自由を望む大空
リボーンを追い出してから獄寺と山本、ランボ、イーピン、フゥ太はイーピン言い争いが絶えなかった。
「十代目の相談役は俺だ!」
「獄寺は短気だから向いてないのな!」
アリスンの嘘が発覚した途端にツナに恋心を抱いていた獄寺と山本は相談役の座を争っていた。
「ツナ姉、この前言っていたファミリーなんだけど。」
「ツナ見つけたもんねー。」
「ツナさん良かったら一緒にお茶しよう。」
ランボ、イーピン、フゥ太は仕事の内容であっても一人占めはさせないと乱入しお互いに邪魔をし合う。
日本にいるときから亀裂が入り始めていたがイタリアに渡り曲がりなりにもまとめ役でもあったリボーンがボンゴレを出た為に守護者や子供達の絆は壊れバラバラになっていた。
その様子をツナは面白そうに見ていた。
『言い争いしてる時のアイツらってアリスンみたいに醜い顔してるなぁ。寧ろクソ女以上に酷い顔だよ。』
「修復不可能なレベルまで壊れてることだしね。守護者の前にガキんちょ共から潰すかな。」
ツナは実行するために骸を執務室に呼んだ。
「次は子供達を嵌めるのですか?」
骸は楽しそうだ。何故なら次の標的を潰したら後は獄寺と山本、了平だからだ。
「ランボとフゥ太とイーピン。確か骸はフゥ太と契約してたよね?」
「ではフゥ太を使っていく作戦ですね。」
「最近ボンゴレのシマぎりぎりで敵対ファミリーが麻薬の売買をしてるよね。」
リボーンがボンゴレから離れたことで敵対ファミリーはリボーンがいないなら簡単に売れるとシマぎりぎりの場所でボンゴレのシマに住んでいる住民に麻薬を売り付けていた。
「なるほど。そこにフゥ太を行かせ麻薬を買わせるのですね。」
「うん。ランボとイーピンは有幻覚で良い。あとフゥ太からランキングの本を奪っておいてほしいな。フゥ太が俺をランキングしたら厄介だ。」
「契約してますから簡単に奪えますよ。」
「なら今夜実行。勿論フゥ太とランボとイーピンが麻薬を買っている所はカメラを回してね。」
ニヤリと笑うことで骸は答え、ツナは楽しそうに頷いた。
翌日ーーー
ツナは獄寺と山本、了平、ランボ、そしてフゥ太とイーピンを呼び出した。
ツナは呼び出した獄寺達に映像を見せる。
ボンゴレのシマと敵対ファミリーのシマの境で敵対ファミリーから麻薬を買っているランボとフゥ太とイーピンが映し出された。
「ランボ、フゥ太、イーピンこれは何?ボンゴレは麻薬の売買は禁止しているんだよ。」
身に覚えのない三人はそんなことしてない!信じて!とツナや守護者達に叫ぶように言った。
「お前らなんてことをしやがった!」
「麻薬の売買は禁止されてるのを知ってたはずなのな!」
「極限にけしからんぞ!」
獄寺達は映像が有るのだから言い逃れは出来ないとランボとフゥ太、イーピンを責め立てると部下が入ってきた。
「ドンナ!ランボ様とフゥ太様とイーピン様の部屋に麻薬が有りました!」
「・・・分かった。貴方は下がって良いよ。」
予めランボ、フゥ太、イーピンの部屋に麻薬を置いておいたツナは内心でひっそりと笑う。
部下はツナに麻薬と証拠を押さえた写真を渡すと頭を下げ退室していった。
ツナは裏切られたと嘆き、ランボとフゥ太とイーピンは信じて欲しいとすがるがツナは首を横に振った。
「信じたいけど映像が物語ってるよ。獄寺君と山本にお兄さん、この三人を地下牢に入れて。そしてこの事は箝口令を敷く。」
獄寺と山本と了平はフゥ太とイーピンを引き摺るように地下牢に連れていった。
「これで少しは信じて貰えない辛さが分かったかな~?」
クスクス笑うツナに骸はどうでしょう?と笑った。
「稚拙な嘘を鵜呑みにしていた人間ですからね。」
「理解してないかもしれないわ。」
「あー、それは有り得る!」
アイツら馬鹿だもんなとツナは冷笑した。