番効くことを分かっていた。だからどのタイミングで知らせてやろうと考えていた。


ーーーー

了平と京子の母親はポストに入っていた厚みのある封筒を取り出す。
宛名が無ければ怪しむものだが京子のような天然な性格であった母親はリビングで封筒を開けた。

「!?」

大量の写真に写っている自分の子供達にショックを隠せない。

ツナを殴り付けたり集団暴行に混ざり暴力を振るう了平、机に彫刻刀で罵倒する言葉を彫ったり、教科書や私物を壊したり捨てたりしている京子の日付付きの写真が大量に出てきた。
真っ青になる母親は一枚のDVDを震える手で持ち再生する。
そこには写真同様に了平と京子がツナに惨たらしいことを愉しそうにしている映像が映し出された。勿論映像の下に日付が出ている。

「あの子達・・・な、何てことをしていたの・・・!?」

愕然として座り込む母親。そこに偶々部屋から出てきた京子が母親の様子がおかしいと気付きどうしたのかとリビングに入るとそこには写真と映像が流れていた。

「何で!?」

京子は何故こんな映像と写真があるんだと驚愕した。そして何より大好きな母親にバレてしまったことに絶望した。

「京子、沢田綱吉君に何て酷いことをしてきたの!京子の友達でしょう!?」

泣きながら聞いてくる母親に京子は目を合わすことが出来ず走って自室に籠ってしまった。
その後、ボンゴレが崩壊する日に京子は首を吊った。


ーーーー

次は獄寺を標的に決めたツナ。

『獄寺君は冷静な時は頭が良いからいい加減片付けないとね。ちょうど敵対ファミリーが近付いて表の企業が傾き始めてるし企業を建て直させるように仕向けるか。後は獄寺君にどうやって失敗させるか骸達と話し合いだな。』

獄寺のことだ。失敗したら役に立たなかったと落ち込むだろう。


夜、ツナと骸とクロームで作戦を立てていた。
ツナは獄寺に企業の立て直しをどうやって失敗させればいいかと考えていた。

「駄犬ですが交渉や駆け引きはそこそこ上手いでしょう。それで企業が立ち直ったら意味かありませんし、野球馬鹿の様に僕が駄犬に憑依したらさすがに疑われる可能性もあります。」

「確かに。」

「骸様の言う通り何度も使えるとは限らないわ。」

骸は敢えて獄寺は直接企業の立て直しに使わない方法で嵌めてやれば良いと言い出した。

「諜報部は幾つかあります。その一つを駄犬専用の部署にして企業の動きを見させるだけです。後は千種に嘘の情報を駄犬に流させその間に敵対ファミリーに動いてもらえるようにお膳立てしていけば良いだけです。」

「なるほど!」

早速諜報部の中で規模の小さい部署を獄寺専用にしようと考え、諜報部員の移動を命じた。

しかし予期出来ない事が起こった。


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