自由を望む大空
「骸と交際してるってことにしたら良いんじゃない?」
骸は又もポカン顔だ。
「あいつらの苦虫を噛んだような顔が見れて一石二鳥だと思うし、骸は見てみたくないの?」
「クフフ。確かにアルコバレーノ達の悔しそうな顔は是非とも見てみたいですね。」
リボーンをはじめ、獄寺、山本、家光は骸に不信感を抱いている。その骸がツナと交際となれば慌てるだろう。
「反対するのは最初のうちだけだよ。逆に考えたら骸を押さえられるって思うよ。あいつらは。」
ボンゴレの為なら何でもする家光とリボーン。
「綱吉さんを同盟ファミリーの関係者と結婚させたいが、僕も欲しい。あれもこれも欲しがる貪欲なマフィアの考えですね。良いでしょう。時期が来たら付き合うふりをしましょう。」
骸はリボーン達が悔しがる顔を見れる日が楽しみだと黒い笑みを浮かべた。
「あとクロームに協力して欲しいことがあるんだ。」
ツナは骸の隣にいるクロームに視線を向ける。
「私に?」
「うん。あと数日もすれば獄寺君が帰国するから此所に出入りしてることが知れたらと煩そうなんだよね。」
「嵐の人は確かに煩そう。」
「だからクロームと会ってるってことにしたいんだ。駄目かな?」
「私は良いけど、骸様は?」
クロームはこの話に協力しても良いかと骸に聞く。
「クローム協力してあげなさい。この際本当に会うのはどうです?その方が疑われなくて済みます。」
クロームと出掛けている所を見せれば納得するだろう。
「クロームお願い出来るかな?」
「うん。骸様の言うことは絶対だから。」
『良いね~。クロームの忠誠心と信頼。どっかの赤ん坊が選んだ馬鹿共とは大違いだよ!あっさり裏切り、あの女が嘘をついていたことが分かった途端に手のひらを返した獄寺君達にクロームの爪の垢を煎じて飲ませてやりたいね!』
ツナは骸とクロームを見ながら心の中で裏切者達に悪態をついた。
「骸さん、腹減ったびょん。」
話し合いをしているツナ達の所に犬が来た。ツナ達は時計を見ると20時を回っていた。
「もうこんな時間ですか。何か買いに行ってきなさい。綱吉さんも良かったらどうですか?」
「それじゃお言葉に甘えて。」
骸の誘いにあいつらと顔を付き合わせて食べたくないからと頷くツナに骸はどれだけのことをリボーン達にされたのだろうと思った。