まさかの!?
一体、何が起きているのだろうか?
出来れば悪夢で魘されながら起きたい気分だ。寧ろそうであって欲しいとツナは目の前の惨劇を茫然と見詰めていた。
並中の体育館は血で血を洗う大惨事になっていた。
「ごめんなさいぃぃぃぃ!リリンが悪かったから許してぇぇぇぇーーーっ!!」
ボンゴレを乗っ取り贅沢三昧し、守護者とイチャついてついでに自分のファミリーも強化しちゃおうと軽い気持ちでツナを嵌めたリリン・パンナはぼろ雑巾と化していた。
そしてリリンをぼろ雑巾にしたのは並盛の歩く暴君、雲雀と黒曜のパイナップルじゃなく変態じゃなく黒曜の秩序(?)の骸だ。
シリアスな嫌われ小説ならこの時点で悪女のリリンは復讐者の牢獄か警察の牢屋に放り込まれ、最悪死んでいるところだ。
「ごめんなさいで済むなら復讐者もFBIも要りませんよ?」
「ナッポーに同意するのはムカつくけどその通りだね!」
そう言うとまたリリンをボコろうと愛用の武器を握り直す雲雀と骸にツナは慌てて止める。
「雲雀さん!骸!もう止めてあげて!リリンさんは女の子だし!!」
フェミニストのツナに雲雀と骸はハァと溜め息だ。
「小動物は甘いよね。」
「全くです。でもそこが綱吉君の長所なんですよね。」
何とか止めてくれそうな二人にツナは安心するが。
「じゃあ、あっちは良いってことだよね?」
「そうですね。」
雲雀と骸の目に写っているのは既にボコられた獄寺、山本、了平、京子。
「とりあえずあの女(京子)はボコらない方向で。」
「仕方がないですね。」
雲雀と骸は獄寺達をフルボッコにし始めた。ツナは目を剥く。
「「「ギャァァーーーーー!!」」」
とても良い顔でボコる雲雀と骸に反比例してリリン以上にボロボロのぼろ雑巾にされていく獄寺達。
「うわーーーー!ちょっと二人共止めてーー!獄寺君達マジで死んじゃう!!」
シリアスな嫌われ小説ならこの時点で獄寺達はツナに見捨てられたり、泥水を啜りながら生きるような生活が待っている。
暴れまくる雲雀と骸を何とか止めたツナはゲッソリした。
「いきなり割って入って来るなんて危ないよ!これ以上怪我する気?」
「包帯や湿布で痛々しいのにこれ以上は許せませんよ!」
リリンに嵌めれてから獄寺達を始めクラスメートにも暴力を振るわれてあちこちに包帯や湿布が貼られているツナを見て憤る。
「やっぱり許せないな。」
「臭いの元は断たないといけませんから。」
ドス黒い笑みを浮かべ並盛の秩序の雲雀は獄寺達をマフィア嫌いの骸はリリンに武器を向け近づいていく。
「二人共止めてーー!リリンさんに獄寺君、山本にお兄さん、京子ちゃんも反省してると思うから本当に止めてぇぇぇ!!」
雲雀の右腕と骸の左腕にしがみつくツナに気を良くした二人は武器をしまった。