自由を望む大空


俺はお前の家庭教師だ、俺以上の相談役はいない等色々言ってくるリボーンにツナは飽きてきてそろそろ黙らせようとツナは口を開いた。

「ディーノさんが俺にリボーンを譲ってくれたように俺もリボーンを誰かに譲らないとね。ファミリーのボスの後継ぎを育てるのも家庭教師の使命のはずだよ。」

「しかしだな。俺の代わりはどうする気だ?」

「相談事は内容に合わせて守護者達に話すさ。それにリボーンは九代目に雇われたけど厳密に言えばボンゴレの人間じゃないよ。」

「!!」


『ボンゴレの人間じゃないよ。』リボーンはこの言葉にショックを受けるがツナが言っていることは事実だ。

「・・・。分かったぞ。ホルスファミリーのランドを育てる。」

辛そうな顔をするリボーンを見てツナは『そうそう、この顔が見たかったんだよね!』と喜ぶ。

「リボーン。分かってくれてありがとう。今ビアンキに長期の仕事を依頼してるから帰って来たら向かわせるよ。」

「ああ。万が一ホルスファミリーが怪しい動きを見せてきたら連絡する。」

リボーンは準備をすると言って執務室を出ていった。

『連絡ね。そこまでしてボンゴレにしがみつきたいなんて笑える♪さて次は笹川京子と三浦ハル。特に笹川京子は笹川了平を叩き潰すのに使えるよね♪』

こうしてツナはリボーンを追い出すのに成功し、京子とハルを潰すことにした。




ーーーー

京子は大学を卒業した後、就職していた。

「笹川先輩、今日のお弁当も美味しそうですね。」

「京子は料理上手だから。」



昼休みになり食堂は持ち込みも出来るからと同僚と先輩、後輩と楽しく話ながら京子は昼食を取っていた。
食堂のテレビはお昼ならではの番組を流していた。
暫くするとテレビが砂嵐のような映像になり食堂にいた社員達が何だ?と思った瞬間ある映像が映った。


ある高校生が水浸しになり回りの生徒達はゲラゲラと指を差し笑っている。
そんな笑われている生徒にバケツを投げ付ける女子生徒。

「バケツ投げた人って笹川さん!?」

「本当だわ!?」

京子の同僚と後輩が声を出し、先輩は唖然としたいた。

何でこんな映像が!?と真っ青になる京子を無視し無情にも映像は流れ続ける。

罵倒する京子、平手打ちをする京子、並盛の住人に有ること無いことを吹き込む京子が次々と映る。その顔はかつて並中、並高のアイドルと言われていた京子とは思えないほどの醜女。

映像が終わったと同時に京子の環境は180度変わった。


後輩達は自分がツナと同じ目に合いたくないと他の先輩に仕事を教えてもらうようなり、同僚と先輩達は仕事以外は会話をしなくなった。
お局様と呼ばれる女性社員達には怪我だらけの人間にこれはないとドン引きされ、男性社員達は猫被り、陰険な女と冷笑し、上司はいつか問題を起こすと考え、京子を別の部署に飛ばした。



飛ばされた部署は薄暗く、机と椅子があり、机にはパソコンが置かれていた。
つまりここは会社を辞めさせる為の部屋だ。
京子は愕然とした。
それでも京子は不況の中、職をなくすわけにはいかないと毎日出社していたがかつての上司が「クビ宣告を出される前に辞職しろ。」と最後の情けをかけた。
京子は泣きながら頷き辞職することにした。


辞職した日、京子を育てた先輩があることを口にした。

「これは自業自得。あんなことをする人間はいつか社内で問題を起こすと思われて当然。だって貴女は怪我だらけの人に酷いことをしてきたんだもの。あれは謝るだけじゃ済まされないのよ。」

謝るだけじゃ済まされない。
京子は自分は謝罪すらしていないと初めて気が付いた。
京子の表情を見て女子社員は察して呆れた。

「謝罪すらしていないなんて。」

吐き捨てて自分の部署に戻る女子社員。京子はその場でヘナヘナと崩れ落ちた。

その後就職する為に面接を受けるがどこも不採用のメールが届き京子は引きこもるようになった。


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