自由を望む大空


翌日ーーー

ツナはいつもより可愛らしい服を着て出かける支度をしていると獄寺の声がした。

「十代目!久しぶりに一緒に遊びに行きませんか?」

『アポ無しで来るなよ!』

ツナは呆れたようにため息を吐き玄関に向かう。


「ごめん!今日はクロームと出かける約束をしてるから。」

ショックを受ける獄寺だがツナの知ったことではない。

「クロームが変なことをしないように俺もお供します!」


俺に根性焼きした君よりずっと良いからね?と言うか比べるまでもないから!


「昨日話したように骸に敵意を持たれたら困るから!」

ツナと獄寺が言い合いをしていると声をかけられた。

「おはようボス。」

「おはようクローム。獄寺君悪いけど俺出かけるから。」

「なら俺も!」

何処までも食い下がる獄寺にツナは苛立ち始め、それに何となく気づいたクロームが顔をだけを獄寺に向ける。

「来られても困る。それに私とボスは下着を買いに行くのよ。男の嵐の人がお店に入ったら捕まるかも。」

「ぐっ!」

クロームの言葉に獄寺は何も言えない。下着という単語のせいか心なしか目元も赤い。
そんな獄寺を見たツナは内心何を想像してるのと罵倒する。


「ボス早く行こう。」

「うん。」

獄寺を放置し二人は出掛けて行った。


「クロームありがと。助かったよ。」

クロームが言わなかったら獄寺は憑いていや、付いて来ただろう。

「気にしないで。でも正直言って付いて来たら幻術で誤魔化そうと思ってたから、引き下がってくれて良かった。折角出掛けるのに邪魔する人は要らない。」

「そんなに今日出かけるのを楽しみにしてくれてたの?」

クロームはコクンと頷く。

「誰かと出掛けたりしたことないから。」

「そうなの?」

「うん。両親は私のことは無関心だったし、千種や犬は骸様に言われてボディーガードとして一緒に来てくれるだけだから。」

自分から誘ったのはツナが初めてだと言うクローム。
大人しいクロームが誰かを誘うこと自体が珍しい。

「そうなんだ。何か嬉しい♪クローム今日は楽しもうね!」

ツナとクロームは駅に向かった。


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