自由を望む大空
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ハルは結婚し、子供を産んで幸せに暮らしていた。
この日も夫と子供の夕食を作っていた。
ガチャリと玄関のドアが開きハルは自分の夫を出迎える。子供もハルに付いていきお父さんと抱き付く。いつもの光景。だがハルの夫は何も言わず無表情だ。
「ハル。これ。」
ハルは夫から分厚い封筒を渡され中身を見た。中身は写真と一枚のDVD。
「!?」
ハルがツナを殴ったり蹴ったりしている写真が大量に入っていた。
何でこんな写真が!と手で口を押さえると夫はDVDはハルが写真の人物を罵ったりしている姿があったと冷たい声で言った。
「最初は質の悪いイタズラかと思ったが写真に日付けがあった。だから並盛に行って聞き込みをしたんだ。そしたら事実だった。しかもこの人は無実だったそうじゃないか!!」
「でもツナちゃんは許してくれました!事実がわかってから話しかけてもツナちゃんはアリスンさんが来る前と同じように接してくれました!」
「許す?こんなことされて許す人間なんているはずないだろ!大方これ以上暴力を避けるために仕方なく許したんだろう。」
ハルは誠意を持って謝罪したのか?と聞かれて京子と同様謝罪してないことに気付きショックで写真を落とす。
「あぁ・・・。」
項垂れるハルの目に飛び込んだのは写真を見ている子供。
「!?」
「お母さん、苛めをしてたんだね。」
軽蔑する子供にハルは座り込む。そんなハルを見て夫は深いため息を吐いた。
「こんな酷いことをして謝罪すらしてないなんてな。子供は俺が育てるから離婚しよう。」
「!?」
「ハルみたいな人間が母親なんてこの子に悪影響だ。それに俺も子供の時苛められていたから写真に写ってる人がどんなに辛いか分かるんだ。」
この後、ハルは夫と話し合うが夫は苛めをし謝罪していないハルを許すことが出来ず、子供は口を聞かなくなり離婚した。
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「マジでウケる!笹川京子は引きこもりで三浦ハルは子供を取り上げられて実家に返品なんて!」
フランからの報告書を受け取ったツナは寝室のベッドで笑いながら転げ回っていた。
「これは雲雀さんのおかげかな?」
ツナの卒業式に雲雀が餞別にと渡した防犯カメラのデータ。
何故それを渡してくれたのかは分からないが役にたったと笑うツナ。(雲雀は何となくだがツナが復讐するのではないかと感じ、使えそうな証拠を渡した。)
そして運が良いのかボンゴレが投資している会社に京子が入社した。ツナは会社の社長や幹部に金を渡してあの映像を流した。
ハルの夫には会社に写真とDVDが届くように手配した。
それを受け取ったハルの夫はそれを見て離婚。
「あの馬鹿女達と違ってこっちは事実だしそれを知らせただけだからね!」
一頻り笑ったツナは超直感の知らせに口角を上げる。
〈母親モドキの死期が近い〉
「へえ、アイツそろそろ死ぬんだ。葬儀には出たくないけど雲雀さんに渡したい物があるから仕方ない。」
ベッドから起き上がり引き出しからある物を取り出す。
「タルボじいさんにムリ言っちゃったけどこれはきっと雲雀さん喜ぶかもね。」
ツナの手にはランクAの雲のリングがあった。