自由を望む大空
クロームに出迎えられツナは笑顔で挨拶をし、骸の部屋へ行く。
「こんにちは綱吉さん。獄寺隼人と山本武は上手く撒けましたか?」
「撒けたけどしつこくてウンザリしたよ。」
ウンザリ顔のツナ。骸もクロームも確かに山本と特に獄寺ならしつこく食い下がりそうだと納得した。
「お疲れ様です。」
「お疲れ様ボス。飲物を持ってくるね。」
クロームは台所に飲物を取りに行く。ツナは買ってきたお菓子を出しながら『こんな気遣いして貰ったのも久しぶり。どんだけあいつらは自分のことばかり考えて俺におんぶに抱っこだよ!』
つくづくリボーンの守護者の選定能力のセンスの無さに腹を立てるツナ。
『そもそもあのジジイ(九代目)がしっかり十代目候補共を守ってりゃ俺が巻き込まれることも無かったんだよな!』
ムスッとした顔のツナを見て骸は理由を聞こうか迷ったが気が引けた。
ツナが動くときに少しだけ見える包帯やガーゼ、絆創膏。たまに痛みが走るのか動きがぎこちない時がある。
リボーン達にあれ程に憎しみを抱いているのはあの怪我が関係しているのは分かっているからこそ迂闊に聞く訳にはいかない。
『聞けば綱吉さんは話すでしょうけど傷を抉るようなものですね。・・・・僕が誰かに気を使うとは・・・。』
骸は自分の心の変化に驚き苦笑した。
「この紅茶美味しいね。香りも少し甘い感じで。」
「桃のフレーバーティーなの。」
紅茶専門店で見つけて買ったと話すクローム。
「紅茶専門店かぁ。行ったことないな。」
「ボス。明日は土曜日だし良かったら一緒に行ってみる?」
いつも引っ込み思案で大人しいクロームの申し出にツナは一瞬驚いたが折角誘ってくれたんだからと応える。
「リボーン達に俺達が出かける所を見せたいし。それより紅茶専門店が楽しみだなぁ。」
リボーン達に見せること<<<<紅茶専門店。ある意味本末転倒なことを言うツナ。
「明日は新作のクッキーやジャムも発売されるし、試飲も出来るの。」
「クッキーとかも売ってて試飲も出来るの!?」
目をキラキラさせるツナにクロームは頷く。
話に花を咲かせているツナとクロームを見て骸は微笑ましい顔した。
「僕は暫く席を外します。明日は二人で楽しめるように話をして下さい。」
「あ、骸を無視しちゃった感じだったよね。」
骸をそっちのけで喋っていたのに気付いてバツの悪そうな顔をするツナにクロームは大丈夫とツナに言った。
「骸様怒ってないから。」
「そうなの?」
頷くクロームにツナは安心した。骸の表情は読み取り難い。
ツナは改めて骸とクロームの関係に感心した。
その後洋服やアクセサリーを買いたいとツナとクロームは話が盛り上がった。