自由を望む大空
犬と千種が買ってきたコンビニ弁当を取り合いするフランとMM。
「それはミーのですー!」
「あんたはこれを食べなさいよ!」
「これは食べ飽きました~!」
「私は昨日食べたから嫌よ!」
フランとMMの取り合いを横目に骸はツナに好きな物を取って良いと勧める。
ツナはオムライスと取り、骸、クローム、犬、千種も適当に弁当に手を出す。
MMは強引に奪い取り食べ始めフランはあ~っと嘆きションボリしたのを見てツナはオムライスを差し出した。
「オムライスで良かったら交換する?」
「交換します~。どっかの鬼女とは大違いですー。」
MMは無言でフランにクラリネットを投げ付けた。
時計の針は21時を指していてツナは仕方ないとヘルシーランドを出る。
自宅の近くまで送った骸にツナは何気無く聞いた。
「もしかして毎日コンビニ弁当とかなの?」
「僕はチョコレートが有れば良いですし、犬は作れない、千種は面倒臭がる、フランはまだ子供、MMは想像力豊かな物体を作り上げるだけです。そうなるとクロームが毎日作る羽目になるのでコンビニ弁当で済ませています。」
だからMMとフランは揉めていたんだとツナは納得した。
毎日コンビニ弁当だと飽きてくるのだろう。ツナ自身、アリスンに嵌められてから最初の内は小遣いでコンビニ弁当を買って食べていたが飽きてきたのを覚えている。最も途中から奈々に小遣いを取り上げられてコンビニ弁当を口にすることはなかったが。
「皆飽きちゃってるなら明日は俺が作ろうか?」
「綱吉さんは作れるのですか?」
「簡単な物ならね。それにリボーン達に仲良くしていると思わせる為にも。」
「ならクロームに手伝わせましょう。」
「それじゃまた明日ね。骸。」
「また明日お待ちしてますよ。」
骸は霧を纏い消え、ツナは家が見えるとウンザリしながら歩いて行く。
「ただいま。」
「ツッ君!遅かったじゃない。心配したのよ。夕御飯は?」
「遅くなるって言ったけど?夕御飯は食べてきたし、明日は夕食は要らないから。」
心配する奈々を尻目にツナは足早に自室に入る。
あの女に嵌められた時はネグレクトだったのにさ。
『今更心配だって。笑える。』
アリスンに嵌められてから奈々はツナの食事を抜いていた。痩せ細っても、獄寺達に暴力を振るわれて怪我をしても「アリスンちゃんに謝罪しないからよ!」と叱り飛ばしていた。
ツナはそんな母親の心配なんて要らないと吐き捨てた。