自由を望む大空
翌日の朝ーーー
山本は朝練だし獄寺君もいないから一人で登校出来るなんて爽快だよ!
ツナは頗る機嫌が良かった。
校門にはいつも通り雲雀が立っている。
「今日は駄犬と野球男はいないんだね。」
最近何故か話し掛けてくる雲雀にツナは不思議に思いつつも返事をする。
「獄寺君はイタリアに行ってるし山本は朝練ですから。」
「そう。今日は体育の授業があるよね?」
「六時間目にありますけど。」
雲雀さんってもしかしなくても全クラスの時間割把握してるんだと感心してると雲雀はだったらと話し出した。
「保健室使って良いから。まだ傷が痛むんでしょ?」
「・・・?ありがとうございます。」
ツナは雲雀らしくない気遣いに戸惑うが実際怪我が完治していないから助かると素直に礼を言って教室に向かった。
『ごめんね。沢田綱吉。僕が動いていたら君は傷付かなかったかもしれないのに。』
雲雀は後悔していた。
自分なら並盛の監視カメラを調べてツナのアリバイを立証出来たし、直接暴行されているツナを助けることも出来た。
しかし何故自分がツナを気にするのか分からず苛ついてツナを助けなかった。
自分の気持ちに気付いた時はツナはボロボロで。
それでも助けようとした時にアリスンの嘘が発覚して幕が降りた。
『僕は馬鹿だ。結果、沢田は傷だらけになってしまった。』
ツナの後ろ姿を見ながら雲雀は謝罪した。
六時間目は雲雀の言葉に甘えて保健室で過ごしているツナは最近の自分の動きを思い出していた。
家にいる時は最低限の会話をして自室で過ごしている。
授業中は寝て過ごしていた。
アリスンがいたときは教師がツナに高校生が解けない問題をやらせて笑い者にしていたが今はツナが寝ていても注意出来ないでいる。注意したらツナが教育委員会等に訴えるかもしれないと恐れているからだ。いつ訴えられてもおかしくないことをしたのを自覚していた。
それを分かっているツナは堂々と眠る。
昼休みは仕方なく獄寺と山本、京子、黒川と食べる。(避けると後々面倒だし、ボンゴレを潰すのをバレないように仲が良いふりをしている。)
ここまでは問題ないが。
放課後は適当に言い訳して一人で帰宅するふりをしてヘルシーランドに直行。
さすがにこのパターンは使えなくなってくる。
今日の夜には獄寺君が日本に戻ってくるし。
ツナは骸と話し合っていたことを実行することにした。