自由を望む大空


リボーンと家光の苦虫を噛むような顔を楽しんだツナは自室で笑っていた。

「本当に面白かった!骸が耳元で囁いた時なんて父親モドキが睨み付けて笑える!特に母親モドキにコテンパンにされて項垂れるなんてバカじゃない?似非家庭教師はどれだけ俺を継がせようと必死なんだか!寧ろ必死過ぎ!」

舞台は殆ど整ったね。後はボンゴレを潰すだけ。まあ、潰すのが大変なんだろうけど。

自由になりたいと願いを叶えたいツナは絶対に潰すと以前に撮った裏切り者が揃った写真を全てビリビリに破り捨てた。



翌朝ツナが骸と学校に行った後、リボーンと家光は話し合っていた。

「あの様子じゃ別れさせるのは無理だぞ。」

「仕方ない。逆に六道骸を押さえられると考えた方がいいな。」

「そうだな。クロームや他のメンツとも仲良くやっているようだし。」


リボーンと家光はツナと骸が予想していたように交際を認めた。
それを帰宅したツナと家まで送った骸に告げるとツナと骸はバレないように嘲笑した。


一方、リボーンと家光以外の裏切り者達はツナとの交流が途絶え不満が出てきていた。

京子とビアンキは彼氏が出たなら仕方がない、京子が良いならそれで良いと思う了平は納得出来たが獄寺と山本、居候の子供達は納得出来なかった。



「骸に取られる前にツナに告白して付き合えば良かったのなー。」

「野球馬鹿!てめぇ十代目に不埒なこと思ってんじゃねぇよ!」

「ハハッ!獄寺だってそう思ってるんじゃね?」

「うるせぇ!野球馬鹿には勿体ないお方だぞ!」

「その言葉そっくりそのまま返すぜ!骸と別れたらツナにコクるのな!」

「そうはさせるかよ!」



獄寺と山本は元々ツナを慕っていた上にアリスンのことで性別が女だと分かってからツナに恋心を抱くようになっていた。
それにツナ自身、魅力的な女性になっていた。アリスンの嘘が分かり奈々は手当てをして栄養のある食事を食べさせた。体力が回復すると同時に第二次成長期がやって来た。
少年のような体型から丸みを帯びた体型に変化していき、中性的な顔立ちも可愛らしいながらも女性らしい綺麗な顔立ちになった。高校三年生になる頃には京子と並んで『並盛高のアイドル』として見られていた。(ツナは京子と一緒にアイドルとして見られていることを知って心底嫌がっていたが。)

女性として変化していくツナ。ツナの魅力に気付く男子生徒達。獄寺と山本は誰かに取られる前にツナに想いを告げて傍に居たいと思っていた。その前にツナは骸と付き合ってしまったが。



「アホ寺達は学校で会えるけどランボさんはツナと会う時間全然ない!」

「そうだね。僕達は朝と夜の少しの間しか会えてない。」

「狡い!」


年上の遊び相手のツナと遊べない子供達は少しでもツナに構って貰おうとするが我先にと行動するから険悪な関係になっていた。

バチバチと火花を飛ばす獄寺と山本。ツナにかまってもらえない子供達はお互いに嫉妬し、わずかにだが亀裂が入っていった。

それに気づいたツナは裏切り者達の亀裂という副産物に両手を叩いた。潰す材料になるかもと。即座に骸達専用のスマホで連絡を入れる。骸は愚かとはいえ好都合と笑って話を変えた。


「そう言えばイタリア語は勉強してます?」

「してるけどリボーンが教えてくるから身に入んない。」

骸は苦笑いしつつ話を続ける。

「なら、僕が教えますよ。今クロームにも教えてますし。」

「そうなの!クロームも一緒なら楽しそう!」


こうして更にリボーン達と距離を置くツナはこのままイタリアへ渡った。


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