自由を望む大空

ーーーー


「アリスンちゃんの償いになるんだからダメツナが作んなよ!」

「コッタさんにちゃんとしたのを作れ!」

「罰も与えないとな!俺達の分も作ること!」


家庭科の調理実習でクラス全員の料理を作らされていたツナ。
家庭科の教師は毎回授業を調理実習にしてツナがこき使われるのを面白がり、おかげである程度の料理は出来るようになっていた。




『でも今日は楽しく作れたかな?』

クロームは料理を作るのに慣れていたのか手際が良かったし、ポツリポツリと喋るクロームと話ながら作るのは気楽だった。

『三浦ハルみたいに煩くない子とは上手くやっていけそうだな♪』

実際、上手くやっていかないと支障が出るからツナは何としてでもクロームと仲良くしたいと思っているが。



「それじゃクローム。明日からよろしくね。」

「うん。」

ツナは骸に送られて行き、クロームはツナの後ろ姿を見つめていた。


「優しいボスに何があったの?」


クロームは少し悲しそうに呟いた。




翌日の放課後ーーー


「あー、今日はクロームと約束があるから一緒に帰れない。ごめんね。」

「何でクロームと!俺もお供します!」

「それは駄目。俺一人でって骸に条件つけられたから。」

「益々危険です!クロームの奴は骸の部下ですよ!」

「確かに危険なのな。」


いやいや、獄寺君と山本の方が色々危険ですから!ツナは突っ込む。


「骸とクロームと交流を深めてるんだよね。次期ドンナとして。それに獄寺君は骸と喧嘩になるでしょ?それがきっかけで骸がそっぽ向いちゃったら大変なことになるし。」

「うっ・・・。」

「山本は久しぶりに部活が休みなら体を休めた方が良いよ。無理して俺に付き合って腕を痛めたら大変だし。」

「・・・。」

次期ドンナとして。ましてや自分のせいで骸がツナに刃を突き付けることになったらと考えたら獄寺は何も言えなくなった。
山本は過去に無理した結果ツナに助けて貰った立場。そのツナに言われたら言うことを聞くしかない。


「それじゃあ俺そろそろ行くからさ。」

ツナは適当に言い訳をして獄寺と山本を置いてヘルシーランドへ足を向けた。


「何かつまんないのなー。」

「でも十代目がドンナとして動いているなら仕方ない。」

獄寺と山本は以前のようにツナと行動出来ないのを少しだけ不満だった。
  

14/52ページ
スキ